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65 ボンちゃんのしごできぶりを振り返る


ボンちゃんが指摘してくれた要点は2つ。

それに準じて僕が起こす反乱。その整理はしておかねば。


1つは、遺跡の中でのこと。

その内訳は、



指摘『転移台に僕が触れると下層が生成される』

反乱『転移台に触れなければ事実確認が取れる』



その僕の行動で彼らは前に進むことができなくなるはず。

それなら、デマンの助言通りに動けば、こちらも相手もさらに傷つかずに済む。

傷付けられた人たちは、僕が居なくなる方が煩わしさから解放されるし。

つまり僕がPTを抜けて転移スキルで遺跡の外へ出るというもの。


それで「転移台に触れない」が成立し、「下層に下りない」で済む。


ユリオルはまだ一緒に行こうと、声掛けをしてくれた。

非を改め、許しを請えば水に流してもらえるのか。

現時点でも彼が雇い主だ。

冒険者としての契約をおろそかにしたくない。


気の済むようにしたいから一時的に抜けさせて欲しいと伝えねばならない。

無断で抜けるのは礼儀に反する。


彼らが何であれ、恩恵を受けたことも含めて好感を持っているため、僕には嫌われたくない気持ちが残っている。

この選択肢が第一なのか、キルバーンに相談することになる。



2つめは、彼らが「エンシェントボム」という得体の知れない存在。

真実に魔物なのか、それとも僕を悪用するつもりなのかという点。


ではどうやって確認をとるのか。

あの様子では、おそらくもう口を割らない。


それと、ボンちゃんの証言の内容を僕が直接視たわけではないから。

じつは密かに彼らを鑑定できないかを試みたが、ダメだった。

僕の鑑定眼ではまだ視れないとなると、再び強行突破で行くしかない。



指摘『奴らは人間ではない。ラルクは騙されている』

反乱『彼らのNPCを僕がこの場で呼び出し召喚する』



呼び出しに応じた彼らは、主人の僕に逆らえない。

すでに屈強の男、キルバーンで検証済みである。

彼らの記憶の中にある真実を教えてもらう。

恐ろしくもある手口となるが、こればかりは勇気をふり絞るしかない。


そのとき彼らは、どんな顔をして何をつぶやくのだろう。


確認を取ってくれとボンちゃんは言った。

目的を探る意味で行動を起こしている間は、アラートを出さないでくれる。


さあ選択のときだ。

彼らに引きずられるようにともに歩を進めるキルバーンに相談を持ち掛けた。

キルバーンは僕の考えに真剣に耳を傾けて意見を聞かせる。



「なるほど……儂は転移で外にでる選択肢が最も無難であると思います」

「……そっちか」

「はい。あ奴らを呼び出すのは奇抜なアイデアですが、本物の前では所詮まがい物です。かえって心中を逆なでにするだけでございますよ、ラルク様?」


「……だな。わかっているよ」


わかっていなかったかも。相談してよかった。

直接問えれば話は早いと考えたのだが。

気持ちがこじれてしまうのであれば、黙ってさよならをする方がマシだ。


それでは、一時パーティー離脱の申請を試みるか。

敵に遭遇していないことだし、僕はユリオルに声をかけ、思いを伝える。


ユリオルは移動は止めずに許可をくれた。


「気の済むようにするといい。どの道、援護をしてくれないのならこのままではいけない。だが戻ってくるんだぞ。最下層が現れたら俺たちは先に行ってるからな」


「はい。ありがとう」


了承を得られたので、僕だけ外に出ることにした。

僕の私兵には動向を見張るように言いつけて。



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