↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/67

57 はじめての召喚



それは【呼び出し】という名の召喚スキルだ。

人生で最初の召喚をする。


女盗賊を三名ほど呼び出すことに決めた。

召喚という僕の憧れとは遠い気もする。

異世界ならドラゴンや獣人といった印象を持っていた。


呼び出すと同時に、ステータスウインドウが開く。

一旦ここに情報として表示されるようだ。

呼び出しに応じたことを示す項目が開いた。


『召喚されし者』という項目が目に入る。

そこには、「オークと女盗賊」とあった。

その折の女盗賊たちだと一目瞭然だ。


ここでのやり取りは念話だ。

僕と彼女らだけの会話で、外部に漏れる心配はない。



「お呼びになりましたか。貴方様に命を救って頂いた盗賊です」

「ラルクでいい。君たちの名を聞いてなかったな?」

「ラルク様、私たちはラルク様の魔力により再構成された造形物なので、名などありません。ラルク様が名付けて下さるなら喜んでお受けします」



つまり、出会った経験がデータとなった。

それを魔力で再構築して生成された人物ということか。

使い捨てのNPCみたいな存在か。

なるほど勉強になった。

当の本人が来るわけではなかった。

それならこの先、気軽に召喚ができそうだ。


魔物だけの召喚ではないため、変わり種のスキルだ。

なるほど、それが『呼び出し』か。



「そういうことなら、左からハル、ナツ、アキと名付ける」

「ありがたき幸せです」



いま僕はステータスウインドウを開いて彼女らと念話をしている。

ゲームでいえば冒頭のキャラメイクに当たる。

この子らはもともと三人いたから容姿も異なるけど。

もとの三人の盗賊に準拠して生成されていた。

レベルは出会ったときのもののようだ。


このSランクの遺跡に忍び込んで来た猛者だ。

LV50クラスの盗賊になる。

そこそこ強いと感じた。

だが、ジョブが盗賊だ。

戦士ほどのパワーはない。


いや、盗賊なら敏捷性に優れているから素早さを活かせるかも。



「初手は、あいつらの腰元を狙い、灯りの魔導石を盗み取ってくれ。暗くなれば敵を視認する精度が落ちる。さすれば命中率も下がるはず」


「かしこまりました」

「お任せください!」

「灯りを盗むなど思いもよらぬ作戦です」



エイム。

敵を正確に素早く討ち払う技巧だ。

剣も魔法も矢じりも命中させるには必須になる技術だ。

彼らも必死に鍛錬をしてきたはずだ。

それを低下させるのが狙いだ。



「体力は1000もあるんだな」

「褒めて頂き、恐縮です」


だけどそれじゃ、アビリオンやユリオルに強打されたらいくらも持たない。


「お前たちを失いたくない。バフをかけておくよ」



防御結界を彼女らにも施してやった。

ここで限界を超える回復というのを試してみたい。

「それを頼む」


すると彼女らの最大体力が、10倍に増加された。

そういうことか、じつに面白い。



「わあ! すごいですわよ。途轍もないちからがみなぎってきたわ!」


「よし、これで行くか。解き放ったらすぐに取り掛かれ!」



ウィンドウを閉じるとその場に解き放たれた。

彼女らは命に従い、番犬のごとくに走り出した。

彼女らのパワーでは、あいつらを打ち負かせはしまい。

そうかといい、僕の攻撃は脅威過ぎる。


倒し切るのではない。

目的を吐かせたいのだ。

何者かを名乗らせてやる。


そのためにもう一人、『呼び出し』をする。

護衛部隊といえども、度肝を抜かれることは間違いない。



「出でよ! キルバーン評議長っ!」

「ら、ラルク様ではないですか!?」


「キルバーンよ、僕に従う義務はまだ残っているか?」

「……義務はございます。まさか、あなた様に召喚されようとは…」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。