↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/66

53 憩いのひととき



第四層の魔物は僕の超苦手とする虫系であった。

ユリオルの後押しでこいつらに戦いを挑んだ。

結果、一発でぶちのめせる快楽へと変わっていった。


敵を雷で怒らせ、敵意を向けさせて反撃を浴びることで倒す。

「この身に触れたら火傷じゃすまないぜ」

なんて、一度言って見たかったセリフでもある。言わないけど。

そんな理想の強靭な身体を手に入れた。


僕が四層の魔物を倒していく間に、しっかりと正解ルートの転移台を見つける仲間。

そして第五層に降りる階段部屋も発見してくれている。



「はやいね。でも、そろそろ昼時じゃないですか? お腹減ってないですか?」


「そうね、お腹すいたねー。この部屋なら敵さんも出ないし、食事にしましょう」



いち早く同調したのはアビリオン。

前衛はとくに動き回っているから腹ごしらえをしっかりとしなくては。

四層のフロアぜんぶを隈なく虫系探し。

親玉もビビって逃げ出したようだ。どこにも居なかった。

どのみち何もドロップしないから、べつに探し出してまで倒す必要はないのだ。


この四層では僕だけが戦闘をした。

レベルアップをしたのも僕だけだ。

焚き木をして、皆は各々収納から自前の食を取り出して。

意外と静かに黙々と食べている。


僕は朝食の残りのパンケーキだ。



「そういえば、ラルクさま。またレベルあがったはずだよね?」


「ファル、様付けはやめてよ」


「う、うん。ごめん。つい癖で……」



ファルは苦笑いを見せ、僕もそれに応えた。

そして、レベルアップの方は戦闘が終わる度に通知があった。

まとめて報告することに。


ソロで討伐したからexp独り占め。

説明本のボンちゃんの解説を読み上げた。




レベルが71に上がった。



HP体力  800

MP魔力  213 +5000(ハイエロファントロッドⅣ

      全属性魔法ランク4


こうげき  71

ぼうぎょ  71+150000(旅服神アプデ



☆「黄金体験期」を120年分獲得。


☆究極の旅人から『旅人の神』30年目の領域に突入した。


☆『旅人の神』:防御+150000


 旅人スキル:モブ化 (隠者スキル

 仙人恩恵 :飛空  (有翼スキル

 究極恩恵 :聖地歩行(転移スキル

 旅神恩恵 :世界一周(再生スキル 

       

 「旅人の神」旅人スキル最上位。

 再生とは、世界にある領域概念の再構築のこと

 更新はすでに開始されました(アップデート中です


 旅人スキルを極めたので「出会いと別れ」を取得

 これまで会ったものと出会うも別れるも自在になった



 その他  :体力のない身で体力のある女戦士を庇った。

       庇ったことにより、その者の体力を温存しつつ、

       最大値を超えて大幅に回復するスキルへと昇格


 スキルシナジーが発生しました

 :回復スキル+神防御=『最大値越え回復』を使用可能に

       

     

      





「ボンちゃんの説明だととりあえず、そんな感じです」


「……まあ、その。どんどんとんでもない人になってるね」


「まだ自分の領土すら出ていないのに、もう旅を極めたとか言われてもピンとこないのだが……」


「僕も実感がわかないです。これはたぶん、スキル獲得の名分でしょうか」


「ふつうの人は何百年もかけて到達する領域にあっという間にたどり着いたのは、魔物とのレベル差なのか。 ところで魔物が見える様になってよかったな」


「出会いと別れってことは、魔物もふくんでいるのかね?」


「たぶん、そうだと思います。魔物なんか呼び出して出会う意味ないですけど」


「オイラはそう思わないよ、それってテイムじゃないか。すごいよ」


「これ、召喚になるのか……。でも、あいつらだよ? リッチとフラスコとでか蜂。

 使いどころがわからん」


「がははは。アスバルドに居を構えたら、掃除でもさせればいい」



出会った魔物を部屋の雑用係に。なかなかのアイデアだと思った。

そうして憩いのひと時は楽しい談話で締めくくられて。


腹ごしらえも済んで「そろそろ行くか」とユリオルが立ち上がる。

皆も順々に立ち上がり、五層の階段へと足を運ぶ。


僕は次の層の敵が気になり、アビリオンに尋ねた。

アビリオンはなぜか「それが、わからないの」といった。



「わからないって、攻略経験がないの?」



ファルもシオンも、デルタンも、「そうじゃないけど、よくわからないんだ」といった。ユリオルたち護衛部隊を一瞥した。彼らは何も答えようとはしなかった。


僕のこの疑問符を皮切りに皆が急にだんまりを始めた。

そのまま速やかに下層へと移動する。

五層に降りると、彼らは息を潜めるように何も相談をしなくなった。


息苦しさは感じないが、瘴気による紫色の霧が一段と濃くなるのを感じた。



なにか不吉な予感に包まれる。

先程までの談笑が嘘のように消えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。