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26 依頼とともに


宿屋を出る。

杖の検証のために向かう先。

街の北部に「汽水湖」みたいな海から流入する湖があって、

その傍にある岩場が浅瀬になっていて洞窟につながっている。

そこは低級の魔物だけが棲みついており、初心者向けの試練の洞窟とも呼ばれる。


魔術上級者のルディが付いているなら安全だ。

杖の効能が本物で魔物討伐ができるなら冒険者登録しておくのがベスト。

そう考えている。


「ルディ。先に冒険ギルドへ寄って行くよ」

「ラルク様、やる気がみなぎっていますね」

「どうせ魔物相手に行くんだから、クエストを受けておきたいんだ」


あわよくば、レベルアップも視野に入れる。


「いよいよ登録されるんですね。あたしまで、ワクワクしてきます」

「採取でもいいけど。雷効果がなかったら杖で叩けば何とかなりそうだから」


攻撃力+50もあるのだから、ぶん回せばどうにかなるはず。

ポーションも沢山あることだし。


「討伐の依頼もあるといいですね!」


理解が早いから嬉しい。

検証が終わって街には昼過ぎに戻りたい。


そして、冒険者ギルドの前に来た。


「ルディは、テーブルに掛けて待ってて」

「では、あちらで待っています」


テーブル席を見て、彼女は冒険者の中へと紛れていく。


年下に付き添われるのが恥ずかしかったから。

離れてもらった。

受付カウンターへ行き、冒険者登録を進めてもらった。


「登録をお願いします」

「はじめまして、わたくし受付担当のカヤです」


受付嬢はカヤといった。

質素な服装で派手な装飾品は付けていない。

だがワンポイント装備に目が行く。

お洒落装備なのか、手首にはめた腕輪がきらめく。


「ラルク、17歳です」

「はい。ラルクさんですね。はじめての方ですね? ご出身は?」


様々な領土の旅人や冒険者の出入りがあるわけだ。

出身はレイナルーズ領であることを告げた。

学園パス(学生証)を提示した。


「この街の方でしたか。──登録条件13歳を満たしていますので、

 これで完了です。本日なにか、ご要望はありますか?」


そう言いながら、冒険者の証である「ギルドカード」を渡してくれた。

僕は依頼があればすぐに受けたいと伝えた。


「浅瀬の洞窟に行くんだ」

「そうですか。採取ならありますよ」

「どういったものですか?」

「きれいな貝殻の採取なのですが、

 貝殻は魔物の殻ですので落ちている物を10個拾ってきて下さい」


魔物の殻ということは、

他者が討伐した後にたまに落ちているということだ。


「ご依頼を受けるなら、ギルドカードを水晶玉にかざして下さいね」


ギルド内にはギルド依頼ボードがある。

依頼を見て選択したら、水晶玉に宣言してカードに記録すれば受領となる。


「魔物討伐できるかもなので、そっちはないですか?」

「倒せるなら、貝殻の(コア)は高く買い取りますが。今のところ討伐はないですね」

「浅瀬の洞窟だと採取と、ドロップアイテムの買取がメインか」

「あそこには危険な種がいませんから。でも君はLV1なので無理はしないでね」


討伐依頼は出ていなかった。

でも仕事はあった。


「報酬は納品後です。この採取と買取には期限がないので焦らずに」

「ありがとう。貝殻のコアは青や緑じゃなく、虹色なんですね?」

「えっ、君……見たことあるの?」

「カヤさんのそっちの腕に光るのはその(コア)を混ぜたものですね?」


彼女の左手を指さした。

さっき目視鑑定を済ませていた。



装飾品名、『きらきら(コア)ポン』

仕入れ値5000G 値段20000G

見た目がキラキラ。


主原料/ きれいな貝殻のコア /出元,,,カラスガニ(水辺/甲殻類)

    レアドロップ・虹色



左右の手首に合計3本付けている。

そのうち2個は青色と緑色で、左手のひとつが虹色だ。


コアじゃないのはどちらも、500G/2000G

鑑定能力です、と自慢したいができないので、満面の笑みで、


「これでも学園生です。勉強していますから」

「まあ優秀なのね! 加工された現物を一目で見分けるなんて!

 核はレアドロップだから1000だよ。依頼のは100だからね」


買い取り価格はそんなものだろう。

水晶玉で依頼を受けたので早速、洞窟へ行きたい。


「頑張って! いってらっしゃーい」


受付嬢に挨拶をしてカウンターを後にする。

ルディが気づいて先に外に出たので、後を追うように合流した。


「ルディは装飾品とかしないんだね?」

「魔法具なら興味も出ますが……」

「そっか」


そりゃそうだな。

でも綺麗な装飾で着飾ってもいい年頃なのに。

レアドロップ……出るわけないけど。

いつかルディにプレゼントしたいな。


依頼とともに、密かにテンションが上がってきた。

食い気だけの乙女になるなよって。



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