第16話
「おはよう、フェリクス、カイ!」
「おはよう、セレナ。」
「おう。」
現在、私は11歳!
フェリクスとカイと会ってから3年。
この3年なにしてたか?
お勉強や訓練、基本的なマナーの練習とか・・・たっくさん!
その隙間をぬって、フェリクスと魔術の話をしたり、教会に本を借りに行って、カイと話したり。
せわしなく、楽しく過ごしていた。
今日も教会に遊びに来ている。
あ、なんでフェリクスがいるのかって?
フェリクスを教会に連れて行った時に、カイと意気投合してたんだよねぇ。
どっちも研究者気質、というか。
その後も一緒に研究してるみたい!
最近は、大昔にあった魔術の再現に挑戦してる。
フェリクスは王立の魔術師団に入るために、魔術の開発や研究と並行して、魔法の訓練を始めた。
本来のルートでは性格がまぁ、よろしくなかったんだけど、今は優しいまま成長しております。
それに、自分の魔術について存分に語れる人が増えて満足そう。
カイは、あの後のやり取りで、攻略対象だと判明しました。
・・・なんで、あんな特徴的な容姿でわからなかったんだろうねぇ。
カイ・ノクティア。
私の1歳上で濡れ羽色の髪と、危うげな赤い瞳を持つ。
本来のルートでは禁忌の研究に手を出して処刑。
ヒロイン――エリナは女神の色と同じってことでかなり執着されていた。
今は学者っぽいかなぁ。
歴史学者。
こっちも性格変わらずです。
そんなこんなで、この3年間みんなで楽しく頑張ってきたわけなんだけど、ここで問題発生。
来年、お父様が事故死する年なんだよ・・・。
中立の立場を貫いてたから、政争で第一王子と第二王子の板挟みになり、危険視されて殺されるって流れ。
どっちかの派閥についたらいいと思うんだけどね・・・。
ちなみに、ゲームでの攻略対象は第二王子。
私の目指す未来的にも、心情的にも第二王子派についてくれた方がありがたいんだよねぇ。
だって、第一王子は性格が非常によろしくない。
生まれたときから王になるべく期待され、勉強をしてきたからものすごく頭がいい。
そこまでならいいんだよ?
でもさ、全部平均よりもちょっとできる弟を自分よりも下に見ていじめ倒すんだもん。
それで第一王子派につきたいなんて、思うわけないってもんだよね。
そこまで考えたところでフェリクスから声をかけられる。
「今日、マナーの授業の日じゃなかったっけ?大丈夫?」
私はハッとして時計を見る。
・・・やばい、そろそろ出ないと。
「私、行くね!じゃあまた今度!」
私はバタバタと書庫室を飛び出した。
「・・・何のためにマナー習ってんだよ。」
「まあまあ。それがセレナらしいところだよ。」
苦笑するフェリクスと鼻で笑うカイ。
2人はいつも通り、セレナを見送ってから会話に戻っていった。
保護者が2人いる・・・。




