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第15話

 「はい、これでいいよ。遊んでおいで!」


「ありがとぉ、おねーちゃん!」


けがの処置を終え、エリナは目を真っ赤にしたままで子供たちの輪に入っていった。

かわいいなぁ。

と、思いながらエリナの後姿を眺める。

そんな私の隣でカイがぼそりとつぶやいた。


「女神みたいだ。」


へ?


思わずカイを見上げる。

彼の視線はさっきまで私が見ていた子供たち――エリナへと向いていた。

エリナは赤い髪を揺らし、少し腫れた金色の瞳を細めて子供たちと駆けまわっている。

私はそんなカイとエリナを交互に見て、もう一度脳内に?を浮かべた。


「なんで?」


私の問いかけに、慌てたようにカイが手を振りながら答える。


「あ、あぁ。画集に載ってた女神様と同じ髪色と目の色だな、って思ってな。」


カイは再びエリナへと視線を戻す。

その瞳ににじんでいたのは、崇拝――執着にも似た感情だった。


やっぱりやばいよね!?

この子!?

書庫室でのあの顔は何だったの!?


「・・・エリナは、女神様じゃないよ。人間。私の妹。」


さらに声量を上げ、カイに笑いかけながら続ける。


「天使みたいにかわいいけどね!」


「・・・なんだそれ。」


素っ気なくふるまいながらも、口元に笑みを浮かべるカイ。

その瞳に、先ほどの感情は見えなかった。




 「じゃあね、カイ!また来るから!」


「来なくていいぞ。」


来なくていいってのはひどくない!?

まあ、どっちにしろ来るんだけどねぇ。

本返さなきゃだし。


私は苦笑しながらカイに手を振る。


「来週も来るから!また色々話そうね。」


私はカイの反応を確かめずに踵を返す。

そして、エリナの手を引いて歩き出した。



 そんなセレナの後ろでは、カイが面倒くさい、といった表情を浮かべていた。

しかし、どこか楽し気な気持ちが混じっているのを見たアガットは、「ありがとうございます。」とつぶやくのだった。

エリナ、天使から女神に昇格☆

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