メカニックの腕の見せ所
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翌日は、延々と地道なアイテム整理と強化を続けているうちに過ぎた。
もう20時か。リボルバーからメッセージはこなかったな。
プラチナランクともなると、さすがのリボルバーでも苦戦するか……。
あのあたりは課金勢が多いだろうからな。
見た感じ無課金のリボルバーでは、まだ今は厳しいだろう。
それよりも、アサギがほとんどオンラインにならない事の方が気になるな。
昨日はあんなにPvPに気合いを入れていたのに、今日はスマホからメッセージでものぞいているのか一瞬オンラインになることはあれど、ゴーグルからログインしている様子はなかった。
3人の名前だけが並んだフレンドリストを眺めていると、ゼンがログインしてきた。
たまにはこっちから声をかけてやるか。
『お疲れさん。今日は早かったな』
『わっ、先輩から声かけてきてくれるなんて珍しいっスね! 嬉しいっス!!』
たまたまフレンドリストを見てたからな。
続いてもう一通届く。
『オレ今日はゴールドランク目指してPvP行ってくるっスー!!』
『おう、頑張れよ。ゴールドからは水中装備も持って行く方がいいぞ』
『水中ステージがあるんスか? 了解っス!』
昨日一日あれば、今はもう、どこの攻略サイトにも、ゴールドランクは水中装備が必須だと書かれているだろう。
俺も装備品整理に戻るか……。
しかし、流石に2000個分もガチャを引けば、なかなか強いSSRのレーザーやピックアップ外のすり抜けURレーザーも手に入ったし、それぞれの武器をしっかり強化すれば、俺は昨日の何倍も強くなれそうだ。
何より俺の最終目標である『最高の機体を組み上げるまでのロードマップ』のうち、レーザー武器の2つはこれで埋まったしな。
大金は一瞬にして消えたが、ここに残された結果を、無駄なく有効に使いたいものだ。
そう。
大金は……消えたが……。
………………実はまだ若干、慣れない高額出費に動揺してはいる。
今日は朝から、俺を起こしたピアリスが「長尾さんが寝言で『俺の金……俺の金が……』と仰っていたのですが……」と心配そうにしていた。
俺も、そんな自分が多少心配ではある。
しかしもう使ってしまったものは仕方ない。
もう俺の60万はどこにも残っていない……。
いやいや、ここに、ゲームデータとして残っている。
沢山の装備品という形で……。
俺が、今日一日で延々と繰り返し続けている思考のループにハマっていると、ポンとメッセージが届いた。
アサギだ。
『クマさんお疲れ様です。今日はどこまで進みましたか? 僕は今日はリアルで手一杯で、今ようやくログインできたところです』
なるほど?
1日ログインできずにちょっと焦ってる……ってとこか?
『アサギ、遅くまでお疲れ様。俺も今日は作業ばっかでPvPは入れてないからゴールドDのままだ』
返事を送って、俺はまた作業に戻る。
別にちょっとくらいPvPに顔を出してもいいっちゃいいんだが、なんつーか……、溢れた倉庫をそのままにしてるってのは、どうにもむずむずするんだよな。
一刻も早く整理して、スッキリしたい。
黙々と作業を続けて1時間ほど経った頃、何とか、溢れに溢れていた装備品を倉庫に収まる数まで減らせた。
ふう。
数を減らすついでに『覚醒』(同じ武器を消費することによって性能を大幅アップさせる。※1武器につき最大3回)は済ませてあるが、まだまだロボワでは各装備品に対して弾速や装甲やリロード時間などをそれぞれ少しずつ上げられる『強化』やレベル上限自体を引き上げる『限界突破』さらには自由度の高い『改造』を施すことができる。
ここからが、本業メカニックの腕の見せ所だ。
俺は装備変更パネルに移動すると、ニヤリと笑みを浮かべる。
まず始めに、俺が普段使っているSRのビーム砲から照射モードの切り替えに使っているアタッチメントを外す。
レンズとミラー機構を組み合わせて作ったお手製の装置だが、これがあるとないとでは大違いだ。
広く浅い広範囲レーザーから極細で強力な遠距離レーザーまで、1本のレーザー砲で対応可能になるからな。
これを、今日から俺のメイン武器となるURフォトンブラスターにつける。
URフォトンブラスターはまだ未覚醒だからな。この先何とか素材をかき集めて覚醒していきたいところだ。
フォトンブラスターの出力じゃこのレンズが耐えそうにないからなぁ、これは外して、今回ゲットしたこのパーツからこの部分のレンズをはずして、こう加工して……。
右肩にURフォトンブラスター、左肩にはURプラズマキャノン……と言いたいとこなんだが、カニバサミが今となっちゃ手放せない装備なんだよな……。
せっかくの美麗な完全覚醒URプラズマキャノンには申し訳ないが、適宜ポンポンと付け替えでカニバサミに持たせることにする。
んで、逆関節機の弱点である脚部には、今回出た中で唯一のUR装甲パーツのこれを、こうして……。
カチャカチャと手を動かしていると、時が経つのは一瞬だった。




