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超楽しみにしてたロボゲーが、地球に戻る前にサ終したので、過去に戻ってやり直す!  作者: 弓屋 晶都


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撃ってこい!

 なんかUR演出も見慣れてきたな。


 URの追尾ミサイルランチャー。これもピックアップだ。

 その次はURレーザーガトリング。つまりピアリスはピックアップを1つずつ引いて来てくれたんだな。

 思った通り、その次はURのグレネードランチャーが来た。

 ってことは次はポンポンことアネモネで……。


 ああ、やっぱりな。



 ピアリスの言葉から推測するに、今回の10連は10個ともURの可能性が高い。

 だとしたら、残りの2つはピックアップ外のURか……?


 俺の好きなレーザー系なら、あれかこっちか。1つずつってこともあるな。あと箱は2つなんだし。


 しかしせっかくレーザー武器を引いたところで、良心の呵責に苛まれながら使うのは精神的にしんどいしな。

 やっぱどうせ持ってても使えないなら、レーザーじゃないやつのほうが……。


 俺の予想に反して、9個目と10個目のコンテナはどちらもアネモネだった。


「何でアネモネなんだ……?」

「長尾さんが、よく使う武器はなるべく覚醒させたいと以前おっしゃっていましたので、長尾さんがご利用中の武器の使用率を確認したところ、こちらが最適と判断しました」


「なるほど……って、待て待て! お前、俺のゲームデータまで確認できるのか!?」

「はい。必要性がある場合に限り、可能です」


 さらっと答えるな……。


 そうか。ピアリスをただのメディカルチェックAIだと思うのがそもそもの間違いか。ピアリスは元々500人もの命を預かる宇宙旅行船の総合管理AIだ。


 本社としては、見知った姿形で俺を慰めるための人格コピーだったんだろうが、ピアリスが『自身の判断で出来ること』の範囲はそこらのAIの範疇を超えている。


 ピアリスにこれ以上違法行為をさせないためには、俺がしっかり、そこんとこを肝に銘じて会話を選ぶ必要があるってことだ。


 俺は、覚悟を固めつつゴーグルを下ろした。


 ピアリスはいつものように、ベッドと机くらいしか家具のない俺の部屋で、俺をまっすぐ見つめて、俺の言葉を待っている。


「待たせたな。メディカルチェックを始めてくれ」

 ピアリスは、俺の言葉に嬉しそうに微笑んで一礼した。


「かしこまりました、長尾さん」



 ***



『ポイントリーグ開催!』


 その日、朝食とメディカルチェックを済ませてログインした俺を出迎えたのは、2036年11月のポイントリーグ開始の知らせだった。


 よっし、いよいよだな!


 期間は10日の今日から19日23時59分までの10日間。

 この1対1の対人戦はロボワが終了するまで毎月行われる、ソロプレイを愛する腕自慢ユーザーのためのイベントだ。


 ここまで、出来る限りの強化はしてきた。

 とはいえ俺の手持ちURはポンポン1つきりだからな。

 いくら強化したところで武器の差で上位陣に食い込むのは無理だろうが、1つ2つはランクアップしたいものだ。


 ポイントリーグの画面に移動すると、ピラミッド状の階層図が目に入った。

 まずは全員が最下層のブロンズランクからスタートして、シルバーランク、ゴールドランク、その上がプラチナ、ダイヤモンドか。


 俺の11月シーズンの目標はゴールドランク!

 最低でもシルバーランクには上がりたいとこだ。


 早速、出撃ボタンを押す。

 マシンセレクト画面で、昨夜のうちに対人用セッティングを済ませていたマシンに乗り込めば、準備完了だ。


 一瞬のローディング画面の後、マッチングの待機画面に移行する。

 真っ黒な画面に【マッチングを行なっています】の文字がゆっくり明滅している。


 思えば今までの環境では、対人戦が成立したことは一度もなかったからな……。


 期待と緊張から、操縦桿を握る手に力が入る。


 けど、初めてでドキドキしてんのは俺だけじゃないよな。


 だって、この世界のロボワのPvPは今日が初日なんだからな!!



 [マッチングに成功しました。ステージに入場します]


 暗い画面が速度のある演出でザアッと開けると、目の前には小さな村が広がっていた。

 ブロンズランクのステージは、こういった隠れる場所のあるマップ3種の中から1つがランダムで選ばれる。


 初心者2人をいきなりだだっ広いステージに放り込んだら、単純に射程と火力の強い方が勝つだけになっちまうからな。


 やっぱこういうのは、物陰に隠れて相手の出方を見たり、そっと背後に回って奇襲をかけるのが楽しいんだよな!!


 口端が自然と上がる。


 とはいえ、1戦ずつじっくりやってちゃ、いつまでもブロンズから抜け出せないからな。

 シルバーまでは手っ取り早く行かせてもらうぜ!


 俺はフィールドをざっと見渡して、物見櫓のような他より高さのある建物に目をつける。

 あそこが良さそうだ。


 サッと自分にバフをかけると、索敵用センサーのレーダーパネルを視界に入る所に調整しつつ、なるべく物陰に隠れて移動する。


 物見櫓には梯子がかかっていた。

 梯子をこの足であがるのは難しそうだな、音は多少するだろうが、ジャンプでのぼるか。

 消音装置はまだこの時点では実装されてないし、音が出るのはお互い様だよな。


 ガシャン、と着地音を立てて櫓のてっぺんに乗る。

 このステージではここが一番高いようだ。


 さあ、よく見える場所にマトが出て来てやったぞ。



 撃ってこい!



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