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食屍鬼と愉快な殺人日記  作者: 莉子
二話・十月のジャックの章
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十六幕・十月の十六日 そのよん





仕事を終え帰ってきたアジト。



今、俺の目の前では、ほぼ無表情なかばねとプラチナが向かい合い、重苦しい沈黙が流れている。







やがて、かばねの唇がゆっくりとその静寂を破った。



「…いやー、プラたんにあーゆー趣味があるとは知らなかったなぁ…。」




一瞬の間。




丁度通りかかったレオが、かばねのその言葉に動きを止め、目を見開いてプラチナを見る。


元々、このダイニングに居て、ばたばたと部屋に走り込み、机を挟んで睨み合ってた二人を興味津々に見ていたラグも、目を丸くした。



時が止まったのではないかと思うようなその一瞬の後、











「ちょっと!?その誤解を招く言い方やめてくれるっ!?」



プラチナの必死な叫びが響き渡った。



そして、再びの沈黙。



先ほどまで固まっていたレオとラグも、黙ったまま、しかし好奇心に満ちた目で二人の次の言葉を待っている。




「……。」



「……。」











「……恋愛小説、読むんだね。」



「ああああぁぁぁぁぁっ!!」



かばねが言った途端、プラチナは血相変えてかばねに跳びかかり口をふさごうとして、避けられる。


さらに、プラチナから逃げたかばねは続ける。



「しかも少女漫画みたいな王道清純(ピュア)……。」


「ぎゃあぁぁぁっ!ほんとやめてぇぇぇっ!!」



プラチナは顔を真っ赤にして叫びながらかばねを追いかけるが、やはりというか、逃げられる。



……いつも動かない情報担当のお前に、かばねが捕まえられるわけないだろ…。



完全に冷静さを失っている。





何だこれ、面白い。















事の始まりは先ほど依頼から帰ってきてすぐ。


プラチナが部屋に帰ると、かばねがプラチナのパソコンを弄っていて、パスワードの付いたファイルを開けてしまっていたらしい。



そこにあったのが、さっき言っていた恋愛小説のファイルだったんだろう。


そのことを何とか隠したかったプラチナが、かばねを口止めするためここまで追いかけ、今に至る。




まぁ、もう手遅れだけど。




ラグはどう弄ってやろうか、とでも言わんばかりの笑みを見せているし、レオに関しては隠そうともせず爆笑している。




いい気味だ。


先ほどのアイツを追うのを止められて、荒れていた気分が少し晴れる。





視線の先で、かばねとプラチナは延々と追いかけっこを続けている。



「別にそんな隠さなくて良いと思うよ?えーっと…タイトルなんだっけ?確か、き……」



「~~だあぁぁぁぁぁっ!」




「じれったい二人が……。」



「ぎゃああぁぁぁぁっ!!いやほんとに許してっ!?」




ここまで取り乱すプラチナは久しぶりだ。





俺もあとでからかってやろう。







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