表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
食屍鬼と愉快な殺人日記  作者: 莉子
二話・十月のジャックの章
82/330

八幕・十月の十日 そのさん




適当に街をぶらつく。



……追いかけてきてないよね?


チラリと後ろを見る。



…よし、大丈夫。


出てすぐ全力疾走したからね。


なんか出てくるときのジャックが怖かったしなぁ…。


すぐ帰るって言ったけど、しばらくうろついてようかな。


うーん…でも結構夕方なんだよねー今。


午後七時前。


今はまだ良いけど遅くまで出歩いてると、警察の人に補導されちゃうんだよなー。


結構困るんだ、これ。


ちゃんとした保護者も、身分証明証もないからさ。



まぁ、目つけられたら逃げるけど。







んー?


あれは…。



「あのお兄さんだ。」



僕は呟くように声に出した。


前の事件の時僕が殺したお兄さんのお友達。


結構遠いからこっちには気が付いてないみたい。


手帳を手に持って、時々辺りを見回しながら歩き、道行く人に声をかけたりもしている。


こんな時間まで熱心に切り裂き魔の捜査をしてるんだね。


お友達想い!



ほんと、僕にはわかんないなぁ…。




一応僕、あんまり首突っ込みすぎると危ないと思うよ、って警告はしたんだけどね。


そんなにすきだったのかなーお兄さんのこと。


だって僕は切り裂き魔のお姉さんのこと教えたし、多分お兄さんは切り裂き魔のお姉さんに殺されたんだろうって作り話もお話しした。


お兄さんが見た切り裂き魔はお姉さんの協力者で、死体の片付けをしてたところをお兄さんに見られたから、お姉さんがお兄さんを誘導して現場を離れさせているうちに二人で片付けて、夢か幻覚だと思わせようとしたんじゃないかって。


だけど、それでもまだ探ってたから殺したのかもって。


僕が居なくなったのは捜査の時お姉さんに顔を見られたし、狙われるかもしれなかったから、とも言っておいた。


矛盾はないはずだし、実際お友達のお兄さんも信じてた。


その上で、世間的にはお姉さんは死んでないし、このあたりで事件は続いてるから近くに潜伏しているんだってメディアは報道してる。


お姉さんの、切り裂き魔の調査をしていた前のお兄さんが、多分そのせいで殺されたって知ってるのに、それでも調査を続けてるんだから、自分もいつ殺されてもおかしくないって思わないのかなぁ?


狙われるのも覚悟なら、普通の人としては結構な度胸だ。


美しき友情ってやつ?


こんなの自分をエサに釣りをするみたいなものだ。


まぁ、今回の事件の犯人は前のお姉さんとは違うから、釣りは上手くいかないと思うけどさ。


そう、確実に釣りをするなら僕の考えてたみたいに……。






……んー?




僕はポケットからマスクを取り出す。


帽子を脱いでそのポケットに突っ込む。


そして上着のフードを深く被る。



それから、見失わないようにお兄さんに近づきつつ物陰に隠れ、付かず離れず尾行を始めた。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ