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食屍鬼と愉快な殺人日記  作者: 莉子
二話・十月のジャックの章
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八幕・十月の十日




今日も今日とて世間は平和であります。



「あ~~っ!もう!!ねぇ!もういっそジャックが誰か殺しちゃおう!?模倣犯とかなら憧れてるにしても、成り替わりたいにしろ、向こうから絶対接触してくるよ!!」



あ、これグッドアイディアな気がする。


後でプラたんにこっぴどく怒られそうだけど。



あ、でもやっぱり怒られたくない。







……あれ?



「…ジャック?」



ジャックからの反応が無い。


いつもなら五月蠅いとか、犯人にイラついてるなら僕の意見に賛成して分かったとか言ってくるのに。


ベッドの上で胡坐をかいて座りながらナイフをくるくると回して弄っていたジャックは、僕の視線に気づいたのか目線だけで僕を見て



「……何?」



と、問い掛けてくる。





…なんだろーなぁ。


最近のジャックはおかしい気がする。


どこかぼーっとしているのにピリピリしてる。


勿論、今回の犯人に対してもだろうけど、多分僕に対しても。



僕、ジャックに何かしたかなー?


怒られるようなことした憶えないんだけどなぁ…。



…いや、ほんとに…。




……本当だってば。







………多分。






…うん、きっと早く犯人が見つけられない僕にイラついてるんだ。


きっとそう。





よっし!



「僕ちょっと出てくる!」


「……は?」



そーさは足から!


決して、ピリピリしたジャックの空気に耐え切れなかったから逃げたんじゃないよ!!



「…っ待て!!」



なんかジャックが珍しく慌てたように引き留めてきたけど、多分余計なことしてないで犯人特定しろって言いたいんだろうね。


うん、大丈夫だよ。


捜査しに行くだけだから!


サボりじゃないから!!


僕はジャックにひらっと手を振って



「すぐ帰るからさー!!」



と、捨て台詞をはいて部屋から出る。





……決して逃げてない。







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