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食屍鬼と愉快な殺人日記  作者: 莉子
二話・十月のジャックの章
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七幕・十月の九日

某所。


裏に通じるとあるホテル。




こういうホテルは、客が明らかに未成年だけだろうが、堅気の人間じゃなさそうだろうが構わず泊めてくれる。


ちょーっと見つけにくい入り込んだところにあって、ちょーっと従業員が無愛想で、ちょーっと部屋が狭めだけど、僕らなんかは仕事でとても重宝している。


部屋に関してはお金次第でスイートもあるらしいし。



これで十分だから別に良いけどね。





部屋の中には僕一人。


ジャックは少し前に出かけ、僕は一人で資料とにらめっこ中。



「あー!無理!!情報足りなすぎだよぉ!特定できないー!早くもっかい殺してくれないかなぁ…?」



僕は手に持った資料を投げ出してぼやく。



一昨日から捜査を続けてるけど、今のとこ進展なし。


前と同じようにして作った犯行場所予測マップをジャックが見回って、その間僕は犯人の特定を試みてるんだけど…。



やっぱり僕はこういうの向いてないなぁ。


前の時だって元々は、もう少し長期的な仕事になる見積もりだったし。


運よくお姉さんが犯行起こして、そこに遭遇できたから良かったものの…。


本音を言うと、今回も早く次の事件を起こしてくれると僕としてはやりやすい。



情報調査・捜査は本来プラたんの領分だ。


でもこれは依頼じゃなくジャックの我儘みたいなものだから、プラたんは動かない。


まぁ僕だけだったら気長にやるよ?


けど今回は気の短いジャックが一緒。


ジャックの機嫌が日に日に下がっていくのが何とも言えない重圧……。








…なんてことになると思ってたんだけど。




いや、勿論ジャックの機嫌が悪いことに変わりは無い。


けど…思ったより機嫌の降下が激しくない。


こんなこと言ってると、ジャックがいつもすぐ機嫌悪くするみたいだけど…。



まぁ、実際そうだ。



特に、切り裂きジャックジャック・ザ・リッパーの名前に関することに関してジャックはとても狭量。



傲慢(スペルヴィア)》故に。



なのに、昨日一昨日と見回りから帰ってきたジャックはそこまで機嫌が悪くなかった。


うーん…。



「……見回り中に何か良いことでもあったのかなぁ…?」



僕は一人首を傾げた。




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