66/330
▽幕・◇年前 ●月の●□日
雪が降っている。
真っ白な街。
遠くに見える時計塔と、洗練された街並み。
静けさが辺りを覆って。
朝の冷たい空気の中。
徐々に眠りから覚めていく。
そんな街を眺める。
橋の上で一人、はぁ…と白い息を吐き出して。
不意にカタカタと手が震えだした。
寒さで……ではない。
それに気付いて、自然と口角が上がる。
やっと…だ。
これで、ようやく一緒だ。
嬉しさが込み上げる。
褒めてくれるだろうか。
笑って、頭を撫でてくれるだろうか。
弾むような足取りで、俺は駆け出した。




