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食屍鬼と愉快な殺人日記  作者: 莉子
一話・九月のかばねの章
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十幕・九月の二十五日(とある警察官の捜査日誌)

昨夜、九月二十四日。



◆◆市児童誘拐事件の犯人グループを逮捕した。






さらわれていた子どもたちからの通報。


そして匿名のタレこみ。


直前に電波トラブルがあったせいで、犯人たちが混乱していたこと。



様々な要素が重なり、無事グループを一掃できた。





しかしその際、捜査線上に浮上した謎の人物がいる。


子供たちに携帯を渡し通報するように言った人物。


子供たちのいた扉の前と、裏口と思しきところで倒れていた二人の男を気絶させた人物。







証言を総合すると『猫耳フードにマスクをつけた少年』とのことだ。




曰く、子供たちが監禁されていた部屋に入ってきて一人の少年を連れだした。


曰く、スタンガンであっという間に気絶させられた。






少年が子供たちに渡した携帯はデータカードが抜かれていて、指紋も検出できなかった。


その少年が連れ出したという子供のことも分からずじまいで…。


少年が言ったという『くろたちばなのはくりゅう』に関しても分からないままだ。



背は低く、小柄で誘拐されていた子どもたちとほとんど変わらないくらい。


多分男の子だ、と子供たちは証言している。


髪が短かったと思う、僕って言ってた、喋り方が男の子っぽかった等々…。








そしてもう一つ謎なのは、ある部屋に残されていた新しい血痕。



誰のものなのかは分からない。



しかし犯人の男たちの内数名が、仲間が一人足りないという。



見た目の良い子供を捕まえたと。


その子供を部屋に連れていかせた一人が戻らなかったと。



男が子供を傷つけてしまい、仲間にそれが露見するのを恐れて逃げ出したか。


或いはその子供が件の少年で、逃げ出すために犯人の男を傷つけたのか。


犯人たちの証言によれば、さらったその子供は焦げ茶の短い髪に濃赤の目だったという。




その少年を見つけられれば、おそらく謎は解けるのだろう。



私はその少年の捜索を決意した。














そういえばもう一つ、おかしな話が鑑識から来ていた。







血痕の残っていた現場に、肉片が落ちていたと。










肉片は間違いなく人のもので、何故か唾液が付着していた、と。






全くよくわからない話だ。







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