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食屍鬼と愉快な殺人日記  作者: 莉子
一話・九月のかばねの章
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九幕・九月の二十四日 そのに

走る車の中。


僕は両手足をしばられて、後部座席に転がされている。


変な力を入れないように全身を弛緩させて、呼吸に気を使う。


まぁ、この人たちは完全に僕に薬が効いてると思ってるみたいだし、視線も感じないけど一応ね。



ポケットに入れてた携帯を没収しただけで安心するなんて甘いなぁ。


…って、普通は二個も携帯持ってるとは思わないよね。


どうせ向こうはダミーだし。


プラたんには連絡したから、いざってときも大丈夫だ。



「しかし、良い獲物が捕まりましたね。」



お、何か喋ってる。



「あぁ、かなり見目が良い。これは高く売れそうだ。」



捕らぬ狸の皮算用ってやつだよー。


悪いけど僕、売られてあげるつもりないからね。



「後でどっちか確認かねぇとな。女ならさらに高くなるぜ?」



あ、ヤバい。


身体検査されたら携帯持ってんのバレる。



「いや、ここまでならもうどっちでも良い。それよりなるべくさっさと引き払う。どっかの班が焦りやがって保護者付きのを捕ってきたらしい。サツが本格的に動く前に今居る分だけ、取引先に引き渡してトンズラする。」



あーよかった。



保護者付きって明らかに依頼の、だよね。


早速情報ゲット。

ラッキー。


でも早く動かないとな。














車が止まった。


僕は無造作に担ぎ上げられる。


僕をさらった時は五人いたけど、僕を運んでいくのは一人みたい。



どうせ僕は寝てると思ってるんだろうし、別に良いけど…不用心だよねぇ。



「おいっ!もっと丁寧に扱いやがれ!!大事な商品だぞ!顔に傷でも付いたら値が下がんだろうがっ!!」


「…っすいません!」



あらら、怒られてら。



「他のと別にしとけよ。高値商品なんだからな。」


「へいっ!」



超ラッキー。

都合がいい。




やっぱ僕って持ってるぅ!




……暇すぎて変なテンションになる。


早く部屋連れてってくんないかなぁ……。









カチャン



と、鍵を開ける音がする。


やっと部屋に着いたみたいだ。


僕を運んでた人は僕を慎重に降ろして…。





僕は目をパチッと開ける。


そして声を上げられる前にその首元に…








噛み付いた。



「……っ!?」



そして喉を思いっきり食いちぎる。



「…か…はっ……!?」



勿体ないけど一度吐き出して、もう一回。


完全に息の根止めるために深く、強く。


噛み付いたまま、その体を床にたたきつけるように振ると骨の折れる音がして、完全に動かなくなった。




よーしおっけー。


後はこの縛られた手。


関節を外して縄抜けする。


軽快な音と裏腹にこれ結構痛いんだよね。


縄がはらりと手首から抜けたら、外した関節を元に戻す。


足の縄は普通に手でほどいて…。


それからフードを深く被って、一応つけてたネックウォーマーを顔の半分まで引き上げマスクにして顔を隠す。



後は子供見つけて壊滅させるだけだね―。





チャラン♪



ここで問題です。


子供を確保してから組織を壊滅させるか。

足手まといを抱え込む前に壊滅させとくか。






うーん…迷うなぁ…。






でも変に刺激して子供を人質に取られたり、裏から引きあげられたりしても面倒だよなぁ…。


よし、先に子供探そーっと。









…っと…その前に。




僕は倒れた男の人の懐を探る。



あー…銃か。


あとスタンガンもあるね。


暴れ出した時に気絶させるためかな。


僕はナイフの方が好きだけど…この際文句は言わない。




不審に思って誰かが来る前に、僕は部屋から出た。




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