表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
食屍鬼と愉快な殺人日記  作者: 莉子
一話・九月のかばねの章
47/330

九幕・九月の二十四日


ほとんど日の沈んだ夕方ごろ。



「おや?プラチナ、かばねは?」



僕の部屋にラグが来てそう尋ねる。

さっきまでここにかばねが居たからだろう。


僕はため息をついて答える。



「…かばねならさっきまで僕のパソコンで勝手にゲームしてたから、暇なら買い出し行ってってお使いに行かせたよ。」



部屋に戻ってきてみれば、かばねが何故かパソコンで花札をやってるから驚いた。


何で花札?って聞いたら『よくわかんないけどなんとなく。』と、返ってきた。

ルールさえ分からずなんとなくやってたらしい。




……馬鹿だ…。



僕がそういうと、ラグは少ししかめっ面になって



「しかしプラチナ、この近くの◆◆市で、最近児童の失踪が多発している件は貴方も知っているのでは?」



そう聞いてくる。




この前、街頭で流れてたニュース。


後で調べたところ、◆◆市付近で小、中学生くらいの子供が行方不明になる事件が最近多いらしい。


夜遅くに塾だったり、遊び歩いていたりしている子供が帰ってこないことがあるのだとか。



さらに調べたら、どこだったか外国を本拠にしている組織の人身売買系統あたりが関わってるみたいだという事がわかった。


特にこっちの仕事に支障はないし、むやみに関わる理由もないので捨て置いた事案だ。



「で、その小中学生の誘拐事件がなにか………ん……?」



そう自分で口に出して、あれ?と思った。



今、僕とラグはかばねの話をしていて…





「…かばねは確かに十七歳ですが、見た目は小、中学生にしか見えないんですよ?」


「…あっ!?」



気付いた。



向こうにとって、今のかばねは恰好の獲物にしか映らないだろう。



いや、けど…



「……かばねだよ?そんな素直に誘拐されてくれるわけないでしょ。」


「まぁ、それもそうですねぇ…。一応面倒事を避けるためと、一人で出歩かせないようにはしていたのですが。」



そっか…軽率だったな。

帰ってきたら一応言っておこう。




なんて思っていると、パソコンに通知が来た。


メールだ。


噂をすれば、かばねから。



…何だ?


お使いメモをなくしたとかかな…。

全く…抜けてるんだから…。


なんて思いながらメールを開くと…







『ちょっとゆうかいされたからかえりおそくなるね。おつかいはまたこんどかほかのだれかにたのんで?』







「……何でだっ!?」



思わずパソコン画面に叫んでしまう。



何で大人しく誘拐されてんの、あの馬鹿!?


何なのこの内容に反して緊張感のない文面っ!?


電車一本逃したからちょっと待ち合わせ遅れるね、みたいな軽さっ!!



僕が頭を抱えていると、いつの間にか隣でパソコンを操作していたラグが



「……これ、ではありませんか?」



と言って画面を指す。



「ん…?あれ?これ未整理の依頼…?ほんの少し前って……おかしいな…。未読の依頼があれば画面に通知があるはずなんだけど……。」


「…かばねが見たのでは?」


「…………。」


「先ほどまでこのパソコンを弄っていたのでしょう?」





ちょっと待って……?


依頼は暴力団系統の裏組織、黒田組から。



内容は『先ほど子息が誘拐された、ボディーガードは付けていたが相手はかなりの手練れ。◆◆市で活動中の誘拐グループと思われる。子息の保護と組織の壊滅を求む。』



何だこれ…?


何でこんな依頼が大罪(うち)に…いや、連絡を取れるところに片っ端から依頼を入れた形なんだろう。


誘拐が売買目的だとするとかなりの緊急案件だ。


普通ならこんな依頼受けない。




「けど…つまり、かばねは…。」


「お使いに出てこのグループらしい者達に襲撃を受けた。」


「そういえばさっきそんな依頼見たなぁと思いだして…。」


「ご子息の救出と組織の壊滅が依頼なら、大人しくさらわれてアジトに潜り込んだ方が都合良い…と、思った。こんなところでしょうかねぇ…。」





「~~~あの馬鹿っ!!」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ