六幕・九月の二十日 そのさん
…プラたんの所に戻ると人の輪ができていた。
「お~…。」
プラたんってばイケメンだから…。
全くもう…。
僕は女の人達に囲まれているプラたんに近づいて声をかける。
「また囲まれてるね。」
プラたんは心底疲れた声で答える。
「そっちが置いてくからでしょ…。一人で勝手に行動しないの。」
すると、プラたんに声をかけていた女の人達が
「かーわいい!弟さん?」
「ねぇ、君も一緒にお姉さん達と遊ばない?」
…って僕にも話しかけてきたけど、僕はプラたんみたいに優しくないよ?
こういう人たちは相手しちゃうから離れないの。
プラたんは一応でも答えちゃうからなぁ。
だから僕はお姉さんたちの言葉は全部無視してプラたんに言う。
「いこっか。日が暮れちゃう。」
周りのお姉さん達からえぇーー!って声が聞こえたけど、それもぜーんぶ無視。
そもそも僕一応生物学的には女の子だし、お姉さん達には興味ないもん。
「…これ元はといえば…………はぁ…もういい。」
プラたんは何か言おうとしたみたいだけど、結局諦めたみたいにため息だけついて
「すみません。連れが戻ってきましたし、用事もありますからもう行かないと。」
…なんてお姉さん達に向かって丁寧に頭を下げて言い訳までして、それから僕を手招きすると先に歩き出す。
もう…そんなんだから囲まれるんだよプラたんは。
性格までイケメンなんだから…。
女の人が寄ってくるわけだよね。
まぁお仕事に関係なかったら、プラたんが女の人に囲まれて困ろうが僕にはどーでもいいけどさ。
ついでにどんな女の人と付き合おうが、仕事に支障ない範囲なら僕は別に何でもいい。
…っていうかさっさと誰か特定の人作れば、絡まれてもきっぱり断れるんじゃないのかなぁって思うんだけど。
でも、特定の人って言ってもなぁ…。
プラたんってばお母さんみたいに五月蠅いし、堅物だもんなぁ…。
こんなんじゃプラたん、いつかぐーたんを魔法使いって笑えなくなりそうだね。
プラたんは今、確か二十三歳だったかな?
じゃあ、あと七年かぁ…。
なんて考えながらしばらく歩いて、女の人達から離れたころに僕はプラたんに言う。
「人に言っといて、プラたんのが目立ってどうするのさ。」
「……はいはい、ごめんなさい。」
プラたんは気の抜けた返事をする。
それから
「それで、結局そっちはどうなったの?」
…って聞いてきたから
「ちゃんと穏便に引いてもらったよ?」
そう返した。
「………絶対嘘だ。」
しばらくの間の後、そうプラたんが呟くような声で言ったから、僕は
「本当だよ。」
……って不機嫌声で答えて頬を膨らませた。




