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食屍鬼と愉快な殺人日記  作者: 莉子
一話・九月のかばねの章
26/330

▽幕・●◆年前 ▲月の●◎日

 



…ボロボロだった。





 …ひどく薄汚れていた。





 …とても小さくか弱かった。





 …そして今にも死にそうだった。






 そんなものは他にもたくさん見てきた。






 そういう場所だ。


 裏の世界というものは。




 拐われてきた子供。


 捨てられた子供。


 




 普通なら目にも留めず、ましてや関わろうなんてするはずもないほどありふれた、小さくて弱いもの。






 薄汚れ、這いつくばり、世界を憎んだような生気の無い目をしているような惨めな存在。











 …そのはずだった。







 だがその濃赤の瞳は闇の中で爛々と輝いていた。




 貪欲に




 純粋に








 ――ただ生きる意志を強く宿して。




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