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食屍鬼と愉快な殺人日記  作者: 莉子
一話・九月の序章
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三幕・九月の十一日

…日付が、変わった。









僕は一旦作業の手を止めて、ふうっとため息をつく。




本当に厄介な仕事になった。





《切り裂き魔の特定、及びその殺害》





依頼が来たときに他の誰かが居たら、僕は絶対受けてなかった仕事だ。


結局誰もいなかったし、僕が来たんだけど。


やっぱり、僕に智謀策略とか言うのは向かないらしい。


次の犯行場所の予測を立ててそれは的中したのに、気配を悟られて逃げちゃうとは…。


(まぁお姉さんは、後を付けてたって思ってたみたいだけど…。)





お兄さんが聴いた音は十中八九、切り裂き魔のお姉さんが逃げた時の音だ。



僕だってプロだし、そんなヘマはしないもん。


でもまぁ確かに僕はあんな状況で下手に音を立てるようなミスはしないけど、逃げたターゲットの立てた音が、他の人に気付かれる可能性を考えなかったのはやっぱり間抜けかな。



しかもあのお兄さんに見られたし…。



けど、お姉さんが戻って来たのはほんとに驚いた。


あの時僕からも顔は見れなかったけど、切り裂き魔が戻ってきたことは血の匂いですぐ分かった。


一般人の目撃者を装うつもりだったみたいだから、警察連れて戻ってくるかとも思ったんだけど…。



片付けた後雑踏に潜んで窺ってたのに、戻って来たのはお兄さんだけで…。




きっとあの時返り血に気付いて洗い流しに行ったんだろう。


血の匂いがしたって時点で気付けばよかった…。


返り血つけたまま警察になんていけないよねぇ……。




しょうがないから、ちゃんと明るいところで切り裂き魔の顔を見たお兄さんにいろいろ聞きに行くしかなかった。



皆が聞いたら馬鹿だろって笑われるかな…。




怒られるかな…?




けど、ちゃんと後始末もするし、大丈夫だよね?


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