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食屍鬼と愉快な殺人日記  作者: 莉子
一話・九月の序章
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二幕・九月の十日 そのきゅう



 夜。



 僕は部屋のベッドで一人ニヤついていた。


 携帯には『何か掴んだらちょっとだけ教えてあげる。』と交換した日野さんの番号。


 かばねは携帯を持ってないって断ってたけど。




 そういえば、事情を説明する間かばねはやたらと大人しかった。


 日野さんと別れた後も、家の方向が同じなのか僕の家の前まで一緒だった。


 だけど、それまでの強引な感じがなく、静かだった気がする。



 やっぱり、僕は切り裂き魔を見てないって分かったからかな…。

 振り回されてるときはすごく大変だったのに、いざああいう態度を取られると少し寂しい気がするな。



 なんて思っていると、



 プルルルル…



 携帯の着信音が流れる。

 通話ボタンを押すと、



 『おー。どうだったよ探偵さん達?今日の成果は?』



 と、ふざけた声。


 真だ。



 「お前……。全く…他人事と思ってさっさと逃げやがって…。」


 『他人事だしな。』



 真は軽く答える。


 けど、きっと一応心配してかけてきてくれたのだろう。

 そういうやつだし。


 LINEじゃなくわざわざ電話をかけてくるとことか。


 だから僕はため息をつきながら答えてやる。



 「残念ながら、昨日のことは僕の幻覚か何かだったと判明したよ。」


 『……マジで?』


 「昨日一緒に現場を見たはずの人を見つけたんだ。何も知らない様子だったよ。」



 そう言うと、真はどこかほっとしたように


 『……そっか。良かったじゃねぇか。物騒なことに巻き込まれなくて。切り裂き魔の犯行なんてホントに見てたんだったらシャレになんねぇくらい危険だしなぁ…。』



 なんて言う。


 …やっぱり心配してくれてたみたいだ。



 全く…素直じゃないやつだよな。



 『…じゃあ、あのかばねってガキは?』


 「あぁ…僕が目撃者じゃないって分かってからはあまり追求されなかったよ…。もう来ないかも…。」


 『あっそ。じゃ、お前ももう変なことに付き合うわねぇようにしろよ?ったく…人が良いんだからお前。』



 真はそう言うと、気が済んだのかさっさと電話を切ってしまった。



 …勝手なやつだな…ホントに…。





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