↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
食屍鬼と愉快な殺人日記  作者: 莉子
閑話・十月の虚飾の章
126/330

?幕・やらなきゃいけない気がした話





とある昼下がり。


ことはレオンハルトの一言から始まった。








「……かばねは…あれだ……猫、みてぇだよな?」


「…え?何…?急に…。話がよく分からない。」



プラチナは、いきなりのレオの発言に困惑しながらレオに説明を求める。



「…あ、いや。今日は『猫の日』だって聞いて、ふと思っただけなんだけどな。」



などと、軽く答えるレオに



「………くだらない。」



…と、ジャックが呟けば……。



「…あぁ?喧嘩売ってんのかジャック?」



見事に、両者の間に火花散る険悪な雰囲気が出来上がる。



「……ちょっと二人とも。喧嘩ならよそでやってくれる?」



ため息をついて、呆れたように諭すプラチナ。


対して、その場にいる残りの二人…ラグとキングは、いつものことだと気にもせず、先ほどのレオの発言を拾って会話を始める。



「そうですねぇ…確かにかばねは猫のようです。気まぐれで身軽で、よく『にゃあっ!』だの『うにゃー!』だの鳴いていますしね。」


「………アイツが猫…?どっちかっつーと犬だろ…。いくら躾しても言うこと聞かねぇ馬鹿犬だけどな。」



二人の意見が割れた。


そこに入って来たのはプラチナで。



「…あー…そうだね。かばねは猫というよりは犬っぽいかな。」



そう、キングの意見に同意を示す。


そこに、睨み合っていた二人も参戦する。



「……俺は、猫だと思う。どこででも寝るし、自由気まま…。飼い主にも従わない。」


「…だよなぁ…。人より家につく感じだ。」



と、先ほどまで険悪だったとは思えないほど普通に話している。


このようなやり取りも、彼らにとっては日常風景だ。



さて、かばねに対するこの議論、三対二で劣勢側になったプラチナとキングは、三人の意見に首を傾げながら反論を始める。



「うーん…そうかなぁ…?かばねって結構犬っぽいと思うよ?寄り道とかは結構多いけど任務には忠実だし、こっちに寄ってくる時とか尻尾振ってまっしぐら!って感じだし…。」


「……芸達者で扱いやすくて、あと、よく吠えるところ。」


「いや…多分かばねをいいように扱えんのはお前だけだわキング。」



多少ツッコミがあったが。



「……まぁ、それには同意だね。けど、よそ様に迷惑かけないように手綱握っとかなきゃいけない僕としては、かばねは手のかかる馬鹿犬って認識が強いかなぁ…。いっそうちに縛り付けときたいくらい面倒……あ、でも多分かばねは外出れないと暇~!暇~っ!!って騒ぎそうだ…。犬は散歩しないとストレス溜まるらしいから、そういうとこも犬っぽいって言えるかな。」



というプラチナの言葉に、誰かの『…うわぁ……。』という若干引き気味の声が漏れた。


それはレオのものだったかもしれないし、ラグやジャックのものだったかもしれないし、或いはその場にいた全員の声だったかもしれない。


しかし、誰かがそれに対して何かを言う前に



「なになに~?みんなして何の話?」



と、当のかばねがひょっこり出てくる。


すかさず、キングはかばねに向かって掌を上に手を差し出して言う。



「……お手。」



その言葉に、言われたかばねも、周りにいた他のメンバーも綺麗にフリーズした。


本人はといえば、かばねに手を差し出したまま、早くしろとでも言いたげな視線をかばねに送っている。





……しばらくの沈黙。





やがて、かばねはゆっくりキングに歩み寄り






「……わん?」



と、困惑気味に言ってキングの掌の上に、握った自分の手をぽんっと乗せた。


そのことに満足げな顔を見せるキングに、さらに頭の中をクエスチョンマークだらけにしているかばね。



そこに、フリーズ状態から回復したラグが、ちょいちょいっとかばねを手招きする。


かばねがそれに従って、とてとてとラグの元へ向かうと、ラグは手を伸ばして、かばねの喉元を指でくすぐり始める。



「え…ちょ……本当に何なの…?」



かばねはさらに混乱して声を上げるが、ラグは返答せずかばねをくすぐり続ける。



「……いや…何なのってば……。ちょ…ラグってば……やめ……あ、そこいいかも……。」



最初こそ嫌がっていたかばねだが、ラグの撫でテク(?)に陥落したらしく、次第に目を細めてにへーっと頬を緩ませ始める。



その様子を見ていたメンバーの心の声は一致した。



『……かばねは犬か猫かはよくわからんが、とりあえず人というより(どうぶつ)っぽいという事は確かだな。』



…と。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。