125/330
三幕・十月の三十一日 そのに
ジャックは今泣いてるのかな?
よく分かんないや。
僕も仮面付けてるし、大きなかぼちゃの被り物の奥は全然見えない。
ちょっと肩は震えてるけど、笑ってるんだか何なんだか。
早く泣いてすっきりして欲しいんだけど。
泣きそうなのに、何ともない顔をしようとしてるらしい今のジャックはなんか嫌い。
『私に嘘を吐くのは良い。でも、自分に嘘を吐くのはやめて。』
あの映画のヒロインの台詞が頭に浮かんだ。
うん、そーだよね。
人を騙すのは騙される方が馬鹿。
でも、自分を騙すのはする方が馬鹿。
《傲慢》なジャックには、そんなのは似合わない。
だから、早くいつもの不愛想で、我儘で、完璧強固な自信にあふれたジャックに戻って欲しいなぁ。
…あ、そっか!
ジャックは《傲慢》だもんね!!
僕が目の前に居るから無理なのか。
もー…仕方ないなぁ。
僕、これでもジャックよりお姉さんだし?
気を利かせてどっか行ってあげるとしよう!
……そういえば、何で泣きそうだったんだろう?
なんかやり遂げたみたいなスッキリした様子だったのに、泣きそうなんて意味わかんないや。
でもまぁ、ここ最近何となくピリピリしてたのが無くなったみたいだし良いかな!




