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序幕・虚飾
俺は、ろくでもない嘘つきで見栄っ張りな卑怯者だ。
空っぽの中身に上辺だけ『幸せな自分』を張り付け続けた馬鹿だ。
他人にも自分にも嘘を吐いて。
そのせいで誰にも助けも求められなくなって。
自分で逃げ場をふさいで。
そのくせ、自分の不幸を他人のせいにして矛先を向けるクズだ。
…でもさ、お前も悪いよ。
何で俺の前に現れたんだよ。
溺れる者は藁をもつかむなんて言うように。
俺はお前に寄りかからざるを得なかったんだよ。
…まぁ、お前が藁ならよかったんだけど。
つたない犬かきでパシャパシャ泳ぐ犬みたいなお前を、道連れになんて出来るわけないだろ?
お互いの寂しさなんて埋め合って、もっと上手い泳ぎ方なんて教えてやってたりしてたら、俺が溺れてることなんて一瞬忘れるくらいでさ。
いつの間にか、もうどうしようもないくらい深い場所で溺れる羽目になってたけど。
…俺はお前のおかげで楽しかったよ。




