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二十九幕・とある青少年の日録
――初めて見かけた時、何でだか体が勝手に動いた。
あいつらに目をつけられるかもしれなくても。
その判断は間違っていなかったと、今でも思っている。
…なんて、最近放送していた映画の、主人公の独白なんか思い浮かべて。
不愛想で、そっけなくて、けど嘘が吐けない素直な奴。
結構冗談も言うし、顔に出にくいだけで結構態度に感情が出る。
最近できた友達、ジャックはそういう奴。
付き合いは短いのに、妙に気が合って。
意外に聞き上手で話しやすくて。
いつもポケットに飴が入ってて。
イギリスの話なんかするときはとても楽しそうで。
パルクールを教えてくれるときなんかは少し得意げで。
俺が家族の話なんかすると、少し寂しげな顔になる。
どことなくほっておけないような奴。
なぁ、俺お前と友達になれたのが嬉しいんだ。
だから、あんな別れ方なんて絶対に嫌だ。
見つけるから。
追っかけるから。
だから、また他愛もない話をしよう。
あの悪戯っぽい笑顔がまた見たいんだ。
…一緒に笑いたいんだ。




