十九幕・十月の十九日
かばねがアジトを出て行って三日目。
今日もプラチナの機嫌は最悪だ。
かばねが自分から戻ってくるはずがないだろうに、プラチナは意地を張り続けて探しに行こうとしない。
それならせめていつも通りにしていろと思う。
当の本人がいないのに、全力で機嫌の悪さを発現されても困る。
あまりの不機嫌さに、ついにラグまで関わらないようにし始めた。
あれをどうにかできるのは、当のかばねかキングくらいだろう。
まぁ、キングが動くとは思わないが。
俺は立ち上がる。
出かける用意をしていると、プラチナが声をかけて来る。
「…どこいくのジャック。」
いつもより声が低いし声に感情が無い。
最近ずっとこの調子だ。
…だからそんな声になるくらいなら探しに行け。
とは言わずに、俺は答える。
「…別に。ただの暇つぶし。」
嘘じゃない。
適当に街をぶらついて来るだけのつもりだ。
ついでにかばねが見つかればそれでいいし、理央が俺を探しているなら会えるかもしれない。
そのくらいの気持ちはあるが、基本的にはただの散歩。
俺の答えに、プラチナは
「そう。」
と一言、言っただけ。
もうこちらに興味も無いようだ。
本当にめんどくさい奴。
かばねはプラチナの機嫌が悪いうちは帰ろうとしないだろうし、これは長引くかもな。
まぁ、俺に面倒がかからない程度なら勝手にやっていればいい。
なんて思いつつ、俺はアジトの外に出た。




