その57「AIさんの感想講座」
編集「はい、始まりました企画もの第57弾。皆様いかがお過ごしでしょうか?」
白河「どうも、二流作家の白河夜舟です。よろしくお願いします」
編集「白河さんの新作『女子高生がコンビニで買い物してたら、いきなり警察官に逮捕されて、後ろ手に手錠を掛けられました ~ 私は何も知らないし、何もやってない!」』(N3664MR)割と好調ですね。
白河「実験的な作品なんですけどね。一部の読者には刺さってるんだと思う」
編集「一部と言いますと?」
白河「PVのわりに、ユニークが伸びない。なので、読者に繰り返し読んで貰っている、と推測できるんですよね」
編集「ああ、なるほど。それはそうかもしれません」
白河「導入時の謎とか、警察の対応のあり得なさとか、散々引っ張って、後半や裏エピソードで明かしています。なので、モヤモヤしながら読んできて、ああ、そういう事かと理解して、二周目を読んで貰えてると思うのです。そういう書き方をしてますね」
編集「ふむふむ」
白河「後半で明かしていく世界観も、今、長期連載中の『Sweet Bomb NEXT ~ 今度は異世界で大暴れっ!』に繋がっています。この辺は後書きに書いてますので割愛しますが、単純そうに見える作品の奥行きが、結構な深淵ですよ、作者はその辺を踏まえて書いていますよ、という形です」
編集「宣伝も兼ねているという事でしょうか?」
白河「読んで下さった読者さんが、幾分かでも長期連載の方に興味を持ってもらえたら嬉しいんですけどね。この作品はこれで完結しています」
編集「シリーズとしては書かないんですか?」
白河「人気が出るようでしたら、書けなくもないです。続編用のプロットは溜めているんですけど、何分、ブクマと評価がほぼ付かなくて。続きを書くモチベーションが上がりませんね」
編集「まあ、そんなもんですよ。私が言うのもなんですけど、かなり上手く書かれていると思いますよ」
白河「編集に言われてもなぁ。(いや、それはそれで嬉しいんだけど)」
編集「では、そろそろ本題の方をお願いします」
白河「はい。タイトルにもありますが、この作品「女子高生~逮捕」は、AIさんの感想を頂きながら書き上げたものです」
編集「AIを直接使用されたという事ですか?」
白河「いえ。実験作ですし、最初はそのつもりだったんですけど、出てきたものがあまりにも下手くそすぎて、ボツにしました。はっきり言って、参考にすらなりませんでした」
編集「くそみそ、ですね」
白河「うん。時間とリソースの無駄でしたね」
編集「はっきり言いますね」
白河「まあ、この辺も前書きに書いたんですけど。将来はともかく、今のところは、創作に関してはAIさんは使い物になりませんね」
編集「そこまで言い切りますか?」
白河「キレイな文章は、人間より上手いし速いし疲れないと思います。でも、創作は無理だと思いますよ。だってAIさんには人の心がありませんから」
編集「人の心、ですかぁ」
白河「んー言い過ぎかなぁ。実はAIさん、創作は下手だけど、感想はそれなりに言えるんですよ」
編集「と、言いますと?」
白河「おれが書き上げた原稿を、感想を聞かせてくださいと命令してAIさんに読み込ませると、ほぼ即座に感想が返って来ます」
編集「へえ、白河さんみたいな感想好きなんですか?」
白河「好きとかじゃないとは思うけど。うん、おれとは比べ物にならない位、細かくて長くて速くて微に入り細を穿ち、指摘するべきところはちゃんと指摘してくれる」
編集「ベタホメじゃないですか」
白河「読者様からの感想を貰えなくても、AIさんから感想を貰えるから、その辺はどうでもいいかなとか思っちゃう位です」
編集「白河さん、いらなくなるじゃないですか」
白河「感想書きという意味ですよね?」
編集「あ、そうです。(誤解を招く言い方だったか)」
白河「そういう誤解を招くような言い回しを指摘してもくれます。物書きとしての勉強にもなるんですよね」
編集「言い回しですか」
白河「おれは、作品によって語り口や言い回しを変えるタイプですが、統一してね、とか、そういう言い回しは普通は使いませんよ、とか、指摘してくれます」
編集「へえー」
白河「で、作者として、ここはこういう表現をしてますよ、とか、こうやって言葉を繋いで勢いを生み出しているんです、など、こちらも忌憚なく指摘したりします」
編集「AIを教育してるんですか?」
白河「いや、そこまでは。まあ、そうやってデータを集めているんだろうな、という事は否定できませんけどね」
編集「じゃあ、AIで創作も、あながち出来なくも無さそうに思えますが」
白河「いえ、人間の読者ならありえないような読み方で、見落としてもきますね」
編集「そうなんですか?」
白河「はい。なので、そこはこういう風に書いてあるよ、どう? と尋ねると、素直に間違いを認めて謝罪してきます」
編集「間違えるんですか。そしてそれを認めるんですか」
白河「はい。可愛い所もあるんです。そういうやり取りを重ねると、コイツにも人の心があるんじゃないかと勘違いしそうになる位には」
編集「でも、人の心は無いんですよね?」
白河「無いですね。ただ、創作論議の相手には、なるんですよ」
編集「論議の相手になるけど、人の心が無いんですか?」
白河「おれは、キャラクター重視で書いていますから、そのキャラクターの気持ちになって考えてます。AIさんは、その辺がまるでダメですね」
編集「と、言いますと?」
白河「シナリオ通りに進める事は出来ると思うんですけど、こういうのって、書いていくうちに、このキャラクターはこういう時、シナリオ通りには動かないだろうな、という揺らぎといいますか、自分で動いてくることってあるんです。AIさんはそういうことが出来ない。命令通りにしか動けない。だから、作品に心が入らなくって、ツマラナイものを書いてくるんですよね」
編集「そういうもんですか」
白河「今回書いた『女子高生~逮捕』は、登場人物の名前を一切使っていません。それでも、出した登場人物は皆、それなりの考えをもって行動しています。キャラを生かしているんですよ。AIさんには、そういう芸当は出来ないでしょうね」
編集「シナリオを上手く書けば、それなりのものは書いてくるんじゃないんですか?」
白河「シナリオをはみ出してくるような、というか、こういう風にした方が面白くなるでしょ? とキャラクターが語り掛けてくるようじゃないと、ね」
編集「ふぬ。何となく、分かるような気はします」
白河「シナリオをはみ出せないAIさんでは、面白い創作はまず無理でしょうね」
編集「はい。納得しました」
白河「ただ、全否定じゃなくて、AIさんの感想や指摘は役立つんですよ」
編集「はい」
白河「特に誤字脱字。これは本当に時間と労力の節約になりますね」
編集「そういう分野は、AIに任せていいという事ですね」
白河「はい。
誤字や脱字探しのような、時間と手間のかかる単純作業はAIさんに。
創作や構想などといった、高度でクリエイティブな作業は人間が担当。
そんな風に、上手にAIを活用していきたいと思っております」
編集「で、表現方法などは、AIと論議して深めていくんですね」
白河「はい。鵜呑みにはしないし、出来ないですからね。AIだからすべて正しいとか、無いですね。何度か言われた通りにしてみましたが、まるでしっくりこない。ホント、AIは創作は下手くそですが、編集や表現もかなり怪しいと思っております」
編集「なるほど、ね」
白河「
AIの編集や表現の提案は、まずは疑って掛かった方がいい
編集「決まりましたね」
白河「これ、文字起こししたら、一度、おれの方に回せる? AIさんに感想を聞いてみるわ」
編集「さて、お時間が来たようです。また次回、お会い致しましょう」
白河「また聴いてくださいね。ではまた―」
(続く)
なんだコレ?
AIと人間の作者がチャットで創作論を語り合ったら、こういうイメージになるらしい。
創作は、そんな可愛らしいもんじゃナイゾ。




