その50「作者の情熱と読者の冷静さ、AIとの関係性 」
編集「はい、始まりました企画もの第50弾。皆様いかがお過ごしでしょうか?」
白河「どうも、二流作家の白河夜舟です。よろしくお願いします」
編集「最近、ちょこちょこと書いてますね」
白河「書いてますね。『来々軒繁盛記 ~ サイドメニュー』とか『聖女ミヨの冒険』とか」
編集「なんか、あったんですか?」
白河「いや、なんかというか『来々軒繁盛記』の本稿が上がったんで、筆力が余ってるだけです」
編集「書けない時は、全然書けないクセに」
白河「そうなんですよね。まあ、どっちも、そんなに長くならないというか、完結は見えてるので」
編集「ゴールが近いというか、量としては多くないので書き進めやすいって所ですか?」
白河「まあ、そうかもしれません。長編は、これいつ終わるんだろうとか、前に書いた事と矛盾してないかな、とか、色々考えますが」
編集「短編だと、そうでもない?」
白河「まあ、そうですけど。いや、こっちの作品も、本編との整合性は考えますね」
編集「色々、本当に色々と考えてるんですね」
白河「まあ、それが物書きですから。で、色々考えて書いても、人気は出ない」
編集「ああ、そうですねぇ」
白河「いや、人気のために書いてるわけじゃないんですけど、それでも寂しいものはありますねぇ」
編集「まあ、それは自然な事ですよね」
白河「
作者の情熱は、必ず読者に伝わるわけではない」
編集「なるほど。確かにそうですね」
白河「読者は、貴重な読書時間を、無駄なモノを読むことに当てたくないんですよ。それでなくてもスマホでゲームや動画を観られるわけですからね」
編集「ですよね。この時代に、なんで小説? と思う人が大半ですよね」
白河「まあ、おれみたいに活字中毒者がいないわけじゃないとは思うんですけど、そういう人は少数派というか、ニッチな需要しかないんでしょうな」
編集「それだと、編集者としては困りますね」
白河「スマホゲームは無料だとツマラナイ。課金するほど面白いのか」
編集「まあ、ゲームによると思いますが」
白河「動画は、自分の好みであればずっと観ていられるし、頭も使わない」
編集「まあ、人気は出ますよね」
白河「小説は、自分で頭を使って能動的に読まなければならない。ただ、自分のタイミングで読めるんですよね」
編集「そうですね」
白河「そういう、読者の冷静さに配慮しつつ、作者の情熱を伝えていきたいんですわ。つまり、ライバルはスマホゲームや動画なんですよ」
編集「で、今の所、全敗してるんですね?」
白河「(うぅ……)い、いや、少しでも読んでくれてる人がいるなら、それでいいんだもん!」
編集「まあ、勝ち目は無いわけじゃないけど、難しそうですね」
白河「小説家になろうで、無料で好きなものを好きな時に読めるのは、結構なメリットだとおもうんですけどね。ただ、最近の傾向は異世界恋愛ざまぁ系ばかりなんで、読者層は偏っちゃいますよね」
編集「それが売れ線、それが勝ち筋ですからね」
白河「しかも最近では、AI小説も大流行りですからね」
編集「小説に、AIねぇ」
白河「この辺は、エピソードを分けて論じたいんですけど」
編集「あえてこのエピソードに持ってきた、理由は?」
白河「
AI小説に、作者の情熱は、ない」
編集「いや、どうかなぁ。AIに上手く書かせるように“調教”するのも、立派なテクニックだと思いますけど」
白河「まあ、補助的に使って、自分で手直しすれば一丁上がり。あらカンタンカンタン。誰でも作家になれちゃうわ、ですからね」
編集「いや、簡単ではないと思いますけどね」
白河「自分で書くのと、AIに書かせるのは、どちらが簡単なんでしょうね」
編集「AIだとは思いますが。白河さんはAIに書かせてみたこと、あるんですか?」
白河「いや、無いんですよね。読んだことは結構ありますし、あ、これはAIだなというのは、分かりますけどね」
編集「毛嫌いしないで、とりあえずやってみれば?」
白河「まあそうなんですけど。でもそれって、自分で書いていないので、情熱が伝わらないというか」
編集「いるんですか、情熱?」
白河「プロットや構想、人物の性格や描写を入力して書かせればいいんでしょうけど。そういうのを自分で書く事が、情熱だと思うんですよね」
編集「本当に、情熱が必要なんですか?」
白河「これは自分の作品です、とは言えないですからね」
編集「確かにそうなんですけど。でも、読者にしてみれば、面白ければ何でもいいし、それが多作であれば、なお良いんじゃないでしょうかね」
白河「確かにね。自分が読者の立場なら、そうかもしれないんですけど」
編集「ダメなんですか?」
白河「AI小説、キレイな定型文だと、読みやすくていいんですけど。上手い人が書く、捻ったような、巻き込んでくるような、そういう読みごたえがありそうな作品は、まだ無理というか、ずっと無理だと思いますよ」
編集「まあ、今の所、でしょうけどね」
白河「なんというか、AI小説はキレイすぎて、情熱を感じないんですよね」
編集「そういう部分を見抜くのも、読者としての冷静さでしょうか」
白河「まあ、個人の好みだとは思うんですけど。おれも、絶対ダメ、毛嫌いするというわけじゃないんですけど。ただ、作者さんの情熱は、感じないですね」
編集「さて、お時間が来たようです。また次回、お会い致しましょう」
白河「また聴いてくださいね。ではまた―」
(続く)




