ダンジョン探索2
妾たちは、ばっちり準備をしてダンジョンにやってきたぞ。
妾とコンのパーティは前衛後衛を分業したのじゃ。
「よっ、ほっ」パアン パアン
「~~~」
妾のパンチが当たるとモンスターが砕けて散った。
コンの炎魔法は見事なもので、数十個単位の紫の狐火が、舞いに合わせて巫女服の袖から飛び立っていく。
一つ一つが強力無比な火力と正確な追尾能力を持ち、敵を蹴散らしていく。
ダンジョンの敵は深層に迫るごとに強くなっていったが、49層に到達してなお、未だに圧倒できるのじゃった。
平均的な冒険者は良くて15層が限界。コンは、魔法学校に入る前はマスターと潜って32層が最大記録だったそうじゃ。
妾という強力な前衛を手に入れたのはもちろん、年を取って実力も増し、狐火を精密に、そして多くの量を同時に動かせるようになり、一気に強くなったようじゃな。
「ふぅ、なんじゃ?」
「あ、初めて見た、ボス部屋ってやつね」
「ボス部屋、なるほど」
赤い扉が目の前にある。
「リリー、いける?」
「ああ、全然いけるのじゃ」
力こぶを見せる。まあ筋肉はあんまりないがのう。そこはまあ、ステータス補正なのじゃ。ステータスは面倒くさいから見せんが、まあ妾もコンも圧倒的なステータスじゃ(コンの『魔力』より、妾の『力』『素早さ』の方が8桁ほど、上じゃがな)
ぎぃぃと扉を開けた。
息を殺して扉の中に入る。
そこには目が一つの、9mはありそうな人型魔物がいたのじゃ。
「マスターがいたら魔物が何かわかるんだけど...」
「マスター殿は魔物に明るいのか?」
「ええ、マスターは博物学専攻の理系よ。鑑定をするには知識も必要だからね」
「なるほどのう、話の脱線とないものねだりはこのあたりにしておこう。この魔物の弱点は分かるか?」
「知らないけど、まあ見るからに目じゃない?」
「まあそうじゃろうな、行ってくる」
目にはパンチは届かぬ、まずは態勢を崩さねば。妾は一気に一つ目の魔物に近づいて拳を浴びせた。
すべて腹に叩き込んだところで、衝撃がみぞおちに伝わったのか嘔吐した。汚いので後ろに引いて回避したのじゃ。
「む、硬いではないか。ワンパンできないとは、やるのう」
「私も一撃叩き込むわ」
コンは手の中で魔法球を編むと、前に魔法球を突き出した。
手の中から光線が伸び、よろついた一つ目の足にぶち当たる。
片足が吹き飛んでバランスを崩し、前に手をついて倒れた。
「ナイスじゃ! はっ!!!」
妾は駆け出して飛び上がり、ハイヒールのかかとの部分を眼球に思いっきり蹴り、ぶち当てた。
「GUOOOOOOOO!!!!!!!!」
ぐじゅっと目がつぶれると、咆哮を上げて息絶えたのじゃ。
「なんじゃ? 目がつぶれただけで死んだぞ?」
「目が弱点だとは思ったけど、ここまで弱点だったのね」
「こやつの角を持って帰るとするかのう」
魔物の素材をすべて持ち帰ることはできない。いったん帰るので、こやつの角だけ頂いていくことにするのじゃ。妾は手刀を振ってスパンっと一太刀で頭から両断し、背負った。
「じゃ、じゃあ帰還するね」
いちおう、探索技能や探索用の魔法はすべて、コンがやってくれているのじゃ。妾も魔法は使えるが、世界毎に魔法の勝手が違ってくる。できるなら、仲間にやってもらった方が楽なのじゃ。
「おかえりなさい!」
「ただいまマスター!」
「ただいまなのじゃ」
ギルドに向かうと、さっそくマスターが出迎えてくれたのじゃ。
「あら、その角は...サイクロップスの角じゃない! よく背負って歩けるわネ!」
マスター殿は角を見ると目を輝かせたのじゃ。
「む、良いものなのか?」
「良いなんてもんじゃない! 硬すぎて加工はできないけど、使い切りの魔力バッテリーになるのよ! この大きさなら都市一つを1年は賄えるわ」
「ほほう、それはすごいのう」
「でも、よくこんな綺麗に切り取れたわネ、サイクロップスは相当硬くて生半可な刃物だと刃こぼれするのよ、しかもあなたたち、近接武器も剥ぎ取りナイフもないみたいだけど、魔法で採ったにしてはずいぶんきれいな断面ネ...?」
「ああ、手刀で採ったのじゃ」
「は?」
「いやだから手刀で採ったのじゃ」
「マスター...本当よ...」
「えぇ...」
なんじゃ? マスター殿の素が出ておるぞ? そういえばコンが、はぎ取っているときになんだかドン引いたような顔をしていたが...
「ま、まあいいわ、数日以内に商人に売ってお金にしとくワ、前金で幾らか渡しておくわね」
「いますぐお金にならんのか?」
「ギルドで買い取るには、だいぶ高額すぎるから、数日はオークションに出すようだわ、まあそれなりの金額にして見せるから、当分は休みでもいいわヨ」
「わかったのじゃ」
「じゃあお願いします、それじゃあ部屋に戻ろっか」
「ああ、そうしようかのう」
ギルドの宿舎に帰った。
「そういえば...ねえ...?」
「ん?」
「リリーの知ってるサキュバスって、性交しないと生きていけないんだっけ?」
「そうじゃな、基本性交しないとじゃ」
「すごいね、リリーってそういう仲間がいたの?」
「そうじゃな、じゃあ妾の優秀な部下を教えてやろうかのう」
「部下がいるの?」
「そうじゃ、妾は神じゃからな、様々な世界に部下が居る」
「リリーってそんなにすごかったんだ」
「うむそうじゃ、本来なら呼びかけに応じて召喚されただけでも、神輿を担いで三日三晩祭りを開くような幸運なのじゃぞ」
「へぇ~」
「妾の部下じゃがな...」
そこから妾はみっちり異世界の部下について話したのじゃ。
妾が種付けするということまで話したぞ。
「・・・まあ、そういう仲間がいたわけじゃな」
「・・・そ、そっか...///」
「ねえ、リリー...リリーって...そういう部下みたいに...性欲旺盛なの...?」
...あ、これって、そういうことなのかの...?
じゃがな...
「ふっ、妾は性欲を律することができる。なぜならサキュバス全体がそうだと滅ぶからのう、というかサキュバスが滅ぶ理由って大体それじゃからな」
「あ、そ、そうなんだ...」
「なんじゃ期待したか? うりうり~」
「き、期待なんてしてな...」
妾は尻尾を根元から掴み、毛並みを逆立てるように手櫛をした。
「ああっ♡ んっ♡ んふふふ♡ ちょ、くすぐったいわよ!」
「うひひ、まだまだ堪能させてもらうぞよ」
今度は狐耳と頭も撫でてみた。こっちもモフモフじゃな、髪の毛もなかなか狐の毛並みを感じる、温いのじゃ。
「ひっ♡ ひひひ♡ や、やめ...♡」
とろんとして腹を差し出しおった、口はやめてと言っても体は正直じゃな!
「うりうり! うりうり~!」
「くぅ~ん♡ くるるるる♡」
おさわりなでなでタイムは長いこと続き、遊び疲れた頃合いで、ベッドに入ったのじゃった。(もちろん寝ただけじゃぞ)




