潮とセイタカシギ 2003年8月
保護区はいつも現在進行 すずがも通信141号 2003年8月
潮とセイタカシギ
強い南風。潮がずいぶん高いなあ、と気になりはじめました。「満潮は何時か見てくれる?」「夕方5時前くらいですけれど」
6月13日夕刻のこと。この日は午後小島岬へ蛇よけ対策(おまじないという程度)のためコールタールのラインをつけに行ったところです。小島岬では、セイタカシギ4組とコチドリ・シロチドリが各1組抱卵を続けています。そろそろセイタカシギがふ化するころ。蛇は卵から聞こえるヒナの声をたよりに巣を探し当てるらしく、ふ化直前がいちばん危険な時期。人間の「接近に大騒ぎした親たちは、すぐに巣に戻り、おちついて座っています。どの巣も満潮位よりたっぷり30㎝は高い位置にあるので心配していなかったのですが、それにしても潮が高い。6時をすぎても潮はまだ上がっています。
うーん、あと20㎝。潮が2時間上がり続けたらあぶない。望遠鏡をのぞくと、思いもかけない小さな姿。セイタカシギのヒナ!よちよち歩きで、いちばん右手の巣がある草むらに入って行きました。
6時半。満潮時から1時間半をすぎて、潮位上昇はゆるやかになりました。でも、下がる気配がありません。強風にあおられた波がずいぶん先まで達しています。
7時前。どう考えても潮はもう下がり始めてよいはずなのに、水位は高いまま。右手の巣についているセイタカシギ水が気になるらしく、首を伸ばして波を見ています。あ、立ち上がった。卵が波をかぶってしまったのでしょうか。
たまりかねて、水門を閉めに行ってもらいました。7時半。潮の流入はほとんど止まっており、いったん閉めた水門を10分ほどしてから開けたとのこと。しかし、セイタカシギが戻る様子はありません。遅かったか?
8時過ぎには強風も止み、潮はようやく下がり始めました。暗くて小島岬の様子はわかりません。翌朝、セイタカシギが座っていないのを見て、相当ショックを受けました。もっと早く水門を閉めていれば……




