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現在進行 鳥の国 2  作者: 蓮尾純子
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1歩前進、〇歩後退   2003年2月

鳥の国から   すずがも通信138号  2003年2月

   1歩前進 ○歩後退


 捕獲作戦が終わったとたん(1週間後)に繁殖行動が明瞭になりました。以後の増加の早さ。昨年の同時期に比べて、巣の数は倍近く。昨年は1月末にカワウの数が落ち込んだのですが、よくよく思い返してみると、その前には私が「コントロール区間(巣を作らせたくない区域)」を巡回して、コロニーを攪乱していました。カワウたちは、やっぱりとてもデリケートで、不安なことがあると塒を変えるようです。コロニーを守ることは、つぶしたり追い出すことよりはるかにむずかしい、と改めて実感。

 一方では、行徳鳥獣保護区にはカワウは邪魔者、追い出すべきだ、という市議会での強硬な質問もあったそうです。共存のために営巣用のやぐらまで設置した市川市の姿勢は画期的で、もっともっと「よいことをやっている」と宣伝したいのに。美しい白髪鵜たちの熱烈な求愛のしぐさを眺めながら、どうやったら彼らの生活を認めてもらえるか、思案投げ首。目下、大黒柱1号さんがみごとな写真を撮りためているので、愛鳥週間に「カワウの家族」展をやろう、と計画中です。


 実は、11月にはもうひとつ画期的なできごとがありました。つくば市観音台にある「動物衛生研究所」で、野鳥病院等で出る死体を資料として引き取り、剖検や病理検査等をやってくださることになったのです。伝染病研究部の後藤義之先生が担当。

 これまでも、カワウは日本獣医畜産大学にお送りし、また標本として価値があるものは山階鳥類研究所をはじめとする博物館にお渡ししていましたが、冷凍庫はいつも死体で満杯。何よりも、解剖する時間がなくて死因がわからず、治療も手探りという現状は積年の悩み。

 死体をお送りすると、たいてい翌日には剖検の結果がメールで届きます。ほんとうにありがたい変化です。ただし、剖検で死因がわかるものは思いのほか少なく、予想通りか、それ以下のことしかわからないものが多いのは残念。

 1歩前進、〇歩後退……〇が1以下ならいいんだよね。

 心構えと心意気だけはしっかり持とう、という鳥の国でした。



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