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現在進行 鳥の国 2  作者: 蓮尾純子
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育つカワセミ   2002年10月

鳥の国から   すずがも通信136号  2002年10月

   育つカワセミ


 初めて目にする鳥というのは、どんな時でも胸がどきどきします。図鑑や写真で姿を覚えていても、こんなふうに見えるんだ、こんな歩き方をするんだ、と、出会いのひとつひとつが驚きの連続。

 さて、初めて世話をする鳥、というのは、どきどきどころか、毎日が冷や汗の連続です。ひとつ間違えば、死なせたり、放せなくなったりするわけですから。

 7月8日、野鳥病院に初めて持ち込まれたカワセミのヒナ3羽。はらはらしている人間どもをよそに、着々と育ってくれました。手渡した魚を食べてくれるのはありがたかったのですが、巣穴の中で羽毛をきれいに保てるのかどうかが心配でした。汚れたらとりかえしがつきません。でもこれは杞憂。生えてくる羽を包む羽鞘は先端からほどけてフケのようにはがれ落ち、来所当時のミノムシみたいな姿がどんどんカワセミらしくなります。羽鞘がぜんぶ落ちると、即、巣立ち。なーるほど。羽が汚れるひまはないんだ。

 7月18日に「黄」と「緑」、19日には「赤」も巣立ち、巣穴の赤土が入れてあった箱から飛び立ち、まっすぐに飛んで、ぶつかって落ちました。どれも最初の日はうまく止まれず、直進してストン、の繰り返しでしたが、2日目には行きたい場所にたどりつけるようになりました。

 巣立ち前、窓には衝突防止用にすだれをかけました。保護区の水車池で、水が勢いよく流れ込む筒口でタモ網をふるうと、手ごろなモツゴがけっこうとれるので、生き餌の確保は意外に楽でした。

 獲物がいても、肝心なのは「当人」のやる気。巣立ち後数日は、餌を見せて呼んでも手もとに来てくれず、ほんとうに困りました。ぴちぴちしている魚を手渡すと、気味悪そうに落としてしまう始末。

 こんな時も、自然教育園の矢野亮さんの言葉が役に立ちました。「獲物をとるのは自然に備わった能力で、必ずできるようになるはず」 よし、待とう。



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