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現在進行 鳥の国 2  作者: 蓮尾純子
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春まっしぐら   2002年4月

鳥の国から   すずがも通信133号  2002年4月

   春まっしぐら


 2002年3月2日、前の餌場にいつも集まっていたユリカモメがふっと姿を消しました。例年、3月に入るとてきめんにカモメの餌付きが変わります。この時期になると、ひと口大に切って冷凍しておく魚アラの袋詰めの量を気にする必要があります。冬の間は22リットル入りのバケツ1杯分をだいたい4袋くらいにわけているところを、6袋分くらいに変えます。フジパンの工場からいただいてくるパンの量も、気持ち少なめにします。まだ餌場にごちゃごちゃたむろしているオナガガモたちも、ある朝突然消えることでしょう。もっとも、ユリカモメは3月6日にはまた戻っていましたけれど。

 陽ざしをうけて、オオイヌノフグリが満開です。芝生のコブシも3月8日に1輪咲いていました。白鷺公園前のヤマザクラ並木で、端の1本だけ芽がまんまるにふくらんで、今にも開きそうでした。どこにいても、息を大きく吸い込むと、沈丁花の香りがします。春まっしぐら。


 3月5日は、たぶん第8回目の「恐怖のおがくず搬入日」でした。

 傷病鳥舎の床に敷いているおがくずは、たしか1996年から、製材所から集めて酪農家に運搬している専門業者さんにお願いして、1年に1回(時たま2回)搬入していただいています。約2トン(今回はたぶん3トン)、どさーっと届いたおがくずをだいたい10㎏ずつの袋詰めにして、倉庫にきっちり積み上げるというのが「おがくず搬入」。いつのころからか、「恐怖のおがくず搬入」と呼ばれるようになりました。

 忘れもしない第1回目は9月末。まだ、今のようにスタッフが大勢いない時代で、大黒柱さんたちも年に9カ月ずつしか雇用できなかったころ。ちょうど1号氏がアメリカの国際鶴財団へ2回目のボランティアに出かけている時で、居合わせたのは蓮尾♂♀と達夫さんだけ。タケちゃんこと嘉彪が鳥の世話を一手に引き受けている間に、私と達夫さんが夜の8時すぎまで搬入を続けました。虫のオーケストラは最高潮だったけれど、いやあ、きつかった。以来、恐怖体験を未経験者に伝えることが観察舎の伝統になっています。


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