練習生オーディション6
私の後の人たちのアピールも終わった。
私のように気持ちを伝える人も居れば、得意な動きをしたりする人も居た。
どう贔屓目に見ても私はこの中では一番下の方だと思う。
でも、諦めたくない。
プロレスラーになる夢を掴み取りたい。
「よし、それじゃあ合格者を発表する。まず、早瀬奈緒!!」
「はいっ!」
早瀬さんはマラソンで先頭を走り続けていた人だ。
自己アピールでもすごい身体能力を見せてくれていた。
選ばれた早瀬さんは表情を変えないけど、
肩が震えていた。
周りを見てもみんなも納得している様子だ。
「次、佐藤花火!!」
「よっしゃあ!やったぜー!!」
自分の名前を呼ばれるなり、佐藤さんは身体全体で喜びを表現した。
佐藤さんはトレーニングメニューを楽々とこなしていた。
見るからに筋肉もすごいし、もうすでにプロレスラーみたいだ。
佐藤さんもみんな納得の人選という感じだ。
「合格者は以上2名となる。」
え?
その言葉に私は目の前が真っ白になった。
選ばれなかった。
私はプロレスラーには、なれ、ない…?
「だが、…する。」
斉藤コーチの声が遠く感じる。
何を言っているんだろう?
「綾瀬」
コーチが私を見ている。なんで?
「どうした綾瀬、綾瀬夏希!聞こえんのか!?」
「え!?あ、はい!!」
強く呼ばれて私は慌てて返事をした。
「聞こえているなら返事をしろ!お前は補欠合格として、3ヶ月道場での練習を受け、それによって練習生になるか再度試験をしたい。受ける気はあるか?」
補欠合格?練習生候補?
私が?
予想してなかったことに戸惑ったけど、プロレスラーになる可能性があるなら諦めたくない、絶対やりたい!!
「やります!やらせてください!お願いします!!」
私の返事に斉藤コーチがニヤリと笑った。
「よし、ならこの後入寮に関しての説明を早瀬、佐藤と受けて帰るように、他の者はご苦労、解散だ!!」
補欠合格…まだ喜ぶには早いと思うでも、
私の夢はまだ終わらないんだ!
去っていく斉藤コーチと社長、楓さんの後ろ姿を見送りながら私は喜びを感じていた。
しかし、
「待ってください!!なんで、なんでこの子何ですか!!納得できません!!」
1人のオーディション参加者が声を上げた。




