表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/8

練習生オーディション2

着替えを終えて道場に戻る。

道場に常設されたリング周りを走って軽くアップしていると、

奥からスーツ姿の30代くらいの男性と、ジャージ姿の長身な男性、

そして、もう1人の女性に釘付けになった。

長い黒髪ロングに、シックなスーツ。

身体はプロレスラーなんて言われないとわからないくらいに華奢に見えるけど、

その目の奥には強い意志の光が見える。


虹野楓さん。


忘れもしない。

10年前、私が病弱で学校にもまともに通えなかった頃、

偶然スマホに流れてきた動画を見て釘付けにされた。

何度も何度も倒されながらも立ち上がり、

最後には相手の選手を倒してベルトを手にして輝いていたこの人の姿に私は魅せられて私はこの道は進む事を夢見てきた。

そんな人が、今、私の目の前にいることに胸が高鳴る。


「今年の練習生候補はこれで全員ですか?」


スーツの男性が問いかけると、ジャージの男性が数を数え始める。


「ひぃ、ふぅ、みぃ、…そうですね、予定人数と合ってます。これで全員です」


「そうですか、では、始めるとしましょう。皆さん、こちらへ整列してください」


「全員整列ーー!!」


私たちはリング正面の前に集まり、横一列に並ぶ。


「ようこそ皆さん、本日は遠いところからお越しの方もいらっしゃる中、ありがとうございます。私はここ、エターナル女子プロレスの社長、降田と申します。よろしくお願いしますねぇ」


社長の降田さんは柔らかな笑みを浮かべて私たちに自己紹介した。


「オレはエターナル女子のトレーナー兼レフェリー、斉藤正明だ」


斉藤さんがニカっと口を開けて笑った。


「虹野楓。今日は皆さんがこのリングで戦う資格があるかしっかり見せてもらうからよろしく」


楓さんの言葉に身が引き締まる。

それは私だけじゃなく並んでいる他の子たちも同じようだった。


「さて、それじゃあ早速始めるぞ。まずは全員リングの周囲を走ってもらう。ペースは乱すな。オレがいいと言うまで走り続けてもらう、わかったな!!」


「はい!!」


「ようし、それじゃあはじめっ!!」


いよいよはじまる。

夢を掴めるのか、それとも夢で終わってしまうのか、

運命が決まる。

私はその一歩目を踏み出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ