第22話「魔女と魔物討伐」その四
とある国の丘の近くの森。
フィアたちは魔物をどんどん倒し、進む。
「はぁ……はぁ……」
みんな息を切らす。
「なんだ、もう疲れたのか?」
「……情けない……」
「先輩方が全然助けてくれないからだろ!」
「……あの程度の魔物たち、師匠の弟子を名乗るなら倒せて当然……」
「でも、危ないときには助けてくれましたね」
「ちょっとだろ」
「でも~、頼もしかった~~」
「ですわね」
「まぁな」
「さ、次だ次」
アルベールはそう言い、どんどん進む。
「……ここいらで……地龍とか……出てきたら完璧……」
「地龍!?」
「あはは! さすがにそれは、コイツらじゃ無理だな」
「……私たちで……対処すればいい……今日のご飯……」
「食べられるのですか?」
「あぁ、食えるぞ、シレーナ」
「……コリコリしてて……美味……」
「そうなんですね」
「食べてみたい~~」
「気になってきた」
「まぁ、出てきたら、だがな」
アルベールがそう言った直後だった。
「……ん?」
ヨマリが足を止める。
「どうした?」
「……何か……聞こえる……」
全員が立ち止まる。
森の奥から、ズシン、ズシンと大地を踏みしめるような音が聞こえてきた。
「……まさか……」
サントリナが呟く。
「地龍……?」
「おいおい、本当に出てきたのかよ!」
アルベールが驚く。
「……地龍……いる……」
ヨマリが静かに剣を構える。
「えぇ!? 本当に!?」
シレーナも驚きながら木剣を構える。
「展開早すぎるだろ!」
フィアが謎のツッコミを入れる。
「やった~~! 地龍が食べられる~~!」
「そこなのかよ!」
フィアがラファールを見る。
「だって、さっき美味しいって言ってたじゃん~~」
「まぁ、確かに気になるな」
フィアも木剣を構える。
「でも、食べるためにも、まずは倒さないとな!」
「その意気だ」
アルベールが笑う。
「ただし、今度は俺たちが最初から手を出すことはしない」
「えっ!?」
「おまえたちが戦ってみろ」
「でも、地龍って強いんじゃ……」
「それに、私たちじゃ無理って」
サントリナが不安そうに言う。
「……無理なら……助ける……」
ヨマリが二本の剣を構える。
「気が変わった、だから、まずは自分たちでやってみろ。龍との戦いなんて、滅多に経験することじゃない」
「……分かりましたわ」
シレーナが前を向く。
「私たち四人で、やってみましょう」
「うん!」
「やるよ~~!」
「おう!」
四人が並ぶ。
すると――。
「グオオオオオオオッ!!」
森の奥から巨大な影が現れた。
木々をなぎ倒しながら、巨大な身体を持つ地龍が姿を現す。
「うわぁ……」
フィアが思わず後ずさる。
「大きいですわ……」
「……これは……大きい……」
「ひぇ~~~!」
ラファールも空へ飛び上がる。
地龍が四人を睨みつける。
「グルルル……」
「みんな、落ち着いて!」
サントリナが声をかける。
「まずは動きを見ましょう!」
「そうだな!」
フィアが木剣を構える。
地龍が地面を蹴った。
「来るぞ!」
ドンッ!
地面が大きく揺れる。
フィアたちは左右へ散る。
「今ですわ!」
シレーナが剣を構える。
「雷よ!」
バチィッ!
雷が地龍へ向かって飛んでいく。
「グオオッ!」
地龍の身体に雷が当たる。
しかし――。
「効いて……いない? ですわ」
シレーナが驚く。
「硬すぎる!」
フィアが叫ぶ。
「だったら、別の場所を狙う!」
フィアが走り出す。
「フィア、無理に突っ込まないで!」
サントリナが叫ぶ。
「大丈夫だ!」
フィアは地龍の足元へ向かう。
その瞬間――。
「グオッ!」
地龍の尻尾が振り払われる。
「危ない!」
サントリナが防御魔法を展開する。
ドンッ!
透明な壁が尻尾を受け止める。
「くっ……!」
サントリナの足が地面を滑る。
「サントリナ!」
「大丈夫です!」
その隙に、ラファールが上空から地龍へ近づく。
「私が上からいくよ~~!」
「ラファール、気をつけて!」
「任せて~~!」
ラファールは急降下し、地龍の背中へ向かって攻撃する。
「グオオオッ!」
地龍が身体を揺らす。
「わわわっ!?」
ラファールの身体が大きく揺れる。
「落ち着いて!」
リーネの声が、少し離れた場所から聞こえた。
「自分の身体を感じて!」
「師匠!」
ラファールは目を閉じる。
そして、身体の向きを整えた。
「……できる!」
再び地龍の上空へ舞い上がる。
「みんな! まだ終わってないよ~~!」
「私たちも負けられませんわ!」
シレーナが木剣を構える。
「フィア!」
「あぁ!」
四人は再び地龍へ向かっていく。
その姿を、アルベールとヨマリは少し離れた場所から見ていた。
「……なかなか……いい……」
「だろ?」
アルベールが笑う。
「ここからが本番だぜ」




