第21話「魔女と魔物討伐」その三
とある国の丘の近くの森。
フィアたちはどんどん進む。
「それにしても、師匠がそういう原理で紐を出してたとは、驚きだな」
フィアがそう言う。
「えぇ、もっと早くに教えてくれても、良かったのでは? と、思いますわ」
「でも、それは大事なことじゃない、って、言いそう」
サントリナがそう言い、みんなも頷く。
「さて、じゃあ、今度はおまえたちだけで魔物を倒してみるか?」
「えぇ!?」
「青兄、それはさすがにまだ早いんじゃ」
「そんなことないぞ? サントリナ、教えられてばかりじゃダメだ。ちゃんと、身体で覚えなきゃな」
「……そう……青兄の言う通り……」
「ヨマまで~~、疲れそう~~」
ラファールがそう言う。
「……これも……大事なこと……」
「え~~」
「まぁ、危なくなれば助けにはいるさ」
「ほんとか?」
「当たり前だろ、先輩だぞ」
「……そういうこと……」
二人とも怪しい笑みをする。
「ほんとうかよ……」
その頃、離れた位置のリーネは、
「楽しそうだね。私はついてこなくても、良かったのかもしれないね」
「ヒ~ヨヨヨヨ……」
鳴き声が聞こえた。
「……いまのは」
ドスンッ!
後方で音がした。
リーネは振り向く。
「クリスタルバードか」
木々の間から、大きな鳥の姿が現れる。
全身を覆う羽毛は透明な結晶のように輝いていた。
「ヒ~ヨヨヨヨ!」
クリスタルバードが翼を広げる。
「なるほど。私を狙ってきたのかな?」
リーネは周囲を見る。
「でも、ここで戦ったら、あの子たちのところまで行ってしまうね」
クリスタルバードが勢いよく飛びかかってくる。
「それなら……」
リーネは袖を少し動かす。
「紐よ」
シュルッ!
ローブの袖から紐が飛び出し、クリスタルバードの翼へ絡みつく。
「ヒヨッ!?」
そのまま、リーネは紐を引っ張る。
クリスタルバードの身体が大きく傾いた。
ドサッ!
「驚いたね。思ったより大きい」
クリスタルバードが立ち上がり、鋭いくちばしを向ける。
「ヒィィィッ!」
「でも……」
リーネは別の紐を伸ばす。
「弟子たちのところへ行かせるわけにはいかないよ」
シュルシュルッ!
紐がほどけ、何本ものほどけた紐がクリスタルバードの身体へ絡みついていく。
「ヒヨヨヨヨ!?」
「少し眠っていてね」
紐が一気に引き締められる。
ドンッ!
クリスタルバードはその場に倒れた。
「……これでよし」
リーネはクリスタルバードの様子を確認する。
「怪我もないみたいだね」
そして、フィアたちが進んでいった方向を見る。
「さて、あの子たちは大丈夫かな?」
リーネは紐をローブの袖へ戻す。
「まぁ、アルベールとヨマリがいるから、大丈夫だろうね」
そう言って、リーネもゆっくりと歩き出した。




