第19話「魔女と魔物討伐」その一
翌日。
丘の上の家にて。
「さて、出発するぞ!」
アルベールが先に家の外に出て、そう言う。
「……早くしないと……置いてく……よ」
「待って~~」
「準備! できましたわ!」
「バッチリだ!」
「はい! バッチリです」
そう言い、進み出す。
「さぁ、私も行こうかな」
リーネは邪魔にならないように後ろからついていく。
しばらく歩くと、木々が増えてきた。
「それにしても、青兄と一緒に出かけるのは、いつぶりだろうな」
フィアがアルベールに言う。
「そうだな。懐かしいぜ」
「今日は、どんな魔物を狩るんですか?」
サントリナが質問する。
「……特に決まってない……この辺は人里にも近い……渡り性の魔物以外は……比較的……弱い……と、思う……」
「いても、Bランクくらいだろ」
「Bランクも十分強いですわよ」
「そうか?」
「さすが、オリハルコン級冒険者……」
「ねぇねぇ~~、Bランクって、どのくらい強いの~~?」
ラファールが聞いてくる。
「それはね、魔物のランクには、『E』『D』『C』『B』『A』『S』『Z』の七つのランクがあるのですわ」
「Eは誰でも倒せる程度」
「D~Cはブロンズ級冒険者が少し手こずる程度」
「Bはシルバー~ゴールド級が複数人で対処する必要がありますわ」
「Aはミスリル級冒険者でなければ対処困難ですわ」
「Sはオリハルコン級が2人以上でようやく倒せるくらいですわ」
「Zはアダマンタイト級冒険者でしか対処できず、しかも勝てる保証すらないのですわ」
シレーナが説明してくれた。
「私、Zランクとは戦いたくない~~」
「大丈夫だ。Zランクは自身の縄張りから出ないし、縄張りを侵さなければ襲ってこねぇよ」
「……そういうこと……」
「そ~なんだ~~」
「でも、戦ってみたい気持ちもあるな」
フィアは自分の武器を見る。
まだ、木剣だが、いつか真剣を……
「その木剣は特殊な木材。それでも戦えるよ」
リーネが離れた場所から助言する。
「ほんとか! 師匠!!」
「でも、まずは経験を積まないとね」
「あぁ!」
「じゃ、もっと鍛えて、外の世界を知らないとな!」
「そう、青兄の言うとおり……」
「それにしても、魔物、出てきませんね」
「大分進んだよ~~?」
「焦るほどのことじゃないさ」
リーネが言う。
「木が多くなってきた。どっかに隠れてるのか、狙っているのか」
アルベールが周囲を見渡す。
すると――。
「……ん?」
ヨマリが立ち止まった。
「どうした、ヨマ?」
「……何か……いる……」
「え?」
全員が足を止める。
森の奥から、ガサガサと草木を揺らす音が聞こえてくる。
「……近づいてきてる……」
ヨマリが二本の剣に手をかける。
「みんな、構えて」
リーネも静かに前を見る。
ガサッ!
「グルルル……」
茂みの奥から、大きな影が姿を現した。
「魔物だ!」
フィアが木剣を構える。
ついに、魔物が現れた。




