第14話「魔女と修行」その四
丘の上の家にて。
「じゃあ、四人で修行してみようか」
リーネが言う。
「四人で?」
フィアが首をかしげる。
「うん。さっきはそれぞれ別々に修行していたからね」
「楽しそう!」
ラファールが嬉しそうに翼を広げる。
「でも、何をするんですか?」
サントリナが尋ねる。
「簡単な模擬戦をしてみようと思うんだ」
「模擬戦……ですわね」
シレーナが頷く。
「ただし、本気で攻撃する必要はないよ」
リーネは四人を見る。
「自分の力を使いながら、仲間の動きを見ること。それが今日の修行だよ」
「分かった!」
フィアが木剣を構える。
「じゃあ、始めようか」
リーネが少し離れる。
「はい!」
フィアが前へ出る。
「いくよ!」
フィアが木剣を振る。
ヒュッ!
サントリナは慌てずに魔力を集める。
「防御……!」
薄い魔力の壁が現れる。
フィアの木剣が壁に触れる。
「っ!」
木剣が少しだけ横へ流れる。
「おお!」
フィアが驚く。
「サントリナ、すごい!」
「ありがとうございます……!」
「今のは、ちゃんと受け流せていたね」
リーネが声をかける。
「はい!」
サントリナが嬉しそうに笑う。
その隙に、シレーナが木剣に魔力を集める。
「では、私も……」
バチッ!
小さな雷が走る。
「わっ!」
フィアが横へ跳ぶ。
「危なかった!」
「ごめんなさい。少し強かったでしょうか?」
「ううん、大丈夫!」
フィアが笑う。
「今の雷、前よりずっと安定してたよ!」
「ありがとうございます♪」
そのとき。
「私もいくよ~!」
ラファールが空へ飛び上がる。
「上から!」
ラファールがフィアの後ろへ回ろうとする。
「フィア、後ろ!」
サントリナが声をかける。
「え?」
フィアが振り向く。
その瞬間、ラファールが近くを通り過ぎる。
「わっ!」
「きゃっ!」
ラファールも驚いて翼を大きく動かす。
「危ない!」
リーネが声をかける。
ラファールはすぐに高度を下げる。
「ご、ごめん!」
「大丈夫?」
フィアがラファールに駆け寄る。
「うん。大丈夫だよ」
「ならよかった」
サントリナもほっとする。
「ラファール、飛ぶときは周りをよく見ようね」
リーネが言う。
「うん……」
ラファールが少しだけしょんぼりする。
「でも、今のはちゃんと止まれたね」
「え?」
「前なら、もっと慌てていたかもしれないよ」
「……ほんと?」
「うん。ちゃんと成長してるよ」
「やった~!」
ラファールの顔が明るくなる。
「じゃあ、もう一回!」
「今度はゆっくりね」
「は~い!」
ラファールは再び空へ飛び上がる。
フィアたちはその動きを見ながら、それぞれ構える。
「フィア、今度は私が動きを見てるね」
「ありがとう、サントリナ!」
「シレーナは、魔力を使いすぎないようにね」
「分かっていますわ」
「私は上から見るよ~!」
ラファールが空から声を上げる。
「うん。それぞれ、自分だけじゃなくて仲間の動きも見てみよう」
リーネが微笑む。
四人は再び修行を始めた。
フィアは木剣を振る。
サントリナは防御魔法を使う。
シレーナは雷を放つ。
ラファールは空を飛ぶ。
今度は、互いの動きを意識しながら。
「フィア、もう少し右!」
「分かった!」
「シレーナ、魔力を少しだけ減らして!」
「はい!」
「ラファール、後ろに気をつけて!」
「分かった~!」
丘の上に、四人の声が響く。
しばらくして。
「ふぅ……」
フィアが木剣を下ろす。
「疲れた~!」
「私もです……」
サントリナも小さく息を吐く。
「でも、楽しかったですわ」
シレーナが微笑む。
「私も楽しかった~!」
ラファールが地面に座る。
「今日は、みんなで修行できたね」
リーネが四人を見る。
「うん!」
フィアが頷く。
「一人でやるより、みんなでやったほうが分かることもあるね」
「そうですね」
サントリナも頷く。
「自分では気づかなかったことを、教えてもらえましたわ」
シレーナが続ける。
「私も、みんなの動きを見るの楽しかった!」
ラファールが笑う。
「じゃあ、今日の修行はここまで」
リーネが言う。
「は~い!」
四人が返事をする。
そして、みんなで丘の上の家へ戻っていく。
「お腹すいた~!」
「ふふ。帰ったら、お昼ご飯にしようか」
「やった!」
丘の上の家に、今日も笑い声が響いていた。
その時、丘の麓にて。
「久しぶりに帰ってきたな~」
「青兄……まだ着いてない」
二つの影がやってきた。
「そう言うなって、ここはもう、庭みたいなもんだろ?」
「そうですね……青兄……」
その影は丘の上の家に向かう。




