第11話「魔女と修行」その一
丘の上の家にて。
「昨日は楽しかったな!」
フィアが伸びをしながら言う。
「そうだね。懐かしい弟子にも会えたし、いい外出だったよ」
リーネは紅茶を飲みながら、昨日のことを思い出す。
「ですわね♪ また会いたいですわ」
「はい♪ 私もそう思います!」
「シレーナとサントリナもそう思う? 私もだよ~! それに~、屋台のお菓子、美味しかった~!」
ラファールがそう言う。
「だな!」
「皆、楽しめたようでよかったよ」
「また、行ってみたいな」
「そうだね。今度からは弟子も連れていくとしよう」
「やった」
フィアたちが喜んでいる姿を見て、リーネは静かに笑う。
「いいものだね、弟子というのは」
「師匠?」
「いや、なんでもないよ」
リーネは紅茶を一口飲む。
「さて……楽しい時間も終わったことだし、今日は修行をしようか」
「おう!」
フィアがすぐに立ち上がる。
「待ってください。まだ朝食の途中ですよ」
サントリナが止める。
「あっ……」
フィアは自分の皿を見る。
「食べ終わってからにしようね」
「わかった!」
「フィアはいつも元気ですね」
シレーナが微笑む。
「じゃあ、食べ終わったら外に集合だよ」
「はい!」
「わかった!」
「は~い!」
朝食を終えた弟子たちは、家の外へ集まった。
「今日は、それぞれ別の修行をしてみよう」
「別々?」
フィアが首を傾げる。
「そう。昨日、街でルーチカを見て思ったんだ。弟子には、それぞれに合った修行が必要なんだってね」
リーネは四人を見る。
「フィアは身体強化と剣術」
「任せて!」
「サントリナは防御魔法」
「はい!」
「シレーナは雷魔法と、魔法騎士としての戦い方」
「わかりました♪」
「ラファールは飛行と近接戦闘」
「頑張るよ~!」
「そして私は、それぞれを見ながら必要なところを教える」
「なるほど!」
フィアが木剣を構える。
「じゃあ、まずは私からだな!」
「そうだね。フィア、まずは昨日よりも力を抜いてみよう」
「力を抜くのか?」
「うん。強く振ろうとしすぎると、動きが遅くなるからね」
「わかった!」
フィアが木剣を構え直す。
その少し離れた場所では、サントリナが防御魔法の練習を始めていた。
「焦らず、ゆっくりと」
リーネの言葉を思い出しながら、魔力を杖へ集める。
「……防御」
淡い光が広がり、目の前に障壁が現れる。
「その調子だよ」
「はい!」
シレーナは雷をまとわせた木剣を構え、ラファールは空へ飛び上がる。
「では、私たちも始めましょう」
「お~!」
丘の上に、四人の弟子たちの声が響く。
昨日とは違う、いつもの一日。
けれど、それぞれが少しずつ前へ進んでいる。
リーネはそんな弟子たちを見ながら、微笑んでいた。




