第10話「魔女と街」その五
街の中央広場。
リーネたちは、屋台を見て回っていた。
「これ、美味しそう!」
フィアが焼き菓子を見つめる。
「さっきもお菓子を買っただろう?」
「これは別だ!」
「どう違うの?」
リーネが苦笑する。
「こっちは屋台のお菓子だから!」
「なるほど……」
「私も食べたい~!」
ラファールも隣から顔を出す。
「では、私が買いましょうか?」
ルーチカが財布を取り出す。
「えっ、いいのか?」
「はい。今日は皆さんと一緒に過ごせて嬉しかったので」
「じゃあ、お願い!」
フィアが嬉しそうに笑う。
「私もいただきますわ♪」
「私も……ありがとうございます」
「ふふっ。どういたしまして」
ルーチカは屋台でお菓子を買い、皆に手渡していく。
「美味しい!」
「甘いね~!」
「はい。とても美味しいです」
「うん」
リーネも小さく笑う。
「こうしてみんなで街を歩くのも、たまにはいいものだね」
「そうですね」
シレーナが頷く。
「師匠、今日はありがとうございました」
「こちらこそ、案内してくれてありがとう」
「いえ。私も楽しかったです」
ルーチカは嬉しそうに笑う。
しばらくして、空が少しずつ赤く染まり始める。
「そろそろ帰る時間だね」
リーネが空を見上げる。
「えぇ~……もう帰るの?」
ラファールが残念そうにする。
「また来ればいいさ」
「本当?」
「あぁ」
「じゃあ、次も一緒に来ようね!」
「そうですね♪」
フィアたちも頷く。
そして、街の出口へ向かって歩き始める。
門の近くまで来たところで、ルーチカが足を止める。
「師匠」
「ん?」
「今日は、本当にありがとうございました」
「こちらこそ。久しぶりに会えて嬉しかったよ」
「私もです」
ルーチカは少しだけ寂しそうに笑う。
「バイトが終わったら……また、師匠のところへ行ってもいいですか?」
「あぁ。いつでもおいで」
「はい!」
ルーチカは嬉しそうに頷く。
「それでは、皆さんもお元気で」
「ルーチカもな!」
「また会いましょうね」
「またね~!」
「はい。また」
リーネも微笑みながら手を振る。
「じゃあ、またね。ルーチカ」
「はい、師匠!」
ルーチカに見送られながら、リーネたちは街を出る。
「楽しかったな!」
「はい♪」
「またルーチカに会えるといいですね」
「うん!」
ラファールも嬉しそうに飛びながら、丘への道を進んでいく。
やがて、丘の上にある家が見えてきた。
「ただいま~!」
ラファールが元気よく叫ぶ。
「まだ家に着いてないよ」
「えっ?」
「ふふっ」
皆で笑いながら、家へと向かう。
こうして、リーネと弟子たちの街での一日は終わった。
「今日は楽しかったね」
「はい!」
「また皆で行こうな!」
「もちろんですわ♪」
「次はもっとお菓子を食べたい~!」
「ラファールはそればっかりだね」
リーネは笑いながら、弟子たちと共に丘の上の家へ帰っていった。




