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【完結】大天使の初恋を、妖精王が台無しにする物語。 〜永遠の恋人は、まだ恋人未満〜  作者: 久茉莉himari


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14/15

【14】妖精王、帰る。〜月影の扉が開く夜〜

ナイトプールのパーティは朝まで続いた。

アンジュ以外は。


アンジュは元々夜更かしは無理なので、

午前0時近く、ウトウトし出したアンジュにいち早く気づいたルシアンは、アンジュを寝室まで送り届けた。


そして、ナイトプールに戻った。


アンジュはいなくても、不思議と、まるでそこにいるようで――


幻想的な一夜の空間に、ルシアンはアンジュの面影を見ていた。




そして、明け方、パーティは終わりを告げた。


ロクシーはドン・ペリニヨンP3のロゼを一人で一本開け、「じゃあ、寝る〜!」とご機嫌で自分の寝室に戻り、ルチアーノはプールサイドの固い床の上で空の赤ワインのボトルを抱いてぐーぐー眠っている。


ルシアンがルチアーノを寝室まで運ぼうとしていると、妖精王がすすっとルシアンに近づいて来た。


即座に大天使の戦士の眼になるルシアン。


妖精王はニパッと笑って言った。


「ルシアン、おつぽよ☆

ちょっと、お話出来るぅ〜?」




そうして、リオとアーチーボルトも揃って、皆でランチを終えると、ルシアンが言った。


「これから、全員のぶんの食後のロイヤルミルクティーを淹れてくるから、リビングで待っててくれ」と。


ルシアンはそれだけ言うと、素早くキッチンに向かった。


アーチーボルトも立ち上がる。


「一人では大変じゃろう。

わしも手伝う!」


そう言って、ルシアンの後を追う。


そして、残された皆でメインリビングへと向かう。


リオはソファに座ると、ぐるりと皆を見渡し、「嬉しいっ!アンジュちゃんの好みのロイヤルミルクティーを飲めるんだ!」と素直に喜んでいる。


アンジュは青い瞳を輝かせ、宣言する。


「ルシアンのロイヤルミルクティーは、地上でいちばん美味しいのだ!」


そんな中、

ルチアーノがそっとロクシーに囁く。


「これは……ロクシー先生の脚本ではないですよね?」


ロクシーが舌打ちして、ルチアーノをジロリと睨む。


「ルシアンのロイヤルミルクティーはアンジュちゃんだけが飲めばいいの!

私がこんな無駄なこと、させると思う?」


絶対零度の視線と声に、ルチアーノがソファからピョンと跳ね上がる。


ロクシーは窓辺に立って、庭を見ている妖精王の光り輝く後ろ姿を見て呟く。


「……あんた、ルシアンに何を吹き込んだの……?」




そうして、ルシアンとアーチーボルトが10分もせずにメインリビングに戻って来た。


まずは、アンジュ。

それから、それぞれの前にロイヤルミルクティーを置く。


妖精王もいつの間にか、ソファに座っていた。


ルシアンとアーチーボルトもソファに座り、皆がロイヤルミルクティーに口を付けると――


アンジュは「甘ーい❤️美味しいー❤️」と満面の笑みだが、妖精王以外は即座にカップをソーサーに戻した。


皆の心の中の叫びは同じだ。


――甘い!!

甘すぎて飲めないッ……!!


妖精王はアンジュに向かってニパッと笑い、

「アンジュちゃんの言う通りだネ☆地上でいちばん美味しいよ❤️」と言って、ロイヤルミルクティーを飲んでいる。


ルシアンはアンジュが満足しているのを見届けると、妖精王に向かう。


「妖精王よ。

お前の“最後の頼み”は果たした。

皆に話があると言っていたな。

さあ、話せ」


ルシアンの淡々とした声に、妖精王が今度はロクシー、ルチアーノ、アーチーボルト、リオに向かって、ニパッニパッと笑うと言った。


「俺さあ〜……今日、帰るネ☆」


静寂。


その静寂を破ったのは――

ルチアーノだった。


立ち上がり、真っ赤になって叫ぶ。


「貴様〜!!

まだ、ルシアンの初恋成就は終わってないだろ!?

勝手に帰るとは何事だッ!」


妖精王がウンウンと頷く。


「それな☆

マジ、心残り☆

でもさあ……昨夜プールに浮かんでたら、見えちゃったの!」


今度はアーチーボルトが叫ぶ。


「UMAか!?UMAがわしの別荘に……!?」


妖精王がパチンとウィンクし、笑う。


「……それ、マジで言ってる?

待って、待って、待って☆

俺が見たのは、お月様〜♪」


「月?」


ロクシーの鋭い問いに、妖精王がウンウンと頷く。


「そうそう!

ナンカねー☆

今日を逃すと妖精の国に帰ったら、ビンタされちゃうからさ☆」


リオが真っ青になる。


「よ、妖精王を……ビンタする存在がいるの……!?」


その時だった。


アンジュの凛とした声がメインリビングに響いた。


「妖精王よ。

そなたは月を見た。

つまり、妖精の国への扉が今夜開くのだな……!」


すると、妖精王がわざとらしくガハッと顔を両手で覆った。


「もう……アンジュちゃん!マジ爆イケ!!

そんなことまで知ってるの!?

マジ天使じゃん☆」


すると、ルシアンがさっとアンジュの前に立った。


「アンジュさまは天使ではない、大天使。

だが、“マジ天使”の言葉は受け取ろう。

そして、妖精王よ。

つまり、今宵月影の扉が開くと?」


妖精王が顔から手を離し、ニパッと笑う。


「流石はルシアン、大天使だネ☆

当ったり〜♪♪♪

そうそうそう☆

俺が地上に来られる方法って一個しかないの!マジ不便!

樹齢千年以上の木が必要でー!

その木の月影が、地上と妖精の国を繋ぐ“妖精王の扉”になるんだ☆

でもさ、月影なら何でも良いわけじゃないの!

月影の扉は、月の“ある方角”でしか現れない。

完璧な方角のネ☆

それが、今夜なんだ♪」


すると、今度はロクシーの血を這うような声がした。


「つ・ま・り!

あんたは……あの大木から月影の扉で、地上にやって来て……。

しかも!華々しく登場したいからってくだらない理由で、自分の血を自分に塗って、エネルギーを使い果たして眠っていた!

それを私が、たまたま轢いた!

私がどんな目に遭ったと思う!?

アンジュちゃんもよ……!」


そしてロクシーは、ルシアンに口を挟む隙を与えず、鋭く続けた。


「妖精王!

帰るなら、帰ればいい!

でも、これだけは聞かせて!

あんた、何で地上に来たの!?」


妖精王はニパッと笑うと――


「うん❤️

その節はメンゴメンゴ☆

ちゃんと話すネ☆」


と言うと、語り始めた。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

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