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【君との絆が奇跡になる】全てを言った通りに出来る能力を手に入れたので、襲撃してくる異世界人を返り討ちにして無双したい件  作者: 呂束 翠
兄妹愛

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第65話 兄弟愛8 おさらいキャラクター紹介5

現在判明済み『奇跡』一覧

深森(みもり) 信世(しんや):言霊の奇跡

艶縫(あでぬい) 紡祇(つむぎ):魂の奇跡

天馬(てんま) 翔流(かける):肉体強化の奇跡

綺羅星(きらぼし) 瑠璃凜(るりりん):魅了の奇跡

・獣人ローナー:精鋭の奇跡


・シオン:厄災の魔女 魂の奇跡?

・シオンの兄:言霊の奇跡? 模倣の奇跡?

~~~~~


「紡祇君……! 紡祇君! 起きて!」

「んー…………今何時?」


 シオンちゃんの声で目が覚める。

 布団に潜ったまま手探りに机の上のスマホを手に取って時間を確認すると、なんと現在1時。

 もうお昼か。

 眠い目をこすって布団から這い出る。リモコンで部屋の電気を付けて一度大きい欠伸をして、起こしてきたシオンちゃんの顔をボーと見詰める。

 寝起きであまり頭が動かない……もう一回寝ようかな。


「おやすみぃ……」

「ちょっと寝ないで! 緊急事態なんだから!! 信世君が大変な事になってるだよ!!」

「ぅん……そんな訳ないでしょ、おやすみぃ……」


 信世が大変? そんなまさか~。あの信世が早々危ない目に合うなんてある筈ないんだから。この世界に来たばかりの不安で過剰に反応してるだけでしょ。

 軽くあしらって布団に潜り直す。

 


「信世君が死にそうなんだよ」

「なんですと?」


 被り掛けていた布団を投げ飛ばして起き上がる。


「そそそそれってどういう!?」

「説明は後で! きりるんと一緒に信世君を助けに行くよ」


 窓をガラッと開けて外に飛び出すシオンちゃん。

 急いで後を追って窓から見下ろすと、そこには銀色もモフモフがそこら中に広がっていた。

 落ちた筈のシオンちゃんは靴を履いたまま銀色のモフモフの真ん中で、ボクの運動靴を片手に待っていた。


「こっちこっち!」

「い、今行くから!」


 街頭すら灯らない真夜中に大きな声で叫ぶ。近所迷惑じゃないかと心配になるけれど、それよりも信世の方が大事だ。

 想像以上に脚が沈み込む銀色のモフモフに脚を踏み入れバランスを取りながら歩く。シオンちゃんの元に辿り着いてすぐに「ハイ」と言って渡してきた靴下と靴を受け取る。


「きりるん、信世君のニオイ分かるよね?」

「バウっ!」

「このモフモフってきりるんなの!?」


 下から聞こえる可愛らしい男の子の声にビックリして地面を見てしまう。

 ボクの声に反応して犬みたく首だけをクイッと曲げて横から片目だけを覗かせて顔を確認させてくれる。目付きや毛の色がぬいぐるみ状態きりるんの面影を残していて、あのぬいぐるみが本物のハスキー犬になって且つおっきくなったんだなと分かる姿をしていた。

 そう言えば今朝きりるんが「おっきくなれるよ!」とか言ってたのは覚えてるけど、本当に出来るとは思わないじゃんか。


「しっかり掴まっててね。きりるん行って良いよ!」

「バウ!」


 言われた通りにギュッときりるんの毛を掴む。

 マンション5階に到達する巨体の割には軽やかな身のこなしで闊歩(かっぽ)するきりるん。真っ直ぐ何処かへ走るその待ち時間中にシオンちゃんとお話をする。


「信世が大変な事になってるって言ってたけど、ボクが寝てる間に何が起きたの?」

「聖騎士団の連中……じゃあ分かんないか。異世界の強くて悪い人達に襲われちゃったんだよ」

「それは大変だ!」


 一瞬口に出した「聖騎士団」だと正義の騎士団みたいだけど、異世界じゃあ悪い人って意味なのかな。


「信世は大丈夫なの?」

「分からない……今は信世君と翔流君の二人で戦ってるけど、いつまで持ってくれるか……」

「その聖騎士団の人はそんなに強いの?」

「そうだね……僕の世界では『最強の獣人』って言われてたらしいから相当強い筈だよ。実際、お兄ちゃんの弟子になれる程度には実力があったみたいだし、この世界に来て弱体化した今でも相当の能力があるのは間違いないね」


 真面目な話をしているからなのか無表情のまま会話する彼女。寝起きで状況が飲み込めていないボクでも、その表情で大変な事が起きているんだと分かる。

 アニメの定番『最強の○○』がまさか敵で来るとは。こういう『最強の○○』枠はお話の流れからして、シオンちゃんのお兄ちゃんが最初だと思ってたんだけど現実はそう上手く行かないもんだね。

 『最強の獣人』。肩書きだけじゃ強い以外分からないし、そんな強力な存在が信世達と敵対して戦ってるのは疑問だけど、今は猫の手も借りたい状況なのは分かった。


「そんなヤバい奴、ボクが行って勝算はあるの?」

「あるよ。きりるんの能力があれば勝てる」

「おお! 流石きりるん!」

「バウっ!」


 上機嫌に鳴くきりるん。狼形態だと鳴き声しか出せないから会話出来ないけど、鳴き方でなんとなくニュアンスは伝わるのである。


「うりうりうり~」


 褒めるつもりでモフモフと背中を撫でてあげてモフモフの毛を堪能しながら風景を見る。気付けば周りの景色はザ・都会みたいな場所に移り変わっていた。

 この場所、見覚えがある。

 博多でおっきなイベントがある時は大体ここで開催されてる会場の近くだ。たまに近くを寄ったりするから直ぐに分かった。


「バウ!」


 大きな尻尾をブンブン振って鳴くきりるん。目的地に着いたみたいだ。

 体を小さくしてるのだろうか徐々に視線が低くなっていく。車位のサイズになると直ぐにシオンちゃんが跳び降りる。それに続いてボクも慎重に降りて地面に脚を着ける。

 シオンちゃんが小さな体でトテトテ歩いて辺りを観察する。木々や地面をザっと見渡して何かを探している。


「おかしいな。ここで痕跡が無くなってる」

「痕跡って?」

「信世君達が争った跡だよ。さっきまで所々散らばってたのに、ここから急に無くなってる」

「そんなのあったの!?」


 言われてみればここに来る途中にそういうのがあった様な……すら言えない位にずっと銀色のモフモフで視界を覆われていたので、そういう形跡に心辺りなんてある筈が無い。

 シオンちゃんが言うにはそういうのがここに来るまであったみたいだけど、どうしてかココでピタリと痕跡が消えているらしい。


「信世君と翔流君の威力なら戦った痕跡は少なからず残る筈なんだけどな……真っ直ぐ移動してたから早々横に逸れる事は無いし、あの『奇跡』同士ならどうやっても地上に被害が出る筈だし……翔流君じゃあ壁とか障害物使う頭は無いから痕跡は必ず建物の上か地面なんだけど……」


 独り言になっちゃってるシオンちゃんのお話に混ざりたいけど、何も知らないもんだから黙って聞くしかない。

 大人しくきりるんをモフって頭を撫でたりお腹やあんよをワサワサして待つ。

 あーでもないこーでもないとブツブツ言ってるシオンちゃんを放ってきりるんと遊んでいると、きりるんの後ろ脚に赤い何かが着いてるのを見付ける。


「あれ、きりるん怪我した?」

「バウ?」


 何のこと? と言いたげな顔をするきりるん。

 モフモフを掻き分けて皮膚を見ると赤に染まった毛は傷口から出ている訳ではなく。正体は一体何なんだと直接嗅いでみると、鉄分豊富で新鮮な血の臭いがした。

 一応シオンちゃんに報告しよっかな


「シオンちゃん~。きりるんが血みたいなの付けてる~!」

「血ぃー? きりるん途中で誰か轢いたの?」

「交通事故起こしちゃったの!?」

「バウ!?」


 うーん……きりるんは心当たり無いみたいな反応してるし、じゃあ誰の血なんだろ。

 臭いからして血以外の何かって訳でも無さそうだし、かと言ってきりるんから出血してる訳でも無いし。なんだろな……信世達も見失ったみたいだし、この血が誰のかも分からないし、別々の謎が重なってボクの頭はパンクしちゃいそうだよ。

 こーいう時は無関係に見える謎同士が実は関連性があるって展開あるよね! ……アニメの見過ぎかな? 頭を使うお仕事は信世の専売特許なんだから、ボクには期待しないで欲しいねっ!


「もしかしたらもう終わってるとか……それでもおかしいか」


 脳内で無意味な言い訳を続けてる最中にもシオンちゃんはずっと考え続けている。

 完全に停滞してしまった。信世が戦ってる最中だって言うのになんてザマだ。

 実際どのくらい危険なのかも知らない今、あまり悠長に構えたくないんだけど、推測する材料も無いもんだからこうするしかない。


「んーーーー分かんないっ!! きりるん助けてぇーー」


 そう言ってきりるんの背中にダイブしようとした所で、きりるんの尻尾がブワッと広がったの視界の端っこで見付ける。

 きりるんの顔を見てみると、建物のエントランスを凝視して小さく唸り声を上げているじゃないか。


「ヴヴヴゥゥゥ」

「きりるんどうかしたの?」

「二人共、何か見つけた?」


 わんこ特有の鼻と勘の良さで何かを感知したのだろうか。いやでもこの子はハスキー犬モチーフだからなぁ……察しが良いイメージ無いんだけど。 

 一匹と二人で視線の先をジッと見る。

 数秒も経たずにシオンちゃんが何かに気付いた様で小さく声を上げる。


「…………なるほどね。厄介な」

「なになに、何かあったの?」

「二人共構えて。来るよ」

「なんか来るの? ちょっ、きりるんもどうしたの。前見えないよ」


 ボクを守る様に二人が前に出る。

 前に出てきたきりるんを避けて、シオンちゃんの頭の上からエントランスの方を見る。

 少しした位だろうか、エントランスの近くにある柱から、頭が真っ赤な人がのそりのそりと出て来る。

 服装はボロボロな腰蓑以外何も身に付けない原始人スタイルでとてもガタイの良い……人? だった。人間とは断言出来ない体毛の多さ。夜の暗さで何色かは判別出来ないが確実に人間の体毛ではない毛並みだ。

 顔は髪すらも全て真っ赤に染まって、まるで顔面から大量出血した後の様な相貌。血で染まった彼が寄りかかったであろう真っ赤な跡が柱に残っている。

おさらいキャラ紹介5人目。シオンの兄であり、襲撃者の獣人ローナーの師

名前:現在未発表(シオンの兄)

性別:男

年齢:未発表

誕生日:未発表

身長:185cm

体重:未発表

能力:

・シオン曰く、全てにおいて最強格のお兄ちゃん。シオンの昔話に登場した襲撃者からは『ガーディアン』と呼ばれていた。『最強の獣人・ローナ』ーの師匠と言うのもあって身体能力も推定最強格。回復魔法と補助系魔法以外の魔法はシオンを大きく上回る実力。

・シオン曰く、『言霊の奇跡』と『模倣の奇跡』を所持している。ただし、シオンの昔話や信世が見た過去の記憶では『言霊の奇跡』と『模倣の奇跡』を使用した描写は一切無い。


詳細

・鮮やかな赤(紅色)の髪をしている。

・何でも出来る人。身体能力や魔法の扱いは異世界基準で見ても相当高いが、頭の良さも相当な物。彼が1人で出来ない事は誰も出来ない可能性すら有る。

・劣化してもチートしている『奇跡』よりもチートしているチートキャラ

・重度のシスコン

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