退妖の剣士 追憶編 後編
湯鬼を倒した健志たちだったが外が何やら騒がしい。外に出てみると大量の妖怪が人々を襲っている。
健志「なんだこれは」
建物は燃え、人々は逃げ惑っている。
第二次人妖戦争 開戦
妖怪たちを率いているのは
妖怪 ハクタク
中国に伝わる大妖怪で人間の言葉を理解し、この世の万物や妖怪の知識に精通している。
妖怪より神獣に近く、昔から人々に崇め奉られてきた。無論、その力は強大。並の妖怪とは比べものにならない絶対的存在
他のメンバーが妖怪の大軍の相手をする。その規模は第一次人妖戦争時、玉藻前が率いていた妖怪集団の規模をはるかに上回っている。
健志が飛行能力で上空にいるハクタクのもとに向かう
ハクタクと健志が向き合った
健志「なぜ人々を襲う。お前は人々に崇拝されている存在。人々を襲う理由はないはずだ」
ハクタク「人間の罪深さを知ったからだ」
神獣 ハクタクは語り出す
ハクタクは白龍村で土地の守り神として祀られていた。
彼には仲の良い少女がいた
少女「ハクタクさん、いつもこの土地を守ってくれてありがとう。でもいつも同じ場所にいるのは大変じゃない?よかったら外の世界、私が案内してあげる」
ハクタク「いいのか?」
少女「もちろんいいよ。」
ハクタク「じゃあ私の背中に乗ってくれ」
少女とハクタクは村だけではなくこの世界全体を冒険した
ハクタク「世界はこんなに広いのか」
少女「たまにはこうして冒険するのもいいでしょう」
ハクタク「ああ。君がよければ月1で冒険しよう」
少女「うん!約束だよ」
ハクタクと少女は村に帰り、それぞれの居場所に帰った
悲劇は数日後に起こった
村の山で噴火が起こり、村の田畑や家の多くが消えた
村長「これはハクタク様の怒りであると考える。そこで村の娘の一人を差し出そうと思う」
選ばれたのはハクタクと仲の良かった少女。彼女は生きたまま箱に閉じ込めて、ハクタクの祠がある湖に沈めた
それに気づいたハクタクは必死に湖の中を探した。
ハクタク「頼むから生きていてくれ。君は私の唯一の友達なんだ」そう生まれながらにして家族も友達もいなかったハクタクにとって自分を友達と言ってくる少女の存在は非常に重要だった
ようやく箱を見つけたがすでに少女は死んでいた
ハクタク「目を開けてよ。一緒にまたこの世界を冒険するって約束したじゃないか。君がいないと寂しいんだ」
(この子を殺した村の連中を絶対に許さない)
ハクタクの激しい怒りにより村は完全に消滅した。
村から出たハクタクは他にも平気で他人を妖怪に差し出す罪深い人間が数多くいることを知った。
そして現在に戻る
白い龍の姿をしたハクタクは口から光線を出し
健志に攻撃を仕掛ける
健志「それがあなたが人間を憎む理由か。光なら、刀の面で反射できる!森川流 龍月」
健志は刀の面で受けることで光を反射させる
だがハクタクは光線を連続で放ち、押し切ろうとする
健志「森川流 斬雨」
素早い刀捌きで光を弾いていく
強者二人の空中での戦闘
周囲は放たれた光と跳ね返された光で照らされる。
健志「宗近 青火斬」
健志が刀に青い炎を纏わせる健志は空の面を力強く蹴り、臆することなくハクタクに接近。
ハクタクが強烈な光線を口から出すが健志「森川流 龍月」凄まじい踏み込みからの目にも止まらぬ最速の斬撃で光線を斬る。
ハクタク「光を斬るとは。だが私の固い皮膚を突破することは誰にもできない。」
しゅうう
健志「森川流 驟雨」刀をドリルのように螺旋状に回転させ、刀の切っ先から圧倒的な貫通力と破壊力を生む、一撃必殺の技。本来は単純な突き技だったが健志が改良を加え、極限まで威力を高めた
その一撃はハクタクの硬い皮膚を摩擦で削り、皮膚の内側から血が吹き出すハクタクはこの時、はじめて血を流した
ハクタク「私の皮膚を突破するとはやるな。だが戦いはまだまだこれからだ」ハクタクが回転し、巨大な竜巻を起こすハクタク「飲み込まれろ!」健志「回転はあなただけのものではない。炎天・獄炎葬」健志は空中で回転し、その勢いのまま獄炎葬を放つ。竜巻と回転のかかった強烈な炎の斬撃がぶつかり合う。天が分かれるかと思うほどの衝撃波が中央で生まれる。
その強烈な衝撃波を浴びながらも双方は一切、引かない。それどころか互いに接近し、衝撃波の発生源である中央で激突する
ハクタクの凄まじい突進を炎を纏うことで刀身を伸ばした宗近で受けると、その勢いを逆に利用し、回転。
ハクタクの頭上に移動すると渾身の踵落としをお見舞いする
ハクタク(なんという戦闘センスだ)
諦めずに何度もハクタクが突進するがその度に刀で受け、いなす。
かつて戦った伝説の剣士 塚本龍二の強烈な攻撃をいなす技のコピー
ハクタク「本当はあの子と一緒にもっと生きたかった。人間の寿命が私よりはるかに短いことは知ってる。寿命で死ぬのは仕方ない。それは自然の道理だ。でもあの子は醜い人間に殺された。あの子が許しても私が許さない」
ハクタクが強烈な光線を放つ
健志は獄炎葬でその攻撃を飲み込み、炎を刀に戻す
健志「人間がみんなそうなわけじゃない。あなたが大切にした少女だって人間じゃないか。人間も妖怪も身勝手なやつはどこまでも身勝手だ。それにその少女はあなたに復讐をしてほしいと望んでいないはずだ」
ハクタク「綺麗事を言うな!あんな殺され方をして恨まないわけがないだろ」
健志「恨んでいるに決まってる。理不尽な殺され方をして恨まない奴なんていない。それでも
大切な友達に復讐をしてほしいとは思わないはずだ。まして関係のない人を巻きこんで喜ぶわけがない!宗近 獄炎葬」
刀から極限まで圧縮された光線が放たれ、ハクタクの体を貫く
攻撃を炎の中に閉じ込め、炎ごと刀に入れることで
その技を自由自在に操れる
コピー・ペーストの感覚
ハクタク(今気づいた。この少年はあの子と同じ綺麗な目をしている。悪意なんて一切ない目、下で戦っている人間もそうだ。各々が信念を持ち、誰かを守るために戦っている。そうだ私は別に人間が憎いわけじゃない)
青い炎の斬撃がハクタクに当たる
ハクタク「お前、加減をしただろ。甘い奴だ。
でもお前の言う通りだ。人間全員がクズなわけじゃない。妖怪たちよ聞け!戦いはこれで終わりだ」
しかし誰も言うことを聞かない
ハクタク「なるほどお前の言う通りだ。妖怪も人間も醜いやつはとことん醜い。そんなことにも気づけなかった私もまた醜い」
妖怪たちは初めからハクタクに忠誠など誓っていない。それぞれが好き勝手に暴れるために戦いに参加しているだけだ
健志「行くぞ、ハクタク。あなたと私が力を合わせれば、ヤツらをイッキに倒せるはず」
ハクタク「元はといえば私が始めた戦い。もちろん付き合うよ」
人妖同盟の結成
健志「みんな離れろ」
その声を聞いた他のメンバーはその場から離れ、旅館の方向に走る
ハクタク「行くぞ少年」
健志が刀に炎を溜め獄炎葬の準備、ハクタクが光線の準備をする
健志、ハクタク「妖術融合 光天・煌炎龍!!!」
光と炎の融合技が下にいる妖怪たちを飲み込む
それによって妖怪たちをイッキに殲滅
こうして第二次人妖戦争は終結した
律「これで事件は解決と言いたいところだが」
リン「温泉街は完全にダメになってる」
健志「こればかりはしょうがない。復興作業に協力しよう。そしてこの事件を起こしたあなたには罰を与えなければいけない」
ハクタク「ああ、覚悟の上だ」
健志「あなたにはこれからこの土地の守り神になってもらう」
ハクタク「それでいいのか?」
健志「死ぬまでこの土地を悪い妖怪や災害から守り続けなきゃいけないんだこれ以上の罰はないだろう」
それから温泉街の復興が始まった
1年かけてようやく元通りになった
妖怪退治の依頼を解決したあと
健志たちは様子を見にきていた
リンが春子にそっと近づく
リン「告白しちゃいなよ」
春子「そうですね。勇気を出していってみます」
春子が健志に近づく
春子「健志、ちょっといいかな」
健志「どうしたの?」
春子「ちょっとこっちにきて」
春子が健志の腕を引っ張る
そして誰もいないところに来ると
春子「健志、あなたのことが大好きです。私と付き合ってください」
健志は驚きながらもこう答えた
健志「俺なんかでよければ、こちらこそよろしくお願いします。」
そして健志と春子は恋人になったのだった
現在に戻る
春子「あれからいろんなことがあった。健志やリンさんみたいに強くはないけど私だってまだまだ頑張れる」
春子はかつての健志の言葉を大切にしていた健志が生きていた頃春子「健志たちみたいに戦えない私はだめなのかな」健志「人生の主人公はいつだって自分、人の数だけ物語がある。武器を作ったり、戦ったり、応援したりしてもいい。世界を救えなくても、自分の興味のあることや自分にできる最大限のことに対し、ひたむきに努力できる人は全員、最高の主人公だと思う。だから、春子は最高にカッコいいと思う。お義父さんの会社を継ぎ、そのお金を寄付に使って、多くの人を救っているんだから。ぶっちゃっけ俺よりすごいよ」
春子「ありがとう。あなたたちの評判を聞いていると自信がなくなっちゃって」
健志「春子だって評判になっているよ」




