第九話:初日から大盛況で困惑した件
「戻ったわ……よ!?」
リリアが戻った頃には、長蛇の列が出来ていた。
「おおっ、リリア!」
「それじゃあ……私は、もう一周してくるわね」
アハハと店から抜け出そうとした彼女の肩をガシッと掴むと俺は優しげな笑みを浮かべながら言った。
「甘い食べ物……一週間分でどうだぁ?」
「クッ……卑怯よ……もう……」
リリアは軽く頭を下げる。
「やり方教えて!」
お客を対応しながらリリアに教えた。
彼女が想像以上に飲み込みが早くてあっという間にレジ周りの仕事を完璧に任せれるまでに成長した。
「いらっしゃいませ!」
「コレください!」
十点の品をバーコードで機械に読み込ませた。
「十点で合計が……銀貨1枚と銅貨5枚」
銀貨=1000
銅貨=100
なので合計は1500円となる。
「ありがとうございました!またのお越しをお待ちしておりますわ!」
(接客は満点だな!)
地獄のような混雑が予定よりも早めに落ち着いたのもリリアのお陰だ。
「マジで助かったよ!」
「報酬はもらうけど……すっごく楽しかったよ♪」
リリアは、生まれて初めての売り子に目を丸くして喜んでいた。
「残り後半も頑張りますかぁ……」
「ハーイ、頑張って売り上げを上げますわ!」
「やっぱりアンタはすごい人だったポン」
「何だか美味そうな匂いもしますロン!」
「ああ、これはホットスナックと言って揚げたてアツアツのお肉やコロッケなんかも売ってますよ……ってロンさんとポンさんじゃないですか!」
「今から上がりだったから様子見がてらに立ち寄らせてもらったんだポン!」
「美味そう……腹ペコだったんだロン……」
空腹に悶えている……ちょっと可哀想に思えた俺は二人に門の時にお世話になったお礼にとサービスでホットスナックのアメリカンドッグを手渡した。
「温かい内にどうぞ!」
「「イイの!?」」
パクパク、パクパクパクパク……
「外はサクッと中はふわっとしてるし、ソーセージが入っていて美味しいんだロン!」
「こんなの生まれて初めての新感覚だったポン……」
「そりゃ、どうも……」
(食レポに手慣れてる感があるな……)
それからは、空腹に歯止めが効かなくなった二人はホットスナックを食べ切る勢いで最後は展示している商品を全て買って帰った。
「目の色が真剣すぎ……」
「もう、タツオったら最後は私に丸投げなんだから……」
「めっちゃ助かった。サービスするから好きなのを二つと揚げたてのアメリカンドッグも食べてよ!」
「えっ、本当にイイの!?」
「もちろん……でも、明日も頼むね!」
次の日は、キャンピングカーを使って何か面白いことができないか考えながらこの日のコンビニ営業は終わりを迎えたのだった。




