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魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

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第88話 全知全能の覇王と絶対忠誠の眷属たち! 覇気みなぎる黄金の獣人王と対峙する、青龍の塔の圧倒的絶望と歓喜の神儀!

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 昨日、ガラード王国の誇る塩の覇者・アラント辺境伯領を完膚なきまでに電撃併合した翌日。


 今日は、いよいよ獣人国の最高権力者である国王ライガンとの歴史的な会談が控えていた。


 会談の舞台となるのは、我が樹海王国の東方にそびえ立つ象徴──『青龍の塔』の最上階に位置する絢爛豪華な謁見の間だ。


 俺は転移の準備を整えるため、本拠地の広大なリビングでゆったりとソファに深々と腰掛け、ライガンの到着を待っていた。


 メイド長のブラルルが、淹れたての芳醇な香りが漂う極上のブレンドコーヒーを恭しく差し出してくれる。コクのある温かい液体が喉を通り、脳が冴え渡っていく。


 昨日のアラント辺境伯との会談では、元宰相デレイズの恐ろしいほどの事前分析と洞察力が遺憾なく発揮された。ならば今回も、事前に完璧な対応策と圧倒的なアドバンテージを構築しておくべきだろう。


 俺は意識を研ぎ澄まし、心の中でデレイズへ直接語りかける『念話』を開通させた。


(デレイズ、聞こえるかい? 例の獣人国の現状とライガンの内情について、事前情報はどの程度掴んでいる?)


 頭の中に、デレイズの理知的で淀みのない声が即座に返ってきた。


(はい、主様。すでに影の密偵と各種ネットワークを駆使し、完璧に調査を完了しております)


(頼もしいね。概要をかみ砕いて教えてくれ)


(承知いたしました。先のオーク大軍勢による怒涛の侵攻により、獣人国の国土は甚大な被害を受け、現在は深刻極まる大食糧難に陥っております。……ですが、分析するに何ら恐れるに足りません。獣人国内の南部地域はガネーシャ伯爵の治める広大な領地であり、すでに我が樹海王国からの潤沢な食糧支援が行き届いておりますので、治安も供給も完全に安定しております。また、同じく南部に位置するケットシー族、ウェアウルフ族、猿人族の我が国直轄領につきましては、元より鉄壁の防衛体制と自給自足の基盤が確立されておりますので、何一つ問題はございません)


(なるほど。じゃあ問題は中央部と北部か?)


(さようにございます。現在、食糧不足に苦しむ中央部の貧困層や難民が、救援を求めてガネーシャ伯爵領および我が国の境目へ雪崩のように流入してきております。そして最北部に至っては、冬を越せるかどうかの極限状態にございます。……しかしながら、王家が厳重に保管している巨大な『国家備蓄兵糧』を全面放出さえすれば、今年の冬は十分に全領民を飢えさせずに乗り切れる計算となっております)


 デレイズの寸分の狂いもない冷徹な分析に、俺は思わず口元を緩めた。


(ふむ。この前念話でライガンたちの会話を盗み見た時と、全く状況は変わっていないな)


(ええ。獣人王ライガンが国家備蓄の放出を躊躇い、我が国の無償の慈善事業に甘えようとする道理などどこにもございません。彼らは『ダメ元で要求してみよう、貰えたらラッキーだ』程度の甘い考えで交渉に臨んでくるでしょう。十分すぎる対価や領土の割譲、あるいは我が国への完全な従属条件が出されるのであれば支援を検討する価値はございますが、何のリターンもない単なる人道支援など、我が国にとって一切不要にございます)


(完全に同意だ。自分で溜め込んでいる食料を素直に吐き出しなさい、って話だな。自国の備蓄を限界まで吐き出した上で、それでも足りずに土下座して泣きついてきたら、初めて交渉のテーブルにつかせてやるとしよう。デレイズ、素晴らしい洞察をありがとう)


(勿体なきお言葉。我が主の絶対なる利益のために尽力することこそ、我が最高の喜びにございます)


 念話による参謀との密談を終え、俺はコーヒーカップをテーブルに置いた。ふと、前々から計画していた癒やしのプライベートな予定を思い出し、隣にいたヒナへ声をかけた。


「ところでさ、みんなで綺麗な海岸に行って賑やかにBBQをするっていう最高な計画、あれはどうなったんだっけ?」


 ヒナは待ってましたと言わんばかりに、ジト目でジリジリと詰め寄ってきた。


「む~っ! ヒロトが毎日毎日、怒涛の外交とか領地併合とかで忙しすぎて全然行けてないんでしょー!」


「あはは、ごめんごめん! 明日は妖精族との会談が入っているけれど、明後日になんの急用も入らなければ、絶対に行こうか!」


「やったーっ! 約束だからね! 最高の肉を山ほど用意しなきゃ!」


 ヒナがパッと顔を輝かせると、サクラも優しく微笑みながら身を乗り出してきた。


「あら、そんな楽しそうな計画があったのですね。ぜひ私も連れて行ってくださいな。海のロケーションでいただくお肉、とても楽しみです」


 さらに、可愛い白狐のハクが尻尾をブンブンと振りながら、楽しそうに手持ちのメイドたちへ命令を飛ばした。


「ブラリリルルロロ! 明後日のために最高級の特選肉とBBQセットの準備をしておいてねー!」


 俺は即座にツッコミを入れた。


「ちょっと待ってハク! ブラリリ、ブラルル、ブラロロの三人あわせて『ブラリリルルロロ』って……逆に略しすぎてめちゃくちゃ言いづらくなってないか!?」


 ハクはドヤ顔で胸を張った。


「まあね! 細かいことは気にしちゃダメだよ、ヒロト!」


「「「かしこまりました! 最高のBBQ食材をご用意いたします!」」」


 三人の優秀なメイドたちが綺麗にハモりながら深々と一礼した。

 そこへ、空間が揺らぎ、漆黒のドレスを身に纏った絶対悪魔のアスタロトが静かに姿を現した。


「ふふ、私もそのBBQには喜んで同行させていただきましょう。……ところでヒロト様、獣人国王ライガン様が当家に到着されました。青龍の塔の謁見の間でお待ちです」


「よし、了解! 待たせる理由もない、謁見の間へ移動しよう!」


 俺たちは瞬時に青龍の塔の最上階、壮大な天蓋と重厚な玉座が鎮座する謁見の間へと転移した。


 今回の謁見に立ち会う布陣は、まさに世界の均衡を容易く崩壊させられるほどの圧巻の面々だ。


 俺の右手には神狼ハク、左手には神竜レイ、左目には万物を見通すアイ。


 身体には無敵のスラオが同化し、腰には神刀ムラマサが静かに静寂を保っている。


 妻のリザ、ルシー、ハピの三人は美しい人化形態の姿で俺の傍らに寄り添い、暗殺と密偵の絶対者コボミとスパは『隠蔽』の極致によって気配を完全に消して空間に潜んでいる。


 さらにサクラ、外交を仕切るアキート、天才宰相デレイズ。


 そして我が国の傘下となった亜人連合の代表として、ケットシー族長老キャル、ウェアウルフ族長老ウルズ、猿人族長老モンタ、そして愛らしいカーバンクルのカインが勢揃いしていた。


(あ……そういえば!)


 俺はふと、昨日の会談中に生じた地味な不便さを思い出した。ライガンを招き入れる直前、俺は手を打って全員を振り返った。


「みんな、ちょっとライガンを呼び出す前に大切なことを思い出したんだ。実は昨日、アラント辺境伯との会談中にアキートへ念話を飛ばそうとしたんだけど、眷属化していなかったから念話が繋がらなくて焦ったんだよね。もしアキートさえ良ければ、今ここで俺の眷属になってくれないかい?」


 それを聞いたアキートは、まるで天から後光が射したかのように目を極限まで見開き、全身をガタガタと歓喜で震わせた!


「や、やったぁぁぁーーーッ!!? ずっと! ずっとヒロト様の眷属になりたかったんですよぉぉっ! 喜んでこの身も心も捧げます!!」


 すると、それを見たケットシー族の長老キャルが語尾を跳ねさせて身を乗り出してきた!


「にゃ、にゃんと!? ちょっとズルいにゃヒロト様! もしお許しいただけるのでしたら、このキャルめも絶対の眷属にしてほしいにゃ!」


「おいおいおいッ! 抜け駆けは絶対に許さんぞッ!」


 ウェアウルフ族長老ウルズが野性味あふれる顔を真っ赤にして叫び、猿人族長老モンタに至ってはウッキウキで踊り出しそうな勢いで連呼した!


「俺も! 俺も俺も俺も! ヒロト様の眷属にしてくれぇぇぇーーーッ!」


「あはは! みんなそんなに熱望してくれるなら大歓迎だよ! 頼むね!」


 俺は溢れ出る圧倒的な神気を解き放ち、アキート、キャル、ウルズ、モンタの四人に王の刻印を刻み込み、完全なる『眷属』として迎え入れた。四人は全身を駆け巡る圧倒的な万能感と絶対的な忠誠心に震え、感激の涙を流しながら膝を折り、深々と平伏した。


「ふふ、最高の布陣になったね。……アスタロト、ライガンたちを招き入れてくれ」


「御意にございます」


 重厚で巨大な装飾扉が静かに開き、獣人国の王ライガン率いる使節団が謁見の間へと足を踏み入れてきた。


 そこに現れたのは、息を呑むほど巨大で荒々しい百獣の王そのものの威容であった。


 ライガンは黄金の獅子の獣人だ。雄々しい凶悪なライオンの顔つきに、首回りには黄金の重厚なたてがみが絢爛と舞っている。規格外に巨大な頭部、身の丈は実に250センチを超える圧巻の巨体だ。


 丸太のように太くガッシリとした体格を誇り、全身は綺麗な茶褐色の毛並みで覆われている。手足の構造は人間と同じだが、その一挙一動から放たれる質量的な威圧感は凄まじい。


 全身を包むのは、複雑で美しい魔法陣と魔導模様が刻まれた漆黒と金の金属製重鎧、ガントレット、グリーブ。王としての風格と絶対的な暴力を凝縮したかのような出で立ちであった。


(ふむ、この前念話で盗み見た姿と全く同じだな。相変わらず凄い威圧感だ)


 ライガンの左右には、厳選された側近の従者が付き従っていた。


 右側に立つのは、しなやかな体躯と鋭い眼光を持つ豹獣人のジャガル。これも以前の念話で確認した男だ。


 そして左側に立つ巨大な熊の獣人は、俺も初めて目にする存在だった。


 俺はさりげなく『鑑定』を発動させ、そのステータスと詳細を透視した。


 ────────────

 名前:グンゴル

 種族:熊獣人(獣人国将軍)

 体長:250cm

 特徴:四肢は短く、極限まで鍛え上げられた超重量級のガッシリ体型。茶褐色の毛並みに身を包み、要塞のような漆黒の重鎧を装備。数々の死線をくぐり抜けてきた歴戦の猛者の風格を漂わせる。

 ────────────


 なるほど、獣人国が誇る最高幹部の将軍か。確かに醸し出している威圧感や戦士としての静かな殺気は本物であり、並の人間や魔物なら対峙しただけで気絶するレベルの強者だ。


 ……もっとも、俺の最愛の妻たちや神獣たちに比べれば、その戦力値や存在の格は月とスッポン、次元が何段階も下に位置するレベルなのだが。まあ、世間の基準と俺の周りのチート仲間たちを比べちゃダメだな!


 そして、ライガンたちから少し離れた後方には、我が国と深いパイプを持つ象獣人のガネーシャ伯爵が、恐縮した様子で恭しく同行していた。


 百獣の王ライガンは、広大かつ神秘的な『青龍の塔』の謁見の間に漂う、常軌を逸した濃度の神気と圧倒的な威圧感に一瞬だけ表情を強張らせた。


 王座に君臨する俺と、その傍らを固める超規格外の怪物たち。


 世界を揺るがす獣人国と、異次元の神域を誇る樹海王国──ついに、覇者と覇者による緊張感あふれる最高首脳会談の幕が切って落とされたのだった!

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