第84話 世界を震撼させる超国家体制誕生! 四大ギルド設立と不死の英雄たちが紡ぐ、樹海王国の絶対無双覇道!
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熱を帯びる樹海王国の幹部会議は、一刻の停滞もなくさらに加速していく。
俺は全体を見渡しながら、各領地の代表者たちへ問いかけた。
「さて、他の領地や外部からの新着情報で、何か報告しておきたいことはあるかい?」
すると、可憐な猫耳をぴこぴこと揺らしながら、ケットシー族の長老キャルがちょこんと手を出した。
「ヒロト王! 樹海の南に位置する獣人国より、王への緊急面会の強い打診が届いておりますニャ。先の戦争による復興支援と、我が国との経済協定の締結を切望している模様です」
続いて、ダークエルフ国女王グレイアが妖艶な笑みを浮かべつつ朗々と告げる。
「我が方へも、小人族および妖精族のそれぞれの代表者より、ヒロト王への拝謁を求める熱烈な要請が届いております。我が国の圧倒的な武威と繁栄を聞きつけ、傘下に下ることも視野に入れているようです」
さらに、新領域を任されたコボ5が、耳を立たせて報告を重ねた。
「ガリア町の旧領主であるアーシュ男爵の寄親、アラント辺境伯からも必死の様相で特使が派遣されており、直々の謁見を希望しております!」
「なるほど……全員と会おう。今後の外交方針を固める良い機会だ。明日以降でスケジュールを上手く調整してくれ。デレイズ、全体の時期調整と対応の統括を頼むぞ」
元デルガ王国宰相にして、高位の死霊『リッチ』として蘇ったデレイズが、漆黒のローブを揺らして深々と恭順の礼をとった。
「御意にございます、ヒロト様。完璧なる差配をもって調整いたしましょう」
俺は隣で静かに控えていた雷精霊ライゾウへ視線を向けた。
「それからライゾウ。お前を『精霊族代表』に任命する。精霊の泉に保護されている各地の精霊たちを取りまとめて、彼らの意見や要望を集約してくれ」
ライゾウはバリバリと青白い火花を散らしながら、威勢よく胸を叩いた。
「おうッ! 任せておけヒロト! アリアの護衛と並行して、精霊どもの親分としてバッチリまとめてやるぜ!」
「よし。次は我が国の首都である『世界樹の里』の絶対的な防衛体制だな。……コボ2を【防衛将軍】に任命する!」
驚きに目を見張るコボ2に対し、俺は力強く言葉を続けた。
「コボ2には、首都防衛の最高責任者となってもらう。リガント大将軍の部隊から5000、オニバル将軍の部隊から5000、合わせて1万の精鋭兵士を移動させるので、その指揮を任せる。そして補佐の『副将軍』として、先ほど蘇らせたアレオンを付けることにする。隊員は全員、漆黒のフルプレートアーマーを着用し、首都防衛だけでなく樹海王国内の巡回警備と治安維持も一手に引き受けてくれ」
俺が即座に召喚スキルを発動すると、怨霊王『スペクターキング』として強大な威圧感を纏って蘇ったアレオンが現れた。事情を伝えると、アレオンは騎士の礼を執り、重厚な声で誓いを立てた。
三つの頭部を持つ地獄の番犬『ケルベロス』へと進化を遂げたコボ2も、勇猛な咆哮とともに三つの首を交互に振って感動を露わにした。
「おおおおっ! 主様、身に余る大任、感謝に耐えません! 樹海王国の安寧のため、この命に代えても期待に応えて見せます!」
「ドワンゴ、鍛冶部隊の生産状況は順調かい? 全兵士分の黒のフルプレートアーマーの配備は間にそうかな?」
ドワーフ族長ドワンゴは、豪快に髭を蓄えた顔を綻ばせ、白い歯を見せて笑った。
「ワハハ! 余裕で間に合いますぞ、ヒロト様! 実はデルガ様より、生前伝説とまで謳われた『伝説の鍛冶名人』5名と、熟練の鍛冶士50名のスペクターを新たに補強していただきましたでの! 生産効率は十倍以上に跳ね上がっております!」
「おお! デルガ、いつも最高の配慮をありがとう!」
俺が感謝を伝えると、デルガは兜の奥の不気味な眼光を優しく揺らめかせた。
「ふむ、これだけの技術者が揃ったなら、国規模の『鍛冶ギルド』を正式に設立しよう。全領地の鍛冶士を一箇所に集め、技術の相互研鑽、ノウハウの共有、そして武器防具の規格統一を図るんだ。ドワンゴ、ギルド長には誰が適任だと思う?」
「それでしたら、デルガ様配下の伝説の鍛冶名人のお一人、『ドワスト』様を強く推挙いたします! 彼の右に出る者は世界を探してもおりませぬ!」
「よし、ドワストに決定だ。デルガ、ドワストを呼んでくれ」
デルガの召喚により姿を現したドワストへ、俺は直接『第一代鍛冶ギルド長』の辞令を言い渡した。
「サクラ、錬金術や魔道具作成の育成の方はどう進んでいる?」
サクラは腕を組み、得意げに胸を叩いた。
「ダークエルフの元奴隷だったグラビスに、私が持っている最新の魔道具作成ノウハウを伝授しているわ。ダークエルフ国からも熱心な技術者が数名勉強に来ているの。ただねヒロト、ダークエルフ国や各領地に散らばっている錬金術士たちを一箇所に集めて開発・作成させた方が、素材の流通的にも絶対に効率が良いと思うのだけど、どうかしら?」
「素晴らしいアイデアだね! 道具や薬の規格も統一できる。よし、『錬金術ギルド』を新たに設立し、グラビスをギルド長に任命しよう。……誰かグラビスをここに呼んできてくれないか?」
ハクが「任せて」と空間転移を発動し、一瞬でグラビスを会議室へ連れてきた。突然の出来事に驚くグラビスへ、ギルド長就任の旨を伝えると、彼は感涙にむせびながら快諾した。
ここで、デルガが静かに挙手をした。
「ヒロト様。私の配下に、生前『錬金術の権威』とまで称えられたリッチの『デランチ』がおります。彼も含め、我が配下の錬金術士全員をギルドへ加盟させましょう」
その名を聞いた瞬間、ダークエルフ女王グレイアが目を見張って立ち上がった。
「な、なんですと……!? かの伝説の歴史的偉人、デランチ様がデルガ様の配下に……!?」
サクラも「へぇ!」と驚きの声を上げる。
「あのデランチ殿がデルガのところにいたのね!」
「なんだかデランチって人は想像以上に有名みたいだね……。グラビスの下で働かせるのは流石に失礼だし申し訳ないから、デランチには『錬金術ギルド最高相談役』になってもらおう。デルガ、配下の参加もありがとう。デランチ以外の人物で、グラビスの良き補佐になりそうな者の人選を頼めるかい?」
「承知いたしました。補佐の人選につきましては、デランチ本人に直接任せるのが最も確実かと」
デルガがデランチを召喚し、そのまま幹部会議へと出席させた。歴史上の偉人の登場に室内が色めき立つ中、デランチは恭しく一礼し、グラビスを全力で支えることを誓った。
「ついでだ、物流と商業を統御する『商人ギルド』も正式に創設しよう。商業会頭のショー、ギルド長として全領地の流通と経済の取りまとめを頼むぞ!」
「ハッ! 我が樹海王国に無尽蔵の富をもたらしてみせます!」
ショーがギラリと商人の目を輝かせて力強く頷いた。
「よし、それなら『冒険者ギルド』も作ってしまおう! ……そういえば、以前ガリア町の副ギルド長だった男を倒して収納したことがあったな。確か元Sランク冒険者で、名前は……グレッグだっけ? アキート、知っているかい?」
外交担当のアキートが深く頷いた。
「ええ、極めて有名かつ極めて義理堅い名将でした。ガリア町の冒険者ギルドの実際の実務と治安維持は彼がすべて取り仕切っており、町の住民や冒険者たちからの信頼も絶大でした」
「そうか、なら申し分ないな」
俺はスラオの影空間からグレッグの遺体を取り出し、床へ横たえた。
「デルガ、彼を蘇らせてくれ」
「御意」
デルガが死霊魔術を唱えると、黒い煙とともにグレッグが絶対の忠誠を誓う『スペクターキング』として力強く蘇り、膝をついた。
「グレッグ、お前を『初代冒険者ギルド長』に任命する。アキート、彼に我が国の現状と理念を色々と説明してやってくれ。それから、冒険者たちの狩り用ダンジョンに出現させる魔物の生態系については、各ギルド長でしっかり相談し、ヒナとサクラに依頼して適宜変更してもらってくれ」
グレッグは「この命、新しき王のために捧げます」と重厚な声で誓いを立てた。
ここで俺は、ふと思い出した疑問を投げかけた。
「そういえば……以前、オーク軍に囚われていた捕虜の中に、エルフ族の人たちがいたよね? その後の処遇はどうなったか覚えている人~?」
ヒナが「あ、私知ってるよー!」と可愛らしく挙手をした。
「エルフ以外の種族の人たちは、全員安全に出身地まで送り返してあげたよー! でね、エルフ族の人たちだけは念のため巨大な塔の中に軟禁中なの。……あ、忙しくて解放するのをすっかり忘れてたー! えへへw」
テヘッと首を傾げるヒナに、俺は思わず苦笑いした。
「あらら……まあ良い機会だ。エルフたちは精霊を無事に解放した後、そのまま国外へ解放しよう。『樹海王国の領外へ即刻立ち去ること。もし今度、敵として我が国の前に立ちはだかることがあれば、次は容赦なく撃滅する』と厳しく伝えておいてくれ」
「りょーかい《ラジャー》! バッチリ伝えておくねー!」
一通りの報告が終わり、俺はぐるりと室内を見渡した。
「他に何か確認しておきたい課題はあるかい?」
サクラが顎に手を当て、少し考え込むように口を開いた。
「私はヒロトの嫁だから『王妃』という立場だし役職がなくても何の問題もないけれど……デルガ、デステル、ヴァンスの三人には、何か国家的な正式な役職や『爵位』があった方が、対外的にも都合が良いんじゃないかしら?」
「ん~……確かに。明確な役職名がすぐには思いつかないし、伯爵などの『爵位』を授与することにしようか。そもそもみんな、引き連れている配下の数も並の貴族どころじゃないからね」
サクラがニッコリと頷く。
「いいじゃない! 最高の栄誉ね」
「よし、決定だ。三人には『伯爵』の爵位を授ける! それからデステルには、スパとは別に、暗殺部隊『闇の風』や配下の魔物たちを束ねて、国家規模の『対外諜報・暗殺部隊』の指揮をお願いしたい。スパは純粋な情報収集と国内監察、デステルは情報収集に加えて実働作戦の指揮だ。ファントムキングとして蘇ったヤグルを、デステルの傘下の現場隊長にしよう」
死神デステルが闇の中からゆらりと姿を現し、骨の指を組んで深々と頭を下げた。
「クックック……承知いたしました、ヒロト様。我が影の軍勢をもって、我が国に害なすあらゆる芽を根こそぎ摘み取って見せましょう」
「よし頼んだぞ。……あと、我が国の関係者が爆発的に増えているけれど、我が城の敷地内には巨大な4つの塔があるから、住居や各ギルドの拠点施設に関しても一切問題はないはずだ。内政を統括するデレイズが全体の管理を担当して、最も効率的な配置を考えて割り振ってくれ。各ギルド長は施設に関する要望があれば、いつでもヒナやサクラと相談するように。それからデルガとデステルの配下たちも、自由に塔に住んでくれて構わないからね!」
デレイズをはじめ、全員が「御意ッ!」と一斉に唱和した。
「よし! 他に意見もないようだし、今日の最高幹部会議はここまで! みんな、これからも樹海王国の発展のために力を貸してくれ!」
俺の言葉とともに会議は幕を閉じ、異種の絆と絶対の忠誠によって結ばれた最強国家『樹海王国』は、世界をひれ伏させる絶対無双の覇道へと、また一歩大きく踏み出すのであった。
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