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魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

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第81話 国王すら平伏させる圧倒的王威! 愚かな勅使の暴言を突きつけ、ガラード王国を絶望へと叩き落とせ!

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 爆音と共に吹き飛んだ扉の先──重厚で絢爛豪華な謁見の間の奥、正面の一段高い壇上にその男は座っていた。


 金色の豪華な玉座に鎮座するのは、ガラード王国の頂点に立つ国王だ。


 色とりどりの巨玉が眩しく輝く金の王冠。外向きに優雅にカールさせた金髪に、人を射殺さんばかりの鋭い青い瞳。蓄えられた白い口髭と顎髭が厳格さを漂わせている。年齢は七十代の老年といったところか。


 身に纏うのは、鮮烈な赤を基調に金銀の糸が緻密に織り込まれた豪奢なマントと白いガウン。腕や腰には煌びやかな宝石が散りばめられた腕輪とベルト、右手には権威の象徴である王笏おうしゃくを握り、爪先の尖った革靴で床を叩いていた。


 その左横には、知性としとやかさを装った気取った男──宰相らしき人物が控え、玉座へと続く階段のすぐ下には、重装甲を纏ったアレオン将軍が立ち塞がっている。


 俺たちの足元から玉座へ向かって、一本の鮮やかな赤いカーペットが一直線に敷かれていた。その両脇の壁際には、怯えと怒りを混ざり合わせた表情の貴族たちと、槍や剣を握りしめた近衛兵たちがズラリと立ち並んでいる。


 俺たちは赤いカーペットの上を、まるで自国の庭でも散歩するかのように悠々と歩を進めた。


 先頭に俺。すぐ後ろにリザ、ハピ、ルシー。気配を完璧に消したスパとコボミも、姿は見えないが俺たちの影に潜んで同行しているはずだ。


 俺たちが階段の手前まで歩み寄ると、顔をひきつらせた宰相が金切り声を張り上げた。


「控えよ、無礼者どもッ! 止まれ! そしてただちに膝を突き、平伏せよ! 今おわすはガラード王国が至高の主、国王陛下なるぞッ!」


 俺は宰相の言葉を完全に無視し、足を止めて隣のルシーへ苦笑交じりに話しかけた。


「ルシー、上から目線で威張られたまま話しかけられるのって、なんだかすごく気分が悪いね」


 ルシーは深紅の瞳を妖しく光らせ、冷徹な笑みを浮かべた。


「全くその通りでございます、ヒロト様。不敬極まりない羽虫どもですね」


 言葉のイニシアチブを取って優位に交渉を進めたい宰相は、無視されたことに激怒し、必死の様相で怒声を上げた。


「貴様らッ! 何者だッ!? 陛下に対してその態度は何だ! 膝をつき、頭を垂れよッ!」


 宰相の合図に応じ、アレオン将軍をはじめ両脇の近衛兵たちが一斉に「ヌゥッ!」と剣を抜き放ち、殺気を露わにして構えた。


 すると、ルシーが俺の前へと静かに出た。その瞬間──


「無礼者は貴様らだッ!! 控えよ、樹海の王の御前なるぞッ!!」


 ドバアァァァァァンッ!!


 謁見の間全体に、言葉を失うほどの濃密な極大魔力と、地獄の底から這い出たような禍々しい邪気が爆風となって吹き荒れた!


 空間そのものが歪み、空気が目に見えるほど重く濁る。だが、レイが展開してくれた神聖な精霊力の結界が俺と妻たちを優しく包み込んでいるため、俺たちは平然と立っていられる。


 俺は即座に念話でルシーへ釘を刺した。


(ルシー、あんまり本気出しすぎちゃダメだよ。生身の人間はショック死しちゃうからね)


(ふふ、分かっているわヒロト。手加減して絶望だけを与えてあげる)


 次の瞬間──俺たちを除く謁見の間にいた者全員が、まるで巨大な見えない手に上から押し潰されたかのように、ドスンッと一斉に膝をつき、床へ頭を擦り付けた!


 もちろん臣服したわけではない。ルシーの圧巻すぎる魔力と邪気に圧迫され、立っていることすらできなくなったのだ。


「ぐ、ふっ……!?」

「あ、圧が……息が、できない……!」


 弱腰の貴族たちに至っては、白目を剥いて泡を吹き、床にうつ伏せで倒れてピクピクと痙攣している。根性がなさすぎる。


 だが──その絶望的な圧迫感の中で、ただ一人、咆哮を上げて立ち上がった男がいた。


「狼藉者めがッ! 陛下に不敬を働く者は、このアレオンが成敗してくれるわぁぁッ!」


 アレオン将軍だ! この禍々しい邪気の中で動けるとは、流石は一国の将軍というべきか!


 アレオン将軍は剣を八双の構えに引きつけ、必殺の力で俺に向かって怒涛の袈裟斬りを繰り出してきた!


 ガキィィィンッ!


「なっ!?」


 リザが腕のアダマンタイトの盾を差し出し、その大剣の斬撃を余裕で受け流す。無防備になったアレオン将軍の胴体へ向け、俺はムラマサを神速で抜刀し、横一閃に薙ぎ払った!


 ガァァンッ!!


「アッー!?」


 必殺の峰打ちが腹部へ直撃し、アレオン将軍の身体が折れ曲がる。


「あっぱれ!」


 俺は一言褒めてムラマサをサッと鞘に納刀すると、白目を剥いて倒れかけたアレオン将軍を、ハクの力で間髪入れずに異次元空間へ収納した。


 ルシーは冷ややかな視線を壇上の国王と宰相へ向け、吐き捨てるように叫んだ。


「その上にいる身の程知らずども! 樹海の王の御前である! 直ちに降りてきて膝を付け! それとも、今すぐ一族もろとも死にたいか!」


 ルシーが二人へ向けて放出する魔力と邪気の威圧をさらに倍加させた。


 バリバリバリッ!と空間が鳴動する。


 最強の盾であったアレオン将軍が一瞬で葬り去られ、もはや有利に交渉を進めることなど不可能だと悟ったガラード国王と宰相は、顔を蒼白にしてガタガタと打ち震えた。二人はよたよたと力なく階段を降りてくると、ルシーの魔圧に耐え切れず、惨めに床へ膝をついた。


 ルシーは二人を見下ろし、フンと鼻を鳴らした。


「宜しい。我が王よりありがたいお話がある。そのまま心して聞くがいい!」


 ルシーが魔力と邪気の放出をピタリと止めると、失神しかけていた国王と宰相は「ハァ、ハァ……!」と荒い息を吐きながら床に手をついた。


 俺は一歩前へ出ると、静かに朗々と声を張り上げた。


「私は『樹海王国』の王、ヒロトだ。貴国からの身の程知らずな宣戦布告を受け取り、こうして直々に出向いてやったぞ」


 宰相は青ざめた顔を必死に上げ、震える声で反論を試みた。


「せ、宣戦布告……!? 滅相もございません! 我がガラード王国が、そのようなものを送った覚えなど断じてございません!」


「ほう? では我が領土に対し、理由もなく二万の軍勢を送り込んで攻め込んできたのはどう説明するんだ?」


「貴方の領土、とおっしゃいますのはあの『深淵の樹海』のことでしょうか……!? あそこは昔から我が国の隣接する未開の危険地帯! いつから貴方様の領土になったというのですか! 建国されたというのなら、事前に正式な使者を出して届けていただかねば、こちらとて分かりかねます!」


 俺は呆れたように肩をすくめた。


「ふむ……ではもう一つ教えてやろう。先日、ガル村を平和に歩いていた私と妻たちに対し、貴国の者が著しく無礼を働き、明確に宣戦布告をしてきた。だから俺はその挑戦を受けたんだよ」


 宰相は困惑した表情を浮かべ、汗を吹き出させながら言った。


「そ、そのようなガル村での無礼など、我が本国では一切認識しておりません! 何かの間違い、あるいは誤解ではございませんか……!?」


「そんな重要事項すら把握していないとは、一国の情報網として致命的だな。……いいだろう、犯人はこいつだ。勅使は王の言葉を代弁する者。ならばその発言は、ガラード王家全体の意思として受け取らせてもらう!」


 俺が手をかざすと、ハクが異次元空間を開き、ガル村で捕らえたあの肥満体の勅使をシュッと放り出した。


 勅使はちょうど俺たちの方を向いた体制で叩きつけられた。


 異次元空間の中にいたため時間経過の感覚がない勅使は、自分が今どこにおり、周囲に誰がいるかも確認しないまま、ガル村での怒りをそのまま引きずって興奮状態で叫び散らした!


「ひ、ヒィィッ! 貴様らッ! この俺になにをしやがるッ! 許さんぞ、ガラード王国の誇る全軍が黙っちゃおらん! 貴様らは全員拷問の末に殺す! そして後ろの極上な女たちは全員俺の奴隷として差し出せぇぇぇッ!」


 静まり返った謁見の間に、勅使の醜い叫び声だけが虚しく響き渡った。


 俺は床に跪くガラード国王と宰相を見下ろし、冷ややかに言い放った。


「ガラード国王よ、聞いた通りだ。こやつは樹海の王である我を殺し、我が愛する妻たちを奴隷として差し出せと言い放った。相手の身分も確認せず、通りすがりの一国の王妃を拉致して奴隷にしようとは……一体どういう了見だ? 貴国では、他国の王に対して暴言を吐き、王妃を奪おうとした者にどういう対応を取るのかな? 通常の国家間であれば、即座に開戦以外に選択肢はない。これを宣戦布告と言わずして、何と言うのだ?」


「なッ…………!?」


 自分たちの差し向けた愚かな勅使が吐き散らした最悪の暴言を目の当たりにし、ガラード国王と宰相は絶望のあまり顔を真っ青にして絶句するのであった。

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