第80話 ガラード王国首都電撃蹂躙! 剣聖すら一蹴する圧倒的無双と、開戦を告げる開城の蹴り!
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さて、ガリア町の制圧もあっけなく終わったことだし、異次元空間に保管(収納)してある勅使と領主アーシュ男爵の身柄を直接「返却」しに、ガラード王国の首都へと向かうとしよう。
ただ、俺は首都ガドリアへ行ったことが一度もないため、ハクの空間転移魔法を使うことができない。ならば手段はひとつ、空から堂々と進撃するまでだ。
「リザ、エンシェントドラゴンになって首都の近くまで俺たちを乗せていってくれないか?」
「承知いたしました、ヒロト様!」
リザが凛とした声で応えると、眩い光とともに巨大で優美な極大の竜──エンシェントドラゴンへと姿を変えた。
俺、ハピ、ルシーの三人はリザの背に乗り、広大な空へと飛び立った。姿は見えないが、高度な隠蔽スキルを展開したコボミとスパも、気配を完璧に消してリザの背に乗っているはずだ。
圧倒的な飛行速度であっという間に距離を詰め、ガラード王国の首都ガドリアの郊外へと着陸した。ここからは徒歩での進撃だ。
目の前に聳え立つのは、歴史を感じさせる極厚で巨大な石造りの城壁。正門前には、首都へ入ろうとする行商人や旅人、一般市民たちの途方もない長蛇の列が出来上がっていた。
「うーむ……これは素直に列の最後尾へ並んで入るのは、流石に時間がかかりすぎて面倒くさいな……」
俺が困り顔で呟くと、となりに立つルシーが邪悪な笑みを浮かべて杖を構えた。
「ヒロト、面倒なら正門前に群がっている人間どもを、私の極大魔法でまとめて根こそぎ吹き飛ばしてしまいましょうか?」
「ダメダメ! 政治や戦争に無関係な一般市民を巻き込んで攻撃するなんて、俺の良心が絶対に許さないよ!」
すると今度は、ハピが可憐に首を傾げながら提案してくる。
「じゃあ、この場にいる人間を全員、広域睡眠魔法でまとめてぐっすり眠らせちゃおっか?」
「うーん……それもちょっと無抵抗な人たちに害がありそうで嫌だなぁ」
「ん~、だったら少し列の横から割り込んでいって、邪魔する門番だけをサクッとぶっ飛ばそう!」
ハピが呆れたようにツッコミを入れる。
「えーっ!? それ、全員眠らせるのと大して変わらないじゃない!」
「全然違うよ! 無関係な全員を巻き込むのと、横柄な門番だけをピンポイントでぶっ飛ばすのとでは雲泥の差なんだよ!」
そんなワイワイとした会話を交わしながら、俺たちは堂々と長蛇の列を横切り、正門の門番のもとへ歩み寄った。
ちょうど豪華な馬車を引いた商人が門番と検問のやり取りをしている横へとズカズカ踏み込む。並んでいた強面の男が「おいおい! 横入りするんじゃねえよ! こっちは朝一番から何時間も並んでんだぞ!」と怒号を上げてきたが、俺はそれを綺麗にスルーし、呆然とする商人へひらひらと手を振った。
「ごめんね、ちょっと前を通るよ」
次の瞬間、俺は腰の銘刀ムラマサを一閃させた!
ガァァンッ!!
「ぐへっ!?」
峰打ちの一撃が炸裂し、先頭の門番が派手な音を立てて空中で横回転しながら吹き飛んでいく!
文句を言ってきた男も、検問中だった商人も、あまりの出来事に目を点にして固まってしまった。そして次の瞬間、関わりたくないとばかりに全員が我関せずの顔になり、明後日の方向を向いて存在を消そうとし始めた。
「な、何事だッ!? 敵襲ーッ!」
異変に気づいた他の門番たちが、ゾロゾロと長槍を構えて走ってくる。どこの国の門番も定番の武器は長槍らしい。
「押し通る!」
走ってくる門番たちに対し、俺たちは一切の歩みを止めずに突撃した。
リザの剛腕が門番を軽々と殴り飛ばし、ルシーの蹴りが鎧ごと胴体を打ち砕き、ハピの拳が敵を打ち上げ、俺のムラマサによる峰打ちの嵐が巻き起こる! 有無を言わさぬ圧勝劇で、門番たちは一瞬で全滅した。
ぶっ飛んだ門番たちの間を悠々と抜け、首都ガドリアの内部へ踏み込む。
大通りを進み始めると、半鐘の音が響き渡り、甲冑を纏った警備兵や衛兵たちが次々と集結してきた。
「さすがは一国の首都だな、警備の密度と反応速度だけはしっかりしている。……スパ、王宮までの最短ルートを案内してくれ」
姿を消していたスパの声が、影の中から澄んだ音で響く。
「承知いたしました。我が主、私についてきてください」
押し寄せる数百の衛兵たちに対し、スラオの容赦ない超高圧雷撃が牙を剥く!
バリバリガガガッ!と紫電が走り、漏れた敵には俺の神速の峰打ちが叩き込まれる。さらにスパの不可視の斬撃、リザとルシーの爆殺的な殴撃、ハピの投げ飛ばしと踏みつけが乱れ飛ぶ。衛兵たちは悲鳴を上げる暇すら与えられず、路面へ転がされていった。
俺たちは次々と敵を薙ぎ払いながら、一直線に王宮へと進撃する。
やがて目前に迫る王宮の巨大な大門。その前には、重装甲の騎士団と衛兵たちが隙間なく陣を組み、集団で待ち構えていた。後方には弓をギリギリと引き絞った弓兵隊がズラリと立ち並んでいる。
中央に立つ、熊のように体格がガッシリとした長身の衛兵隊長らしき男が、剣を抜き放ち咆哮した。
「止まれッ! 貴様ら一体何者だァッ!?」
俺たちは歩みを緩めることなく、堂々と大歩で突き進む。
「『樹海王国』の王、ヒロトだ! 貴国からの身の程知らずな宣戦布告を正式に受け取った! 開戦だッ!」
「狂人がッ! 射てぇぇぇッ!!」
衛兵隊長の命により、空を埋め尽くすほどの黒い矢の雨が降り注いだ。
だが、俺の全身を覆うスラオが瞬時に『ウィンドバリア』を展開! 猛烈な暴風の壁がすべての矢を木っ端微塵に弾き飛ばす。俺たちの歩みは1ミリたりとも止まらない。どんどん距離が詰まっていく。
ここでルシーが、空間の亀裂から禍々しい意匠の極大魔法杖を取り出した。
(へえ、ルシーも異次元空間を使えるんだな! 流石は不死王だ)
ルシーは不敵に微笑むと、その杖を横一閃に豪快に薙ぎ払った!
ドォォォォォンッ!!
解き放たれた圧縮魔力の波動が、王宮前を埋め尽くしていた数千の衛兵と騎士団を根こそぎ吹き飛ばす! 衝撃波の余波だけで、重厚な王宮の大門が木っ端微塵に粉砕された。倒れた兵士たちは全員、白目を剥いて二度と起き上がれない。
「よし、入るぞ!」
壊れた大門を潜り、豪華絢爛な王宮の内部へと踏み込む。
大広間には、王宮を守る最精鋭の近衛兵たちが完全武装で待ち構えていた。その中央から、一人の精悍な男が立派なロングソードを構えて前に出る。
「我が名は『剣聖』アバンニ! 樹海の王よ、一騎打ちを所望するッ!」
「断る!」
俺は一蹴し、足を緩めることなく突き進む。
ルシーが再び杖を薙ぎ払うと、暴風のような魔力圧が近衛兵たちをまとめて吹き飛ばした。だが、流石は剣聖というべきか、アバンニだけは猛烈な魔力圧に耐え切り、地に足をめり込ませて残っていた。
すかさず俺は、左目のアイの固有スキル『石化』を発動!
怪しい光が広間に充満し、吹き飛んで倒れていた近衛兵たちが次々と灰色の石像へと変貌していく。しかし剣聖アバンニは目ざとく危険を察知し、掲げたロングソードの刀身で巧みに両目を覆うことで石化の視線を完全に防ぎ切っていた。
「ぬあああッ!」
アバンニは超高速の『縮地』を踏み込み、一瞬で俺の間合いへと肉薄! 必殺の袈裟斬りを振り下ろしてきた!
ガキィィィンッ!!
「なっ!?」
リザが腕に装着したアダマンタイトの巨大盾で、その必殺の刃を余裕で受け止めた。それと同時に、俺はムラマサを横一閃! 強烈な峰打ちをアバンニの腹部へ叩き込んだ!
ドカァァンッ!!
「ぐはぁっ!?」
吹き飛ぶ剣聖アバンニに対し、追撃としてスラオの青白い雷撃が直撃する!
バリバリバリッ!
「がはっ……」
気絶した剣聖が白目を剥いて床に崩れ落ちた。
「スパ、国王がいる謁見の間まで案内を頼む」
「承知いたしました。こちらです」
さらに奥へと進む中、次々と現れる近衛兵の増援を妻たちが一瞬で吹き飛ばしていく。
だが実は、表立った戦闘の裏側で、正門から王宮内部に至るまで、ガラード王国が誇る最精鋭の暗殺・諜報部隊『闇の風』が密かに動いていた。彼らは気配を完全に消し、毒針や暗器、影からの奇襲など、あらゆる凶悪な手段で俺たちの命を狙っていたのだ。
しかし、それらの暗殺攻撃はすべて、高度な隠蔽状態で追従していたコボミとスパによってことごとく完璧に阻まれていた。コボミの圧倒的な闇魔法とスパの糸によって『闇の風』の精鋭たちは音もなく返り討ちに遭い、全員がコボミの『影の空間』へと引きずり込まれ無力化されていたのだ。
歩きながら、スパが影の中から淡々と報告してくれる。
「ヒロト様、表の兵士とは別に、影から命を狙ってきた王国の暗殺部隊『闇の風』数十名は、すべてコボミ様と私で処理し、影の中に格納いたしました」
「なるほど……見える敵だけじゃなかったんだね。流石は一国の王宮、陰湿な仕掛けもちゃんとしてるなぁ」
やがてスパは、王宮の最深部にある一際巨大で装飾過多な大扉の前で立ち止まった。
「ヒロト様、ここが国王のいる謁見の間でございます」
「よし、お邪魔するとしよう!」
俺は脚に力を込め、重厚な謁見の間の扉を思い切り蹴り開けた!
バゴォォォンッ!!
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