第79話 敵拠点電撃占領! 圧倒的軍勢と雷撃の嵐でガリア町を制圧し、いざガラード王国首都への反撃へ!
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大悪魔アスタロトは、当面城に留めておくことにした。
今日から可憐なブラウニー三姉妹の直属の上司として、本職の執事スキルを存分に発揮してもらい、城の維持と管理を完璧にこなしてもらう予定だ。
さて、ここからは俺たちのターンである。
ハクの高度な転移魔法が発動し、視界が一瞬で切り替わる。俺たちが降り立ったのは、ガラード王国の重要拠点である『ガリア町』の郊外だった。
俺は即座に召喚スキルを発動した。
「いでよ、リガント将軍! 精鋭兵士一万!」
ズガァァンッ!と大地が揺れ、重厚な漆黒の鎧に身を包んだ一万もの大軍勢と、巨漢のリガント将軍が整列して顕現した。俺は間髪入れずに命を下す。
「リガント将軍! これよりガリア町郊外に駐留しているガラード王国軍五千の拠点を急襲し、敵兵を全滅させずに速やかに無力化せよ!」
「ハッ! 樹海王国の圧倒的武威、とくと見せつけてくれましょう!」
一万の軍勢が怒濤の勢いで駐留地へ向かって進撃を開始するのを見届けると、俺はすぐさま念話で城にいるヒナへと繋いだ。
(ヒナ、聞こえるか? ガラード王国軍の駐留地とガリア町全体を、今すぐダンジョン管理下に組み込んでくれ!)
(はーい! ヒロト、任せて! 瞬殺でダンジョン化完了させたよー!)
ヒナの素早い手際で、ガリア町はあっという間に俺たちの支配領域となった。これでこの町での戦闘や統治はすべて俺たちの掌の上だ。
俺たちはそのまま、ガリア町の正面大門へと向かって歩みを進めた。
門前は重苦しく物々しい雰囲気に包まれている。どうやら近隣の国境緊迫を受けて警戒態勢を敷いているようだが、郊外の五千の駐留軍がすでにリガント将軍の軍勢に襲撃されていることには、まだ誰も気づいていないようだ。
門の前では、長槍を手にした二人の兵士が、町に入る行商人や住民たちの検問を行っていた。俺たちが近づくと、鋭い声が飛ぶ。
「止まれッ! 見ない顔だな……子供と女ばかりで何の用だ! 何をしにこの町へ入る!」
俺は不敵に微笑み、堂々と宣言した。
「ガラード王国側からの宣戦布告を正式に受け取り、このガリア町を占領しに来た」
門番二人は顔を見合わせると、腹を抱えて失笑した。
「ハァッ!? 占領だぁ? ガキが冗談言ってんじゃねえぞ、ふざけるのも大概にしろ! タダじゃ置かんぞ!」
門番は愚かな子供を叱りつけるように恐ろしい怒声を張り上げ、槍の穂先をこちらへ向けて構えた。
まあ、見た目が中学生程度の少年一人に、可憐な美女四人のパーティだからな。舐められるのも無理はない。もし最初から殺気全開で襲いかかってきたなら容赦なく斬り捨てたところだが、脅して叱りつける程度なら命まで奪う必要はないだろう。
俺は口元を歪め、ずっと心の中で温めていた憧れの決め台詞を叫んだ!
「──推して参るッ!!」
一度でいいから、このカッコいいセリフを言ってみたかったのだ!
「なっ、何ィ!?」
門番が動惑した瞬間、俺は腰の銘刀ムラマサを電光石火の速さで抜刀した!
銀色の閃光が走り、門番二人が構えていた頑丈な長槍の柄が、まるで豆腐のように綺麗に切断されて地面へ落ちる。
「武器をこちらに向けた以上、殺されても文句は言えないよ?」
あまりの神速の居合いに、門番たちは口をぐうの音も出せず、ポカンと開けて硬直していた。
俺の防護として全身に絡みついているスラオが、すかさず青白い雷撃を放つ!
バリバリッ!!
「ぐあぁッ!?」
痺れて気絶した門番二人を、ハクが即座に異次元空間へシュッと収納した。
門の前で検問待ちをしていた商人や住民たちは、一瞬の早業と現象に開いた口が塞がらず、悲鳴すら上げられずに驚愕して立ち尽くしている。
俺はさらに召喚スキルを起動した。
「いでよ! 漆黒のフルプレートオーク兵20名!」
禍々しくも美しいブラックミスリルの全身鎧に身を包んだ巨漢のオーク兵たちが現れると、周囲の緊張感は頂点に達した。
「これより本陣がガリア町を完全制圧する! 敵兵が抵抗してきた場合は容赦なく無力化せよ。不審者は通さず、一般の住民や商人は当面の間、入国料・入場料無しで通して良い!」
「「「ハッ! 承知いたしました!」」」
重厚な威圧感を放つオーク兵たちの返事に、並んでいた人々はさらに恐怖で顔を蒼白にし、脱兎のごとく後退っていく。俺は彼らに向かって朗らかに声をかけた。
「みなさんご安心を! たった今よりガリア町は『樹海王国』の領地となりました! それでも構わないという方は、入場料無料でお通りいただけます。こちらから素直な一般市民に手を出すことは絶対にありませんので、どうかお入りください!」
人々は警戒感を露わにし、「どうしようか……」とお互いに顔を見合わせている。まあ、いきなりそんなことを言われても困惑するだろう。彼らの反応は放置して、俺たちは堂々と門をくぐり、町の中へと踏み込んだ。
広大な町の広場へと進み出ると、俺は次の手を打つ。
「オク1! 漆黒のフルプレートオーク兵100名召喚!」
オク1の領地に所属する精鋭のオーク兵100名が、広場を埋め尽くすようにズラリと壮観に立ち並んだ。
「オク1、これより町全体の占領を開始する! ただちに衛兵詰所を襲撃し、中の兵を無力化してくれ。制圧後は衛兵として町を巡回だ。住民で武装抵抗する者は無力化、抵抗しない市民には手出し無用だぞ!」
「ハッ! 承知いたしました、主様!」
オク1と100名の重装オーク兵たちは、地鳴りを立てて衛兵詰所へと進撃を開始した。
詰所には常時30名ほどの衛兵がいるらしい。100名の精鋭オーク兵では完全な過剰戦力だが、今後の町の迅速な治安維持を考えれば、圧倒的な戦力で屈服させる方が間違いなく手っ取り早い。
俺たちはそのまま、このガリア町を治める領主の屋敷へと向かって悠々と歩を進めた。
領主屋敷の立派な門前にも、やはり二人の衛兵が威厳を保とうと立っていた。まだ郊外の駐留軍や衛兵詰所が襲来を受けていることには、露ほども気づいていない様子だ。
「おい、何者──」
話を聞く時間すら惜しい。俺が目の前に立つと同時に、スラオの容赦ない雷撃が弾けた!
バリバリッ!『ぐえっ!』
倒れた二人をハクがすぐさま異次元空間へ収納。俺たちは何事もなかったかのように門を通り抜け、豪華な屋敷の内部へと入っていく。
「スパ、領主のいる部屋へ案内してくれ」
「承知いたしました。こちらでございます」
スパの先導で廊下を進んでいく。途中、騒ぎを聞きつけて廊下に飛び出してきた衛兵や私兵たちが立ち塞がったが、片っ端から倒していった。
妻たちの圧倒的な一撃──ハクやルシーの容赦ない拳や蹴り、アリアの鮮やかな剣撃、スラオや雷精霊ライゾウの容赦ない雷撃が飛び交い、立ち塞がる敵兵は一瞬で気絶してハクの異次元空間へと吸い込まれていく。
やがて、重厚で豪華な装飾が施された大きな扉の前に辿り着いた。
「ヒロト様、ここです」
スパの言葉に頷き、俺はドアノブを回した。鍵はかかっていない。
ガチャリと扉を開けて足を踏み入れると、豪華な執務机に腰掛けた肥満体の男──領主のアーシュ男爵が、不機嫌そうに顔を上げた。
「ん? 外がやたらと騒がしいが何事だ……誰も呼んだ覚えはないぞ。おい、お前たちは一体誰だ?」
「俺は『樹海王国』の王、ヒロトだ。ガラード王国からの宣戦布告を正式に受け取り、本日をもってこのガリア町を占領する」
アーシュ男爵は一瞬呆気にとられた後、腹を抱えて大爆笑した。
「アハハハハ! 占領だと!? くだらんバカなことを言ってないで、さっさと失せろガキが! ……む? おい、後ろに控えさせている女たちは随分と極上じゃないか。よし、俺の女にしてやるから、その女たちを置いていくなら命だけは助けてやってもいいぞ?」
「断る!」
俺が吐き捨てた瞬間、スラオの超高圧雷撃がアーシュ男爵の丸々と太った身体を直撃した!
バリバリバリガガガッ!!
「ぶぎゃああああっ!?」
白目を剥いて失神したアーシュ男爵を、ハクが間髪入れずに異次元空間へシュッと収納する。その一連の光景を目の当たりにしていた部屋のメイドたちは、恐怖のあまり「ひいぃっ!?」とお互いに抱き合い、ガタガタと震えて狼狽していた。
俺は室内で召喚スキルを発動した。
「コボ5!」
ポンッと煙が立ち込め、コボルトエンペラーへと進化を遂げたコボ5が姿を現した。
「コボ5、アーシュ男爵領および樹海周辺の村々の統括領主を命じる! すでに聞いていると思うが、樹海周辺の村々はオニバル将軍がすべて占領済みだ。ガリア町はガラード王国軍の駐留地をリガント将軍が、衛兵詰所をオク1が制圧している。制圧完了後、当面はオク1のオーク兵100名で治安維持を行わせる。コボ5領として、見事に治めてくれ!」
コボ5は感動に身体を震わせ、深々と頭を下げた。
「主様……! このコボ5に領主などという大任をお与えくださり、身に余る光栄にございます! おそれ多いですが、主様のご期待に添えるよう、全力で頑張ります!」
俺は隣に立っていたアリアを見つめた。
「アリア、コボ5たちだけでは、人間種の住民との細かい交渉や管理で難しい部分があるかもしれない。しばらくの間、ライゾウと一緒にここに残って、住民たちとの窓口役をお願いできるかい? もちろん食事の時間は城へ帰ってきて、みんなで一緒に食べよう」
アリアの肩のあたりを飛び回っていた雷精霊のライゾウが、胸を張って頼もしく胸を叩いた。
「おう! 任せておけヒロト! アリアの護衛は俺様の完璧な雷撃でバッチリだぞう!」
アリアも優しく微笑み、俺の手にそっと手を重ねた。
「分かったわ、ヒロト。人間の住民たちの不安を和らげられるよう、私がしっかり間に入って手伝うね。……でも、食事の時だけじゃなくて、夜寝るのも絶対にお城のベッドだからね!」
「もちろんだよ」
コボ5はすでにコボルトエンペラーへと進化しており、アリアとライゾウ、そしてオーク兵100名がバックにいる以上、ガリア町の治安維持と防衛における戦力的な問題は皆無だ。
「何か予期せぬ問題が起きたら、すぐに念話で相談してくれ」
アリアたちに後を託し、俺は引き締まった表情でハクたちを振り返った。
さあ、次はいよいよガラード王国の首都だ!
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