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魔物使いの異世界大陸平定記〜神々や大悪魔すら配下!? 規格外のテイム能力で異世界の理をぶち壊し、気づけば大陸全土を制覇していた〜  作者: ボルトコボルト
第一章 深淵の樹海

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第75話 超古代技術と死神の襲来! 覚悟を深める樹海王国と、圧倒的即死スキルを司る最上位アンデッド降臨!

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 サクラが正式に仲間と妻の輪に加わったことで、城のリビングはかつてないほどの賑やかさに包まれていた。


 妻や幹部たちはソファーに深く腰掛けたり、ヒナがダンジョンポイントを使って召喚した特製の豪華な木製椅子に腰を下ろしている。ブラウニーのブラリリ、ブラルル、ブラロロの三姉妹は、小さな羽をパタパタと羽ばたかせながら、おかわりの紅茶や焼き立てのお菓子を配るために忙しなく室内を飛んでいた。本当に可憐に空を飛んでいる姿は実に微笑ましい。


 ヒナがソファーの上で膝を乗り出し、サクラへ興味津々に尋ねた。


「ねえねえサクラも、異世界転移の時にあの『白い部屋』で神様みたいな人に会ったの?」


 サクラは記憶を辿るように目線を上へ向けた。


「そうそう! もう千五百年も前の話だから記憶もかなり薄れてるけどね……。最初は本当に右も左も分からなくて苦労したわぁ」


「わかる〜! 私も最初はすっごく苦労したよ! 絶体絶命で危なかったところを、ヒロトに助けてもらったの!」


(苦労してたのかい!……って言っても、あの時は自業自得な状況だったろ!)


 俺は心の中で激しく突っ込んだが、もちろん口には出さず苦笑いを浮かべるにとどめた。


 ヒナはサクラの身につけている装飾へ視線を移す。


「ねえ、その腰や帽子についてる無数のメカメカしい機械は何なの?」


 サクラは真鍮の歯車を愛おしそうに指で弄んだ。


「これは全部、私が自作した魔道具よ! 爆発を起こしたりバリアを張ったり、いろんな機能があるけど……まあ、詳しい性能はお楽しみってことでね!」


「へぇーっ! じゃあ、その左腕はどうしたの?」


 サクラのロボットアームを指差すと、サクラはケロリとした顔で左腕を動かしてみせた。ウィーンと微小な駆動音が響く。


「あ、この左手ね? 昔、他の魔物との壮絶な戦いで吹き飛ばされて失っちゃったのよ。当時は生身の腕がないと不便で仕方なかったから、自分で機械の義手を作っちゃったの。今じゃ生身の腕よりも筋力が数百倍あるし、魔法の増幅器も入ってるから格段に便利よ!」


「ええーっ! 自分で作っちゃうなんて凄すぎるよ〜!」


 尊敬の眼差しを向けるヒナの横で、サクラのつぶらな瞳が俺の額に向けられた。


「それにしてもヒロト、あなたのそのパイロットゴーグル、すっごくセンスがいいわね! 何か特別な機能でもあるの?」


「ああ、これはうちの魔道具開発を担当してくれているダークエルフのグラビスに作ってもらったんだ。魔力を少し流すと、眩しさを遮断するサングラスに変化する。……サクラの技術なら、もっととんでもない機能を付与できそうだな。今からすごく期待しているよ。後でグラビスにもいろいろ教えてやってくれ」


 サクラは嬉しそうに胸を張った。


「了解! 任せておいて!……ふふ、ヒロトって実はスチームパンクとかサイバーパンク系が大好きなんでしょ?」


 サクラが自分のゴスロリ衣装や歯車を指差してニヤリと笑う。


「ああ、バレたか。大好物だよ。サイバーパンクもスチームパンクも全般的にね。本当はロークラウンのシルクハットにゴーグルを付けて、クラシカルなコートを着込みたかったんだが……この世界でそれをやると、あまりにも目立ちすぎて浮いちゃうから我慢していたんだ」


「あはは! 確かにねー! ……ねえヒロトは、この異世界でのんびり平和に暮らしたい派なの?」


 サクラの問いかけに、俺は少し視線を落として肩をすくめた。


「うーん……最初は特に大きな野望なんてなかったんだ。のんびりスローライフでも送れればいいやと思ってた。だけど、周りの状況や時代の濁流に流されているうちに、気づけば『樹海王国』なんて巨大な国を作る羽目になっていてね。基本、自分から他国を侵略するような戦争は好きじゃないつもりなんだが……なぜか周りに敵が多すぎてね」


 苦笑いする俺を見て、サクラは可憐にクスリと笑った。


「そっか! でもね、ここまで勢力が大きくなったら、もう目立ったって全然大丈夫よ? 不死王ルシーと精霊王レイが配下にいて、さらに私やデルガまでいるんだもの。その気になれば世界征服だって一瞬で出来ちゃうんだから! まぁ、世界は広いから隠れた強敵も山ほどいるけどね」


「自ら世界征服に乗り出すつもりは毛頭ないよ。ただ……気づけば守るべき大切な仲間や家族がこんなに増えた。だからこそ、降りかかる火の粉は全力で払いのけないとね。大切な場所を守るための戦いは、これからも続くだろうな」


「うんうん! 私も殺伐とした孤独な戦いより、みんなでワイワイ過ごす楽しい生活の方が大好き! 敵から逃げてばかりいるのも疲れるし、ヒロトの盾としてバッチリ戦うわよ!」


 俺はサクラの左腕と機械仕掛けの箒を改めて見つめた。


「しかし、サクラのその左腕も箒も本当に格好いいな。この時代の魔法技術とは根底から違うように見えるが……」


「目ざといわね! そう、これは『ロストテクノロジー』──前文明の失われた超古代技術よ。現在この技術を解読して扱える者なんて、大陸全土を探しても私を含めてほんの数人しかいないわ。遺跡から発掘されても、各国の王家に解読不能な『骨董品』として飾られるのが関の山ね」


 そんな会話で盛り上がっていると、突然それまで静かだった精霊王レイが立ち上がった。


 ふわりとソファーを回り込み、後ろから俺の首に柔らかい両腕を回して抱きついてくる。


「ん……」


 レイは俺の背中に頬を寄せ、優しく微笑んでいる。


(ん? 急にどうしたんだ? まあ、レイの温もりは心地いいからこのままでいいか)


 俺がそのまま背中の温もりを受け止めていると、ルシーが姿勢を正して声をかけた。


「ヒロト、雑談の途中で悪いけれど、3人目のスカウトを呼び出しても宜しいかしら?」


「あ、ごめんごめん! 話に夢中になっちゃっていたな。うん、呼んでくれ!」


 俺が頷いた──その瞬間だった。


 背筋を氷の刃で撫で上げられたような、猛烈な戦慄が全身を走った!


 ドス黒く禍々しい『邪気』が、津波のように部屋全体へ激しく吹き荒れ、渦を巻く!


 さっきまで和気藹々と喋っていた妻たちも、一瞬で顔色を変えて絶句した。


「──もう、来ているよ」


 耳元で響いたのは、墓場の底から響くような、擦れた掠れ声だった。


 俺がハッと息を飲んで背後を振り返る。


 俺を抱きしめているレイのすぐ真後ろに──死神が立っていた。


「「「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」」」


 アリアとヒナが悲鳴を上げて飛び上がった!

 サクラは慌ててヒナを引き寄せ、「よしよし、大丈夫よー」と頭を撫でて宥めている。アリアはハピの胸に顔を埋めてガタガタと恐怖に震えていた。


「な、なになに! なんなの今日! 化け物みたいな怖い人ばっかり来ないでよぉぉっ!」


 その瞬間、俺を抱きしめているレイの全身から、澄み渡るような絶対の精霊力が溢れ出し、部屋全体を優しく包み込んで邪気を相殺し始めた。


 ……なるほど! 奴が気配を消して部屋へ忍び寄っていたのを察知したからこそ、レイは俺を守るためにいち早く背後へ移動して抱きついてくれていたのだ! もしレイがこうして守ってくれていなければ、俺も威圧感で発狂して叫んでいたかもしれない。


「ありがとう、レイ。助かったよ」


 レイは「ふふっ」と可愛らしく微笑み、抱きしめる力を強めた。


 改めて目の前の存在を観察する。


 全身を覆うボロボロの漆黒のローブ。フードの奥に見えるのは、肉を完全に削ぎ落とされた人間の頭蓋骨だ。落ち窪んだ眼孔の奥には、吸い込まれそうなほど深い闇が広がっている。


 腕は皮膚のない白い人間の骨そのもの。そして下半身はなく、空気中にゆらゆらと不気味に浮遊している。

 右手には、漆黒の柄に長大で禍々しい漆黒の刃が取り付けられた死神の大鎌──『デスサイズ』が握られていた。


 死神は頭蓋骨の顎をカタカタと鳴らし、申し訳なさそうに掠れた声を出した。


「……すまん。人間種にはこの邪気はきつかったかな? 押さえ込もうとしたのだが、溢れてしまった。俺の名は死神『デステル』。もっとも、死神と言っても概念としての神ではない。レイスやゴーストなどの実体を持たぬ魔物における『最上位種』だ。闇魔法と、あらゆる生命を即座に摘み取る『即死スキル』を司っている。配下としてレイス、ゴースト、ファントム、リビングアーマーなどのアンデッド軍勢を数百万単位で自在に使役できる」


 デステルはデスサイズを背中に回し、ゆっくりと続けた。


「また、我が使役するゴーストの中には、生前の人間の記憶と卓越した知識を完全に保持した者が多数存在する。その中には当然、かつて名君として国家に善政を敷いた優秀な為政者や文官の霊体も多く含まれているのだ。不死王ルシーから『お前の率いる知識あるゴーストたちが、樹海王国の内政に極めて役立つはずだ』と誘いを受けた。どうだ……俺の力とゴーストたちの頭脳を、この国で使ってみる気はないか?」


 デステルの申し出を聞き、俺は目を輝かせた。


 即死スキルと広域闇魔法を操る最強クラスの戦力というだけでも凄まじいが、何より歴史上の名文官や知恵者の記憶を持つゴーストたちを内政官として活用できるというのは、現在の樹海王国にとって喉から手が出るほど欲しい人材だ!


「素晴らしい提案だ! デステル、ぜひ俺の眷属になって力を貸してくれないか?」


「いいとも。お前のような高潔な王ならば、喜んでこの魂を捧げよう」


 俺は即座にデステルへ手をかざし、スキルを発動させた。


「『テイム』!」


『──デステルが眷属になりました』


 脳内にメッセージが響くと同時に、デステルの放っていた刺すような不快な邪気が完璧に収まり、静寂が室内に戻ってきた。


 残るスカウト対象は、あと一人。


 最後に一体どんな規格外の怪物が登場するのか、俺は胸の高鳴りを抑えきれずにいた。

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― 新着の感想 ―
[一言] ぶっちゃけ魔王って種類あるよな(笑)魔法王、魔術王、魔族の王、魔物の王、悪魔の王etc(笑)人間だろうがなんだろうがその頂点に立った奴が王さね
2019/11/18 19:16 退会済み
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